ギボウシ

https://annabelle.at.webry.info/200707/article_17.html 【ギボウシ】

ギボウシは小さい頃から馴染みの植物で、庭の日陰のあちこちに植えてあった。その大きな葉は葉蘭同様、お菓子を包んで蒸し菓子にも利用されていた覚えがある。

これに花が咲くのを余り気にしたことがなかったが、ガーデニングをするようになって、薄桃のユリのような綺麗な花が咲くものだと初めてその花を意識した。

画像7年前に田舎から送ってきた1株の葉の大きなものを、落葉樹の紅葉の木の根元に植えていたら、それには毎年花が咲いていた。その後、株も増えてきたが、残念ながらおと年辺りから花が咲かなくなった。

どうも株も葉も小さくなったようだ。

ほったらかしでお礼肥もしなかったからだろうかと考えたが、傍に色々他の樹木を植えて本当の日陰になった所為であろうか?

これが花屋では「ホスタ」名で出回っていたが、ギボウシとよく似ていて日本の野山で自生するものだと思っていたので、何故ホスタなのだろうか、と不思議に思っていた。

出回っているホスタの葉を見ると、斑入りだったり、葉が青っぽかったり黄色っぽいものもあり様々に品種改良されているようだった。

去年も書いたが、このギボウシもシーボルトによって外国にもたらさせて品種改良され、日本に逆輸入されてきたものだった。それでギボウシの学名の「ホスタ」名がついていた。

我が家にある4種のうち、去年は白い斑入り葉のものがとても元気が良くて花が咲いたが、今年は何故か全然花が咲かない。場所的に全くの日陰ではないが、草臥れたのであろうか?

他のギボウシも今年は開花しないと諦めていたら、田舎から送ってきた大きな葉のオオバギボウシらしきものに、今年久々3年ぶりに小ぶりの花枝が1本出ているのを確認した。

やっと昨日蕾が開花してきたが、日照が足りないので小ぶりなのだろうか?

他の小さな葉のものも音沙汰なしで、全くの日陰に植えていた「タマノカンザシ(玉の簪)は去年秋に掘り上げて場所移動したが、当初より株が小さくなってしまった。

ホスタは花が咲かなくても葉だけでもカラープランツとして充分楽しめる植物で、アオキ同様、外国でも人気で出回っているようだ。また日本では、小ぶりのものなどを山野草愛好家が色々愛でている。

昔ギボウシのことを「ぎぼし」とか田舎では呼んでいたが、漢字では「擬宝珠」と書かれて、橋の欄干の飾りとして使われる宝珠の飾りや葱の花に似ているので、そんな名前になったそうだ。

見ていると花期が長いように見えるが実は一日花で、順次下から花が咲いていくので長く咲いているように見える。透き通るような花びらで下向きに咲き、慎ましやかな花だが優雅さもある。

ギボウシは日本の野山にも自生しており、仙台の秋保大滝の藪でも葉を見かけたが、場所的に湿り気を好み過湿地でも育つようだ。

一度植えるとほったらかしで花も咲き、和風花壇、日陰花壇のグランドカバーとしても重宝されて、北側花壇内に植えてあるのを見かける。そこでは花も賑やかに咲いている。

先日7月8日、神代植物公園に出かけた折に、グリーンギャラリーや本園では結構日当たりに色々な種が結構たくさん植えてあり、大きな紫の花や葉も黄色っぽいものなど見かけた。中には花が咲かない株もあった。植えっぱなしで手間要らずなので、重宝されているようだ。

「ギボウシの花の一つにもぐりたる蜂がかそかな音たてるなり」(鳥海昭子)

「人去りて闇に遊ばす十指より弥勒は垂らす泥のごときを」(永井陽子)

「竹とんぼこころもとなく光つつこの世のほかのいづかたに飛ぶ」(々)

「三年ぶり淡き花色擬宝珠が一本のみ立つ庭隅の中」

「こんもりと葉の幾重にも重なりて擬宝珠占むる初夏の花壇を」

「台風のさ中幾度も行き来して餌を咥え来る目白親鳥」

「親鳥がちちと鳴きつつ飛び来れば口開けて待つ目白の雛ら」


https://ameblo.jp/cornerstone1289/entry-12042426892.html  【ギボウシ】

昨年の秋から冬、なんとかプランターから抜き取ろうと思ったが、根がプランターのすべての面にこびりついていて引き離すことができない。

プランターを反対にむけて底を叩いてみたがびくともしない。そのまま放置していたら今年も芽吹いた。

土もなくなって根しかないと思うが丈夫なものだ。

このかたちでは、花がたくさん咲くわけないので今冬は、プランター自体を分解する予定。

ギボウシ。5号鉢に植え付けたものを従兄の一人からもらったのは、20年以上前。

鉢を1回りずつ大きくしていって、とうとうプランター植えになった。

プランターに植えかえてからでも10年。

来週の末にその従兄の子が我が家に来るというので、門前に目印として置いた。

その横に観葉植物的にホトトギスを配置。これは誰にもらったか思い出せない。

先年、比叡山の中腹といっていい住宅団地に住んでいた友人のM君の家を訪ねたら、裏庭いっぱいに茗荷とホトトギスが蔓延っていた。

夏だったが、地面が乾燥してるためか茗荷の子はまったく見当たらなかった。

そのまた横に、花盛りのシーズンは終わったけれど、また秋口には咲くであろう。

門の両脇に紫陽花とサポナリア

擬宝珠の例句

擬宝珠に程よき日陰独り住む(義父) 高澤良一 暮津

形見とておほかたは古り花擬宝珠 大石悦子

擬宝珠咲く葬儀三日の夕間暮 廣瀬直人

睡き子のかたむきかゝる花擬宝珠 石田いづみ

風吹てぎぼうしの花砕けり 擬宝珠の花 正岡子規

観音の千手全し花擬宝珠 安田政子

去年よりも濃き句の絆花擬宝珠 水下寿代

花擬宝珠旧家の庭の奥にかな 五十川せき

白擬宝珠たそがれの指やわらかき 戸田富美子

ひき臼のいま飛石や花擬宝珠 野村喜舟

絶壁に擬宝珠咲きむれ岩襖 杉田久女

擬宝珠の花にはじまるお題目 高澤良一 鳩信

擬宝珠の茎をするりと雨滴馳せ 高澤良一 宿好

つくばねや擬宝珠をとぶ牛若子 西鶴

光晴の死の擬宝珠咲くばかりかな 平井照敏

五箇山の姓なき墓擬宝珠咲く 斉藤敬子

花擬宝珠眼より暮れゆき石地蔵 川本けいし

閻王の留守なる御堂擬宝珠咲く 井村和子

達磨寺の洗心池の擬宝珠かな 手島南天

擬宝珠に夕べの雨の雫かな 田村秀子

花擬宝珠叩きて峡の雨太し 須佐泰子

富士の雨擬宝珠を打つてはじまりぬ 小田亨

草刈も影もさやけし花擬宝珠 藤田湘子「途上」

花売りの擬宝珠ばかり信濃処女 橋本多佳子「信濃」

這入りたる虻のふくるる花擬宝珠 高浜虚子「虚子全集」

擬宝珠の花雨垂れの穴大小 川崎展宏

擬宝珠の如き春日みづうみに 川崎展宏

絵島の地擬宝珠は花を納めたる 井桁白陶