聖衆来迎 蓮華化生

https://blog.goo.ne.jp/goo541705/e/52372d803f3d0ba47e15c87c2ea5f156 【聖衆来迎 蓮華化生】  より

聖衆来迎  しょうじゅ らいごう

人の臨終に際して阿弥陀如来が25の菩薩を引き連れて迎えにくる

釈迦如来が死者の魂を現世の苦しい世界から救い出して極楽浄土へおくり、これを阿弥陀如来が迎えるという浄土教の説教

蓮華化生 れんげけしょう

極楽浄土への往生は、そこに生まれる業の力で化生すると言う。蓮華化生とは極楽浄土の蓮華の中に化生するという意味。

経典に説かれる「蓮華化生」という往生の過程は天人の化生に順ずるものと考えられる。

 例えば、『観無量寿経』上品上生に

「行者見おわりて歓喜踊躍し自ら其の身を見れば金剛台に乗ぜり。仏後に随従して弾指の頃のごとくに彼の国に往生す。彼の国に生じ已りて仏の色身衆相具足せるを見、諸々の菩薩の色相具足せるを見る。光明の宝林妙法を演説す。聞き已りて即ち無生法忍を悟る。」とある。阿弥陀仏の誓願力によって浄土で悟りを開くにしても、そこに至るためには先ず転生する必要があることは明らかであろう。

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宇野茂樹氏

滋賀県立短期大学名誉教授

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絹本著色聖衆来迎図(けんぽんちゃくしょくしょうじゅらいごうず)

http://www.kiis.or.jp/kansaida/kashiba/kashiba03.html

重要文化財(阿日寺蔵)

鎌倉時代

阿日寺(あにちじ)(香芝市良福寺)(かしばしりょうふくじ)は平安時代の学僧恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)の生誕地として、また「安楽往生」の「ぽっくりさん」として知られている。

平安時代は末法思想が暗い影を落とすかたわら、浄土教(じょうどきょう)が広がり、貴族の財力に支えられながら浄土美術が普及した。その影響は仏像に始まり、絵画・工芸の分野にも及んでいる。なかでも聖衆来迎図は最も色濃く影響を受けており、人の臨終に際して阿弥陀如来が25の菩薩を引き連れて迎えにくる様子を描いている。平安時代後期~鎌倉時代中期まで盛んに描かれ、特筆すべきはすべて国宝・重文に指定されている。

阿日寺蔵の重文絹本著色聖衆来迎図(95.0cm×53.8cm)は、往生者のもとへ、蓮台(れんだい)を捧げた観音菩薩と、合掌する勢至(せいし)菩薩を先頭にし、光明(こうみょう)を放って、奏楽(そうがく)する多くの菩薩を従え、画面の右下へ向かって来迎する阿弥陀如来の一行を描いている。

法華寺(ほっけじ)の阿弥陀三尊及童子(さんそんおよびどうじ)像(国宝)、長谷寺の阿弥陀来迎図(重文)に比べて、来迎者の人数が多く、興福院(こうぶいん)の阿弥陀二十五菩薩来迎図(重文)の流れをひいた作品とみられる。このことから、制作は鎌倉時代中期と考えられる