芭蕉飛び込む 水の音

https://ameblo.jp/middlemiddleboy/entry-12608494513.html  【芭蕉飛び込む 水の音】 より

おはようございます。謎解きマスターとして東大生の松丸亮吾君を最近テレビでよく見かけますが、お兄さんはあのメンタリストDaigoなんですね。兄弟なのにあまり似てないかな〜Daigoはキツネ顔で阪神の藤浪とそっくりだと私は思います。ちなみに松丸ファミリーは男ばっかりの4人兄弟で残りの2人はプラグラマーとドラマーだそうです。

さて、本日はまだ残っていた2015年原稿より俳句の世界です↓↓

古池や 蛙飛び込む 水の音。聞いただけで情景が浮かぶ、誰もが認める名句で有名な松尾芭蕉であるが謎めいた部分も多く、それゆえになお一層惹きつけられる江戸時代の俳人である。

芭蕉翁の代表作といえばもちろん「奥の細道」だが、歩くスピードが一老人とは思えぬほど速いため松尾芭蕉“忍者説”や、武家出身であることから俳句はむしろおまけで東北地方へ送り込んだスパイではないかとの推測もある。まだどうやって旅費を工面していたのか、旅先で句会を開き(もしくは招かれ)、指導料を貰っていたと考えるのが自然だろうがその辺もハッキリしない。

そんな芭蕉の晩年、辞世の句は「旅に病んで 夢は枯れ野を かけめぐる」

いろんな解釈は出来ようが、ロマンチックさに溢れていることは間違いないだろう。

時代や交通手段の違いこそあれ、旅を愛する私にとってとても感慨深いものがある。

「奥の細道」とはいいながらも実際は最北でも中尊寺あたりまでで青森県は未踏のようである。私は2013年より3年連続で夏に東北を訪ねているが、もしタイムスリップが可能ならば是非とも芭蕉翁とともにさらに北へと足を運び、絶景を前に一句詠んでみたいものである。

いきなりだが、私が選ぶ日本の名句ベスト10

①古池や 蛙飛び込む 水の音

②閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声

③外に出てよ 触るるばかりに 春の月

④菜の花や 月は東に 日は西に

⑤柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺

⑥荒海や 佐渡に横たう 天の川

⑦五月雨を 集めてはやし 最上川

⑧夏草や 兵どもが 夢の跡

⑨行く春を 近江の人と 惜しみけり

⑩春の海 ひねもすのたり のたりかな

芭蕉の句がどうしても多くなってしまうのはご容赦願いたいが、十句いずれも人口に膾炙したものであり、なおかつ平易な言葉のみで日本の情景をわずか十七音で余すところなく読み上げているのが文学作品として非常に素晴らしい。

③は中村汀女、④は与謝蕪村の作。絵画的な春の名句としてよく採り上げられる。

⑤は作品は有名だが、作者が正岡子規であることはあまり知られていないかもしれない。歌人や文壇としての顔もあり、多くの野球用語を翻訳した功績から野球殿堂入りも果たしている。

私も下手の横好きながらよく俳句(大半は知人や自身をネタにした川柳だが)を詠むことがあり、一応おふざけ抜きの作品をいくらか挙げると

①見る夢は 心の旅と なりにけり <小6・修学旅行>

年度のはじめに国語で俳句を習ったので、行事がある毎に各自短冊に作品を書いて掲示していた。「心の旅」とは当時よく口ずさんでいたチューリップの名曲である。

②花アーチ 希望を胸に 卒業す <小6・卒業式>

この句と共に実際にアーチをくぐり、地元の公立中に進学した連中と訣別する事となった。

③宿題を 忘れて見合う 日焼け顔 <中2・夏休み>

句の内容については説明不要だろう。これも国語の課題の一環として創作したものである。実際のところ宿題は期限内にちゃんと提出していたので悪しからず。

わずか十七音が生み出すストーリー、日本の誇る芸術といっても過言ではない。なお種田山頭火は自由律のお方なので私の中では俳人としてカウントされていない。

⑨は「近江」である必然性はなく「播磨」でも「越後」でも「薩摩」でも良さそうに感じるが、やはり「近江」でなければならないのだろう。

私も専門分野でない以上、この句に従うよりほかない。だが、「松島や」を三回繰り返すあの句は果たして芸術と言えるかどうか。空腹時に「腹減った ああ腹減った 腹減った」(季語は食欲から連想して秋?)と詠むのと大差ないのではないか。

大した知識もないくせにいい加減な品評をしてしまった。重ねてお詫び申し上げたい。