http://www.hattori-naika.com/andrew_weil_spontaneous_happiness.htm より
著者のワイル博士は、統合医療の生みの親であり世界的指導者としてタイム誌の表紙に二度にわたり取り上げられたアリゾナ大学医学部教授で、また「癒す心・治る力」「ヘルシーエイジング」(角川書店)など数々のベストセラー作家でもあり、一般向けの健康講座 www.drweil.com のディレクターなどたくさんの顔をもっている内科医師です。
そのワイル博士が自身のサイトで「うつ」が大きな社会問題のひとつになりつつあることに気づき、統合医療的なアプローチから「うつ」を取り上げ、掘り下げた新刊です。
うつが消えるこころのレッスン 序章より抜粋
世に幸福を手に入れるための方法を紹介する書物は無数にありまた(プロザックのようなポピュラーな抗鬱薬を使うものも使わないものも含めて)抑うつとその治療法について書かれた書物にも事欠かない。だが、本書はそれらとは別種のものだ。これは「感情のウェルビイング」について書かれたものであり、わたしがその発展に協力している「統合メンタルヘルス」という新しい科学分野から生まれたものである。統合メンタルヘルスは「統合医療」(IM)の思想から発展してきた分野の一つであり、その根底には、人間に備わった自己調節能力と自己治癒能力を重視するという姿勢がある。統合医療はこころとからだを「人間に備わった二つの極」であり、両者は不可分であると考える。したがって、ライフスタイルにおいて、健康や病気のリスクに影響をあたえうる、すべての側面を考慮に入れつつ医療を行う。統合医療はまた、健康を維持し治療をサポートすることに役立つ限り、現代医学の治療法であれ、科学的に有効だと認められる「代替」療法であれ、あらゆる治療法を活用する。
うつが消えるこころのレッスン 目次
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序文 ・・・8頁
夢想された幸福が不幸を生む / 感情の平均海面 / 自発的幸福とはなにか? / 「満足」よりも「知足」を
第一部 理論編 ・・・26頁
第一章 感情のウェルビイングとは何か?
感情の平均海面にとどまる / 満足より知足を感じる能力 / 安楽と静穏を友とする / 双極性障害とバランスの欠陥 / ピンクリボン文化の毒性楽観主義
第二章 大流行する抑うつ
状況抑うつと内因性抑うつ / わたしの抑うつ遍歴 / なぜ大流行するのか / 「こころの風邪」という日本攻略戦略 / 「富裕の病」としての抑うつ / 蔓延する「自然欠乏障害」 / ネット社会が抑うつを生む
第三章 こころの健康:革新の必要性
「生物医学への挑戦」 / ”真の”原因はピロリ菌か? / 三大神経伝達物質 / セロトニン神話 / 偽薬より効かない抗うつ薬 / 新しい「モデル」の誕生
第四章 東西の「こころの科学」を統合する
先住民の精神医学 / 仏教と科学の統合 / 道具としてのマインドフルネス / 料理やスポーツでも瞑想できる
第二部 実践編 ・・・110頁
第五章 からだのケアによる感情の最適化
からだの病気と感情 / 抑うつと炎症のサイトカインコネクション / 「抗炎症ライフスタイル」の重要性 / サプリメントと感情のウェルビイング / 身体運動の重要性 / 睡眠、夢、気分 / 気分変容薬の作用(アルコールとカフェイン) / 「気分変容」薬物 / 処方薬と売薬 / ハーブ系治療薬 / 日光療法 / 抗うつ薬:どんな時に使うのか / 抗不安薬は要注意 / 抑うつと不安に効く自然療法(セントジョンズワート・サムイー(SAMe、S・アデノシー・L・メチオニン) / ロディオラ / 抗不安薬としてのバレリアンとカバ / アーユルベーダハーブ:アシュワガンダとホーリーバジル / ターメリックの薬効 / 鍼療法、タッチ、土いじり(鍼、タッチの重要性、土いじり)
まとめ:からだのケアによる感情のウェルビイング
第六章 こころの再訓練とケアによる最適化
思考の管理という難題 / ポジティブ心理学:介入法 / 認知心理学と認知行動療法 / 東洋の心理学 / マントラ / イメージ法 / 呼吸法 / 注意力と集中力を鍛える / 瞑想 / サウンドとノイズ / こころの栄養 / 過剰な情報を制限する / 社会的孤立を防止する
まとめ:こころのケアによる最適化
第七章 世俗的霊性と感情のウェルビイング
自己の非物質的な本質 / 自然とつながる / コンパニオンアニマルとつきあう / 芸術と美を鑑賞する / 他者を優先しよう / 共感と慈悲心 / 人を許す訓練 / 微笑みと大笑い / 沈黙を育てる
まとめ:世俗的霊性
第三部 地に足をつけて生きる ・・・282頁
第八章 感情の最適なウェルビイング
第一週 旅立ち
第二週 まずはここから
第三週 長期戦略の計画
第四週 もう一歩先へ
第五週 進捗の評価
第六週 はずみをつける
第七週 ゴールから目を離さない
第八週 ホームストレッチ
第九週 8週間プログラムをこえて
感謝の言葉
付録A 抗炎症ダイエット
付録B リソース(情報源)とサプライ(供給源)
訳者あとがき
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