大切なあの人のメンタルに成長の種をまく「めんたね」 より
催眠コミュニケーションとは?
ある性質
めんたねのテーマを一つの質問にまとめるならば、こうなります。
相手のためによかれと思って発した言葉が、こちらの意図とは裏腹に反発されてしまう。
それはなぜなのか?
みなさんも、一度はそんなつらい思いをしたことがあるのではないでしょうか?
わかってほしい、でもわかってもらえない。
その結果、相手に対して腹を立ててしまい、言葉が荒くなる。
不機嫌な様子が顔に出る。
すると、さらに相手は心と耳を閉ざす……
その原因は人間の持つある性質にあります。
この性質を理解し、上手に扱ってあげると、今までうまくいかなかった人間関係が、面白いように改善します。
相手が、あなたの言葉に耳を傾け、その影響を受け、実際に行動を変えるようになる。
これは、ビジネス、恋愛、教育……あらゆるジャンルにおいてです。
このある性質の扱い方をただ知らないというだけで、
世の中の95%以上の人たちが、とても苦しみ、損をしている。
ある性質の正しい扱い方を身につけることで
あなたは周囲に対する強力な影響力を持つようになるのです。
では、これから催眠コミュニケーションを理解するための7つのキーワードを一緒に見ていきましょう。
これを知らなきゃはじまらない基本の3つ
1.抵抗
ある性質とはズバリ「抵抗」。抵抗を回避する。これが催眠コミュニケーションの基本的なスタンスです。そもそもここでいう抵抗とはどんなもの?抵抗についての理解なくしてめんたねの理解なし!
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LinkIcon抵抗とは?
#1 抵抗と抵抗回避
指示や命令、アドバイスは必ず抵抗を引き起こす
人間が必ず持っている性質。それは「抵抗」です。そして、相手の抵抗(心理的反発)を回避する。これがめんたねの基本スタンスになります。 さて、抵抗とは一体どんなものでしょうか?
人は、「Aをしなさい」と他人から何かを命じられると、その内容がどんなに正しいことでも必ず、そこに抵抗の気持ちが生まれます。その内容を受け止めずに、拒絶したい気持ちが働くんですね。
これはとても自然なことです。生まれたばかりの赤ん坊であれば、手に取れるもの全てをかたっぱしから口に入れてみて、それがなんなのかを確認します。しかし、成長するにつれて、世の中には口に入れると危ないものがたくさんあるんだ、と学んでいきますね。口に入れる前に、「ちょっと待てよ……これは本当に口に入れていいのか?」と警戒し、疑うようになる。まず、最初は自動的に拒絶する。そして、次に、再び手にとって、おそるおそるぺロッっとなめてみる。おいしい味がして大丈夫そうなら、次に口の中にパクッと入れる。自分の身を守って安全を確保しつつも、新しい世界を知って広げる。そのためには、最初は反射的に拒絶する癖を身につけておくことも大切です。
他人の意見や指示を受け入れるときにも、これと同じことが起こります。相手の意見が、正しいか、正しくないかをまずは疑って、1回拒絶する。それから、徐々に様子を見つつ、受け入れていきます。
ですから、こちらが指示や命令を直接出す限りは、必ず相手から抵抗されるのです。
地面の上においてあるモノを動かそうとするときには、必ずそのモノを動かさないように、その場にとどめておくように摩擦力が働きます。抵抗というのもそれと似ています。指示やアドバイスで相手を動かそうとすれば、必ず抵抗が生まれるのです。
めんたねでは、この地面をアイスリンクに変えてしまって、摩擦力が極端に少なくなるようなセッティングの作り方をあつかいます。これが抵抗回避というわけです。いつでもどこでも抵抗回避の意識を持つ。わずかそれだけでも、あなたのコミュニケーションのクォリティが、大きく変化することを実感するでしょう。
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2.自発性
めんたねでは自発性という言葉を世間一般とはかなり異なった理解の仕方をしています。「自発性を引き出す」って言葉はちょっと妙ですよね?人から引き出されたらそれってそもそも自発じゃないよね?
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LinkIcon自発性とは?
#2 自発性
自発性とは「自分で選んだ」と思っていること
人から押し付けられたことには抵抗が働く。
でも、それが、自発的な行動であれば、当然、そこに抵抗は生まれません。
では、自発性とは一体なんでしょうか?自然と相手の中からわきだしてくるもの?「自発性を引き出す」という言葉があります。これって、どういうことを指しているのかわかりますか?人から引き出されたら、それって、自発性じゃないと思いませんか?
めんたねでは、この自発性という概念をみなさんの常識的な感覚とはまったく違う角度からとらえて、あつかいます。めんたねでは、自発性を以下のように考えます。
人間は、周囲からの何らかの刺激を受け取ると、記憶やそれまでに学習してきた反応パターンに沿って、なんらかの行動をします。
たとえば、ある人が友人から、「イタリアは美しくて素晴らしい国だから行ったら楽しいよ。是非、今度行ってごらん。」と勧められて、実際に行ったとします。その人に対して、「なぜイタリアに行ったのですか?」と質問すれば、「友人に勧められたから。」と答えるはずです。
ところが、時間がたって、その人は、友人からイタリア行きを勧められた、という事実を忘れてしまったとします。そのときにもし同じ質問をすれば、こう答えるでしょう。「いや、なんとなく。イタリアにはなんとなく行きたい、と思っていたんだよ。美しくて素晴らしい国だと思っていたしね。」
つまり、行動の原因となった刺激を意識できているうちは、自然と降ってわいた自発的行動ではなくて、人に言われたからやった行動だと認識しています。
ところが、行動の原因となった刺激を忘れてしまったり、そもそも意識できないように、メッセージが工夫されて送り込まれたりすると、相手はその刺激に反応して行動するにもかかわらず、自発的に行動したと感じるわけです。
そう考えると、自発性というのは本人の中からわいて出てくるものではありません。本人が自分自身でその行動を選んだと「感じて」いること。本当に自分の意思で選んだかどうかは問題ではなくて、本人がそう「感じて」いればいい。
それが自発性だということになります。そういう状態を上手に作るように働きかけてやると、相手は、心理的反発を感じることなく、こちらのメッセージを受け入れてくれます。これはめんたねの原理の中でも基本中の基本なので、是非頭の片隅に入れておいてください。
本人が自発的に行動していると思っていると、その行動は永続的に続きます。
人から無理矢理やらされていると思っていると、行動は長続きしません。ですから、周りの人たちに働きかけて変化を引き起こそうとするならば、極力、相手に「自分は自発的に動いているのだ」と思わせるようなやり方で接するのがいいのです。
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3.催眠技術と無意識コミュニケーション
めんたねの扱う無意識コミュニケーションとはどのようなもの?世間一般でイメージされているショー催眠のイメージと無意識コミュニケーションで用いられる催眠技術とでは大きくその内容が違います。
LinkIcon無意識コミュニケーションとは?
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#3 催眠技術と無意識コミュニケーション
抵抗回避をしつつ、自発性を引き出すコミュニケーション
めんたねの扱う「無意識コミュニケーション」とは、どのようなものなのでしょうか?
基本的には無意識に働きかけるための催眠技術をベースにしています。しかし、世間一般でイメージされているショー催眠のイメージと、無意識コミュニケーションでは、大きくその内容が違います。ショー催眠には、お座敷芸として、エンターテイメントとして、周りの人たちに面白い催眠反応を見せるという目的のために行われます。つまり、手品を披露するのと同じような意味合いです。
しかし、これだけでは、日常コミュニケーションにおいては、役立たせることはできません。日頃の会話の中で、「ではこのペンライトを見つめてください……そう。このペンライトを見つめているとあなたはだんだんねむ~くなる……」なんていう風にやり始めたら、気味悪がられておしまいです。あの人は変な人、怪しい人とレッテルを貼られて、かえって逆効果ですよね。
めんたねがあつかう無意識コミュニケーションは、
日常のコミュニケーションの中で、周りの人たちに変化を引き起こすことを目的としています。
したがって、いわゆる典型的な催眠誘導は、使いません。
その代わりに、一見、なんの変哲もない普通の会話をします。
ここがポイントですね。わざとらしくなく。さりげなく。
しかし、そのコミュニケーションの中には、催眠で使われる技術と同じ構造を持ち込みます。
そうやって、相手の無意識に対して、直接、働きかけるのです。
その結果、相手は抵抗することなくスムーズな変化を受け入れていきます。
めんたねでは、無意識への働きかけを主に以下のようなものとしてとらえて、説明しています。
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4.ペーシングとリーディング
ペーシングとは相手の歩調に合わせること。リーディングとはこちらから働きかけて相手の中に変化を引き起こすこと。ペースをあわせて相手に対する影響力を確保し、適切なタイミングで相手を新しい世界へとリードします。
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LinkIconペーシングとリーディング
#4 ペーシングとリーディング
最初は合わせて、次に変える
ペーシングとは、相手と歩調を合わせること。相手の考える枠組みにそって話を進め、相手が問題なく受け入れられることだけを、最初は伝えます。相手の話をよく聞き、それに同意します。
ペーシングを続けていると、相手と自分の間には、信頼関係ができてきます。心理療法の世界では、それをラポールなどといいます。一言で言ってしまえば、「この人の言うことはもっともらしいな。どうやら信頼できるようだ。この人の言うことだったら、信じてやってみてもいいだろう。」そんな風に思ってもらえる関係です。
二人の間にラポールが形成されると、次に、初めて、相手に対して本格的な変化を引き起こす働きかけをすることができます。それが、リーディングです。相手を新しい世界へとリードしていくのです。
ペーシングによってラポールを築き、リーディングで変化を引き起こす。ペーシングとリーディングは、常にセットです。ペーシングのないリーディングは、相手から激しく抵抗されます。望む変化を引き起こすことはできません。一方で、リーディングのないペーシングは、無意味です。自分の中に、本当に必要な新しい変化をもたらしてくれないあなたに対して、無意識のレベルで相手は失望し、離れていくことでしょう。
ペーシングとリーディングのバランスを常に考え続けながら、相手とのコミュニケーションをとること、これはめんたねの提唱する無意識コミュニケーションを支える重要な柱です。
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5.雪玉効果
小さな変化を拡大する。雪山の上から転がり始めた小さな雪玉は、周りに雪をつけてドンドンと大きくなっていきます。
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LinkIcon雪玉効果とは?
#5 雪玉効果
小さな変化は大きくなる
まずは、小さな変化の種を見つける。もしもなければ、小さな変化を作り出す。次にその小さな変化を、徐々に大きなものへとしていく。これが雪玉効果です。雪山のてっぺんにある、小さな雪玉が、いったん坂を転がり始めると、ドンドン大きくなっていく様子と似ているので、このような名前が付いています。
もしも、職場に仕事をサボってばかりの部下がいたら?その部下をしっかり観察します。たとえ、どんなにサボリ魔だといっても、1日中、ずーっとサボり続けているはずはないですから。そして、ほんの一瞬でも仕事に取り組んでいる時間を見つける。そして、あとで指摘してやるのです。「今日の3時頃は、随分集中して仕事に取り組んでいたようだったね?」すると、部下は答えてくれるでしょう。「ああ、ちょうど契約が取れそうな仕事だったんで乗り気だったんですよ!」そうやって、相手の中に既に隠れている小さな変化を拾い上げていく。そして、その変化を徐々に拡大していけばいいのです。
雪玉効果の一番のメリットは、相手の抵抗が少ないこと。いきなり大きい変化を引き起こそうとするから、激しい抵抗にあいます。既にある、小さな変化の種を見つけて、それを利用すれば、抵抗はほとんど受けません。
どんな小さな変化でも、最初に変化を作り出してしまえば、「変化する」ということを、相手は受け入れたことになります。
一度「変化する」ことを受け入れてもらえれば、その変化の方向や量を変えていくことは、いきなり大きな望みどおりの変化を引き起こしにかかるよりも、はるかにカンタンです。
ビンのふたがきつく締められていて、開けられないときがありますね。そんなとき、多くの人は開ける方向にひねってみても開かないならば、こんどは閉める方向に少しひねってみます。すると、ほんのわずかに動きが出るのでもう一度開ける方向にひねってみる。そうやって小さな動きを拡大して大きな動きを作り出す。開ける方向でも閉める方向でもとにかく、ほんの少しでも動けばいいんです。最初の小さな変化が何より重要です。あとはいくらでも大きくできるんですから。
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6.利用(ユーティライゼーション)
利用できるものは相手の抵抗でも欠点でも問題行動でもなんでも利用して、逆に問題を解決していく。柔軟な発想こそが利用のためにもっとも重要なこと。
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#6 利用(ユーティライゼーション)
欠点や問題点こそ裏返して上手に利用するのがいい
使えるものはなんでも使いましょう。多くの人たちは、目の前に、問題を解決するためのたくさんの道具が、転がっていることに、気づきません。
「あなたの家から、最寄の駅までの道のりのどこかに、100万円を隠しておきます。もしも、欲しければ、探し出して、持っていってもいいですよ。」こう言われたならば、きっと目を皿のようにして、100万円を探し出すはずです。そして、きっと見つけることができます。
しかし、同じように100万円が隠されていても、もし、その事実をあなたが知らなかったら……偶然、100万円を見つける人は、滅多にいないはずです。
問題解決のために使えるもの、役に立つものを、全てまとめてリソースといいます。いつでも、必ず、リソースは目の前にあります。一見、困難を引き起こしている問題も、それ自体を利用して、問題を解決することだってできます。多くの人は、それを知らない。そこが、一番の問題です。ですから、今から、使えるものを全て利用してください。
あまのじゃくな性格の持ち主に対しては、やらせたいことと正反対のことを指示してみるといいでしょう。きっと、彼らはその反対、つまり、あなたがやらせたいことをやってくれるはずです。どんなものだって、利用できます。相手の抵抗だって、利用できます。あと必要なのは、知恵だけです。
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7.ミルトン・エリクソン
めんたねの考え方のベースになっているのが20世紀最大の天才心理療法家ミルトン・エリクソンの叡智。ミルトン・エリクソンとはどのような人物だったのでしょうか?
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LinkIconミルトン・エリクソンとは?
ミルトン・エリクソン
20世紀最大の心理療法家、現代催眠の父
ミルトン・エリクソン(Milton.H.Erickson 1901~1980)は、アメリカの精神科医で心理療法家です。
エリクソンは、心理療法において催眠技法を多用し、被催眠者の抵抗を回避するための、様々な技法を編み出しました。
さらに、それらの技法をいわゆる催眠誘導の枠の外へと広げ、一見、普通の会話をしているように見えながらも、実は、催眠と同じ原理を使って、相手を誘導し、変化させていくようになります。
エリクソンのわずかな変化をも見逃さない観察力、コミュニケーション技術、相手の抵抗さえも利用してしまう柔軟な発想など、様々な面において、ずば抜けた才能を発揮しました。そのため、「エリクソンには催眠に入れられないクライアントはいない」と言われるほどでした。一見、治療困難に見えるような反抗的なクライアントに対しても、エリクソンは、常識では考えられないような奇抜なペーシングまで駆使し、上手に関係を作ります。そして、クライアントが自ら行動を起こさざるにはいられないように働きかけ、クライアントが受け入れられる小さな変化から最終的に望む大きな変化まで導いていきました。
エリクソンが従来の催眠に与えた影響は非常に大きく、エリクソン以前の催眠を古典催眠、エリクソン以降、エリクソンが開発したやり方を含む催眠を現代催眠、などと呼んで区別することもあります。
また、問題の原因を過去に求めて、その解釈を続けていく精神分析的なモデルをエリクソンはとりませんでした。過去にこだわらずに解決を追求し、はっきりとクライアントに対して指示や課題を出し、短期間で問題を解決していく。エリクソンのこのスタイルは、従来の心理療法の世界観を大きく変化させ、短期療法(ブリーフセラピー)を中心に、多くの流派の源流となっています。
現在、エリクソンから学んだ弟子達は、各自、その技術を発展させ、様々な心理療法の流派を作り出しています。ヘイリーのストラテジックモデル、シェイザーやインスーによる解決志向アプローチ(Solution Focused Approach)、バンドラーとグリンダーによる神経言語プログラミング(NLP)などなど。家族療法の中にもエリクソンの技術は取り入れられています。
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