言語化するということ

https://kuromarutakaharu.com/2018/01/15/verbalization/  【言語化するということ】

カウンセリングでも、言語化することは、様々な気づきが得られるためとても大切なことだと言われています。

それは言語化という作業により、無意識レベルにある有用な情報をうまく引きだし、意識化することで「気づく」という状態を作り出していることに他なりません。

その一方で、言語化するという行為が逆に無意識レベルに働きかけ、それにより、知らず知らずのうちに行動に変化をもたらすということもあります。

例えば、かけ声などはごく一般的です。

やらなくてはいけないことがあるにもかかわらず、ダラダラしてしまっているときに、

「よし!やろう!」と言って気合いを入れると自ずと仕事に取りかかろうという気になり、

実際、行動に移すことができます。

このときの気合いを入れる言葉、「よし!やろう!」などは、言語化することでダラダラ行動を仕事行動に変える典型例でしょう。

以前、心療内科医をしていた際、よく使っていたのが「まあ、いいか」療法です。

これは主にネガティブな思いに頭が支配されてしまったときに、この「まあ、いいか」という言葉を呟くことで、その思いがなくなるというものです。

例えば、以前「死にたい」という思いが頭から離れないという患者さんがいたのですが、

そのような思いが強くなったら「まあ、いいか」という言葉を心の中ででもいいから、

繰り返し呟くように言いました。

これは、呟いているうちに「まあ、いいか」という言葉に次第に感情が伴うようになり

本当に「まあ、いいか」という気になるので、実際、死にたいという気持ちがなくなるため

このような患者さんにはとても有効な治療法になります

以来、この患者さんは死にたいという気になると、この言葉を繰り返すようになり、

次第に死にたいという思いも薄れ、だんだんと元気になっていきました。

これなども、「言語化」が無意識に働きかけ、それが思いや行動に変化をもたらすという、

ひとつの例です。

みなさんも「言語化」を日常にうまく取り入れ自分の行動を変える工夫をしてみませんか。

http://www.koryubunseki.com/%E3%82%B2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E6%8A%80%E6%B3%95%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89%E3%80%80gestalt-technique/ 【同一化による気づきの練習 awareness exercise by indentification】  より  

ゲシュタルト技法(1) gestalt technique

部屋の内部を見回し、あらゆるものが目に入るようにする。

次に、とくに目につくもの(例:隅のごみ箱)を選び、それになり、それを体全体で味わい、その感覚を言語化する。多くの場合、心的葛藤がそこに投影されていることに気づく。

同様に、生育暦全体をイメージのなかで往来し、とくに浮かび上がってくる場面を、現在形で言語化するのもよい。

また、失感情症的な患者では、病める臓器そのもの(例:気管支、筋肉)になり、その形、機能などを擬人化して描写すると、体の感覚信号をキャッチするのに役立つ。

そのほか、絵画工作などを用いて自己像を表現し、各身体部位と全身との関係を感覚的にとらえる作業も有効である。