蓮始開はすはじめてひらく

Facebook・印南洋造さん投稿記事·

11日里芋の写真を撮った帰り道、清原中の蓮は紅白が開花していました。

今日の昼には雷雨となり、明日は4日目、1輪は散り、1輪は3日目だ。


https://www.543life.com/seasons24/post20200712.html  【蓮始開はすはじめてひらく】より

こんにちは。暦生活編集部です。

今日は七十二候の「蓮始開(はすはじめてひらく)」についてのお話です。

夏の夜、暗闇の中で蓮のつぼみがゆっくりとほころび、美しい花を咲かせます。

「蓮始開」は、そんな夏の夜の美しい営みを言葉にした七十二候です。

見る者を幽玄の世界へと誘う蓮の花は、朝の訪れとともに完全に開き、昼が過ぎるころには閉じてしまいます。そうやって3日ほど繰り返し花を咲かせたあとは、力尽きたように、そのまま花を開くことなく散っていきます。

「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉がありますが、蓮は水底の地下茎から茎を伸ばし、水面に丸く綺麗な葉を浮かべます。そして、幾重もの花びらを開き、花を咲かせます。

蓮の原産地は、じつはよくわかっていないそうです。中国やインド、エジプトなどが候補に上がっていますが、未だ謎に包まれています。日本へは古くに中国からやってきました。奈良時代には蓮を鑑賞する催しが開かれていたようで、日本人との関わりはとても深い花です。

日本には、二千年蓮と呼ばれる「大賀蓮」がありますが、これは二千年前の弥生時代の種を、大賀一郎という植物学者が発芽させたもの。二千年前の種が発芽し、花を咲かせるなんて驚きです。蓮の種は外皮(がいひ)が厚いため、土の中で長い年月、発芽する力を蓄えられるそう。なんという生命の神秘。大賀蓮、ぜひとも一度この目で見てみたくなりました。

そんな蓮の花言葉は「清らかな心」「神聖」です。

見ていると心を清らかにしてくれそうな、美しい蓮にふさわしい花言葉ですね。

暑さが厳しくなる前の、涼やかな情景が目に浮かぶ綺麗な七十二候。

たった5日ほどの短い季節ですが、愛おしみ過ごすことができたらいいですね。

※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。


https://tenki.jp/suppl/yasukogoto/2015/07/14/5351.html

【七十二候≪蓮始開~はすはじめてひらく~≫泥より出でて泥に染まらぬ崇高で清らかな花】

蓮の花を愛でるなら早起きを。崇高な花々が咲く風景は心洗われる極楽浄土のよう

“泥(でい)より出でて泥に染まらず”と言われ、美しい花が泥の中から伸び立ち花開く姿が、いにしえより清らかさの象徴となってきた「蓮(はす)」。花中央の黄色い部分にたくさんの穴があいていて、蜂の巣に似ていることから、万葉の時代より「はちす」と呼ばれ、数多くの歌にも詠まれています。

その花の命はわずか4日。1日目は早朝より花弁が開き始めほんの少し開いたのち、つぼみの状態に戻ります。

2日目は、同じく早朝に咲きはじめ満開となり、香りを放ちながら最も美しい瞬間を迎えたのち、また半ば閉じてしまいます。

3日目は、2日目と同じく最大に開きますが、受粉を終えためしべは黒っぽくなり、花の色は若干退化。昼頃には閉じはじめます。

そして4日目…いったん3度目の全開を迎えたのち、はらはらと花弁が落ち、はかなくも散ってしまうのです。

2000年前の遺跡から発掘された種から花咲いた「古代ハス」

植物の中でも、最も古いものの一つと言われる蓮。

約2000年前の地層から発掘された蓮の種子が、発芽のエネルギーを秘めていたというエピソードも実に神秘的です。弥生時代の化石として出土した種が芽を出し、浮葉を浮かべ、開花にまで成功したのは1951年のこと。悠久の時を超え、深い深い眠りからさめ咲いた花は「古代ハス」と呼ばれ、現在では全国各地で育てられているので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

極楽浄土に広がる蓮の園。日本の古代に、そんな花の風景が広がっていたとしたら…と、想像してみるのも一興ですね。

花は美しく、根茎は美味しい蓮。茎の繊維から紡いだ蓮糸の織物も

花の美しさも、根茎の(レンコン)の美味しさも、古くから私たちの生活に溶け込んでいる蓮。その茎から取れる蓮の糸で、織物が織られてきたことはご存じでしょうか。

マハーバーラタの一節に、紀元前四世紀頃から繊維として使用されていたと見られる文献もあるということから、その起源はそうとう古いよう。日本では例えば、能「当麻(たえま)」の題材にもなった「當麻曼荼羅」が、蓮糸を使ったものだという逸話があります。奈良の當麻寺(たいまでら)に今もあるこの曼荼羅(まんだら)の原本(実は絹糸だったととのことですが)は、中将姫という女性が一夜で織った奇跡の曼荼羅。こんな伝説が残るのも、仏教との結び付きが深い植物・蓮ならではですね。

また、仏教を深く信仰する国ミャンマーでは、蓮が群生する広大な湖・インレー湖近辺で、今なお蓮の糸が紡がれています。

茎を折って引っ張ると出てくる、クモの糸のように細い糸をよりあわせて紡ぐその繊維は、すべてが熟練の手業によるもの。約1mの生地を織るにも、蓮の茎が一万本以上も必要だと言われるほど、かかる手間は実に膨大なのです。それでも、使い込むほどに柔らかくなる独特の風合いが素晴らしい蓮織物。主に高い位の僧侶がまとう法衣や袈裟としてお寺に奉納されているそうです。

蓮が咲く頃とはすなわち、梅雨明けが迫り、炎天が広がりだす頃。昼間の酷暑を避ける意味でも、少し早起きして、蓮の花見はいかがでしょうか。

最適な鑑賞時間は朝7時~9時頃だとのこと。

江戸の昔、上野の不忍池(しのばずのいけ)で行われていたような「蓮見(はすみ)」と洒落込んで、早朝から出掛けるのも、すがすがしい夏の日の楽しみ方の一つになりそうですね。

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