プラトン立体と完全なる数100

http://metalogue.jugem.jp/?eid=1825  より

■改めてプラトン立体のデータ表を見てみよう。正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、正20面体の面の数は名前の通りそれぞれ4,6,8,12,20で全て足すと50になる。同様に点の数は4,8,6,20,12で、こちらも全て足すと50となる。つまり5つのプラトン立体の点数と面数の総和は100となるということだ。100はヘレニズム世界では「完全な善」とされており、成就の数とも考えられている。

■正4面体の面と点の数「4」の3角数である10(=1+2+3+4)は、古代ギリシアでもテトラクティスとして重要視されていた構造だが、100はその10の平方数である。またペンターブを構成する1から4までの3乗数の和も100(=1^3+2^3+3^3+4^3=1+8+27+64)である。100点満点や100%や水の沸点の100度Cなど10進法を用いている私たちにとって、100はとても馴染み深い数である。

■人間の脳の認識において100Hzを境に99Hz以下は人類の共通部に、そして100Hz以上は音声・言語領域にと明確に2分されている(※1)。平安時代には深草少将の百日通いというものもあった。歌人小野小町に言い寄った深草少将(ふかくさのしょうじょう)は「自分の元に100日通ってきたら、あなたの愛を受け入れよう」と言われて99夜通いつめたが、いよいよ願いの叶う100日目に凍死してしまった。

■99と100の間には、それを捉える人間の意識の方にも明確な違いがある。「妖怪百物語」を行う時も、100話まで語ると実際に妖怪たちが顕現してしまうということを恐れ、99話で止めてお開きにするという。またニワトリの卵は100時間を超えるとその形態が急速に安定する。そして生物が太古の海から未知なる陸へ上がるドラマが、発生からこの前後24時間足らずの間に実際に再現されるのである(※2)。

自分自身と双対の関係にある<正4面体>は、<正6面体-正8面体>のカップル及び<正12面体-正20面体>のカップルと一線を画す、よりタイトな高次の存在であると捉える考え方もある。そこで正4面体を別枠に扱い、残る4立体の面の総数を考えると全部で46になる。また面と点の合計を考えれば92となる。46は人間の染色体の数であり、92は自然界に存在する最大の元素U:ウラニウムの原子番号である。

■ところで元素周期表の上では、原子番号46は最も安定した元素のPd:パラジウムである。これより原子番号の小さい元素は核融合傾向が大きく、これより大きい元素は核分裂傾向が大きい。また日本語50音図の中で現在大方の日本人が認識できる音は、ヤ行のイとエ、ワ行のヰ・ウ・ヱを除き、ンを入れた46文字である。1から200までの素数は全部で46個ある。また地球の歴史は約46億年と考えられている。

■また正4面体を正逆(もしくは虚実)の2種と考えると、プラトン立体の面(もしくは点)の総数は54となり、面と点の総和は108となる。54は3の3乗である27の2倍であり、またこの面と点の総数は108となる。108は仏教で言う煩悩の数だ。四苦八苦するとは仏教用語の四苦八苦が元の表現で、四苦とは生・老・病・死であり、これに愛別離苦・怨憎会苦・求不獲苦・五陰盛苦を加えたものが八苦である。

■100:108は月の自転・公転周期27.3日と朔望周期29.5日の比であり、また金星の公転周期225日と自転周期243日の比でもある。薔薇十字会は108年ごとに社会に影響を及ぼすべく行動をとるという。カンボジアのアンコールワットにある、門から続く道の両側に立つ巨石像の総数は108体だ。108度といえば正5角形の内角である。四苦と八苦を合わせて(4X9+8X9=)108煩悩とは数のダジャレである。

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(※1)角田忠信「右脳と左脳」。

(※2)三木成夫「胎児の世界」。

プラトン立体サイコロと365

■サイコロといえば私たちは普通、立方体の各面に1から6までのサイの目をつけた正6面体のサイコロを連想する。ところでこの正6面体は5つのプラトン立体のうちの1つである。そこでその他の正4面体、正8面体、正12面体、正20面体にも各面に1からその面数までの数を記したプラトン立体サイコロというものを考えてみよう。これらは実際に商品化されているので、その気になればすぐ入手できる。

■ではまずこのプラトン立体サイコロの目の数を全部足してみよう。この操作は3角数を出すことと同じである。つまり1からその立体の面数までの和を出せばいいのだ。正4面体が1+2+3+4=10、正6面体が1+2+3+4+5+6=21、正8面体が1+2+3+4+5+6+7+8=36。同様にして正12面体は78、正20面体は210となる。そして5つの立体の総和は10+21+36+78+210=355となる。

■ところで月の朔望周期29.5日の12回分は354日であり、自転・公転周期27.3日の13回分は355日だった。すなわち5つのプラトン立体サイコロの全ての面に書かれている数の総和である355は、太陰暦の1年つまり354日に1日を足した数、及び月の13自転・公転周期に等しいのである。なお1~4の4乗数の和も(1^4+2^4+3^4+4^4=)354である。ここにもペンターブシステムを見ることができる。

■先にプラトン立体を5種類ではなく3組の双対関係にある6種としても捉えられると述べた。そこでこの考え方に則って、5つではなく6つのプラトン立体サイコロの全ての目の合計を数えてみよう。すると双対関係にある3組6種のプラトン立体立体サイコロの目の総和は、もう1つの正4面体サイコロ分の10が加わって、1年の日数に等しい365となる。5か6かはまた、太陰暦か太陽暦かでもあるのだ。

この月の13自転・公転周期と地球の1年に対応する355と365という数は、古代のマヤやエジプトなど世界各地で暦の基本でもあった360という数に対して、プラスマイナス5の対称性として見ることもできる。なおプラスマイナス6である354と366という数には、月の12朔望周期の354日と地球の1年間の自転回数である366回が対応すると見て取ることができよう。ここにも5と6のセットが存在している。

■プラトン立体の3組の双対関係の線数とその3角数についても考えてみよう。正12面体及び正20面体の線数は30で、その3角数は465である。この465は6種のプラトン立体サイコロの目の総和365と、プラトン立体の面と点の総和100の和に等しい。またこの465から正6面体及び正8面体の線数12の3角数78と、正4面体の線数6の3角数21を引くと366になる。この366は地球の1年間の自転回数である。

   465=365+100

   465-(78+21)=366

■面(点)の総数、3角数と見てきたので、4角数についても見てみよう。正6面体と正8面体の面数の4角数の和は100(=36+64)である。これに正4面体の面数4の4角数16を加えると116で、水星の会合周期日と同じ数になる。さらに正12面体の面数12の4角数144を加えると、マヤの神聖暦ツォルキンの260となる。いずれにしても、プラトン立体から重要な周期の数が出てくるのは不思議ではなかろうか。

■またプラトン立体5つの線数の4角数の和は36+144+144+900+900=2124だが、こちらも正4面体に対性を認めるならば2160となる。2160はマヤの計時単位の6トゥン(360×6)であり、また惑星歳差運動周期25920年の1/12、つまり黄道12宮の1つを春分点が移動するのに要する年数でもある。2160は6の3乗、もしくは3,4,5の3乗の和である216の10倍でもある。