https://art-tags.net/manyo/four/m0623.html 【第四巻: 0623: 松の葉に月はゆつりぬ黄葉の・・・】 より
原文
松之葉尓 月者由移去 黄葉乃 過哉君之 不相夜多焉
作者
池邊王(いけへのおおきみ)
よみ
松(まつ)の葉に、月(つき)はゆつりぬ、黄葉(もみちば)の、過(す)ぐれや君が、逢(あ)はぬ夜(よ)ぞ多き
意味
松(まつ)の葉に、月(つき)がかかるまでに時が過ぎてしまい、あなた様に逢えない夜が多くなりました。
「松(まつ)」は「待つ」を思い起こさせます。また、「黄葉(もみちば)の」は「過(す)ぐ」を導く枕詞(まくらことば)です。
- rough meaning: The time has passed before the moon over the pine leaves, and the nights whenI can't meet you have increased.
補足
この歌の題詞には、「池邊王(いけへのおおきみ)の宴(うたげ)に誦(よ)む歌一首」とあります。ほかの人が詠んだ歌を唱えたのかもしれませんね。
https://art-tags.net/manyo/four/m0670.html 【第四巻 : 月読の光りに来ませあしひきの】より
原文: 月讀之 光二来益 足疾乃 山寸隔而 不遠國
作者: 湯原王(ゆはらのおほきみ)
よみ: 月読(つくよみ)の、光りに来ませ、あしひきの、山きへなりて、遠からなくに
意味: 月(つき)の光をたよりに来てくださいな。山で隔(へだ)てて遠いというわけではないですから。
https://art-tags.net/manyo/four/m0671.html【第四巻: 0671 : 月読の光りは清く照らせれど・・・】 より
原文
月讀之 光者清 雖照有 惑情 不堪念
作者
不明
よみ
月読(つくよみ)の、光りは清く、照らせれど、惑(まと)へる心、思ひあへなくに
意味
月(つき)の光は清く照らしていますが、私の心は暗く、お目にかかりに伺(うかが)う気持ちになれません。
この歌は、「湯原王(ゆはらのおほきみ)」の詠んだ歌(月読の光りに来ませあしひきの山きへなりて遠からなくに)に答えた歌です。
https://art-tags.net/manyo/four/m0702.html 【第八巻 : ぬばたまのその夜の月夜今日までに】 より
原文: 夜干玉之 其夜乃月夜 至于今日 吾者不忘 無間苦思念者
作者: 河内百枝娘子(かわちのももえのおとめ)>
よみ: ぬばたまの、その夜の月夜(つくよ)、今日(けふ)までに、我れは忘れず、間(ま)なくし思へば
意味: あの夜の月(つき)を今日も忘れられません。ずっとあなた様のことを想っていますので。
ぬばたまのは、「夜」などを導く枕詞(まくらことば)です。
大伴家持(おおとものやかもち)に贈った二首のひとつです。
https://art-tags.net/manyo/four/m0709.html 【第四巻 : 夕闇は道たづたづし月待ちて】より
原文: 夕闇者 路多豆多頭四 待月而 行吾背子 其間尓母将見
作者: 豊前國娘子大宅女(とよくにみちのくちのをとめおほやけめ)
よみ: 夕闇(ゆふやみ)は、道(みち)たづたづし、月(つき)待(ま)ちて、行(い)ませ我(わ)が背子(せこ)、その間(ま)にも見む
意味: 夕闇(ゆふやみ)は、道が暗くて見にくいですね。月(つき)が出るのを待ってからお帰りください、あなた様。それまでの間、あなた様を見ていましょう。
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