蓮華ってなーに

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なぜ墓石に蓮華台があるの?仏像・仏画の仏様やボサツは、たいてい蓮の花弁の台座にお立ちになったり、坐っておられます。

この台座は「蓮台」(はすのうてな)とか「蓮華座」(れんげざ)「蓮華台」(れんげだい)とよばれています。

「蓮」を「はちす」というのは花托(かたく)の部分が「ハチの巣」を逆さまにした形に似ており穴がいくつもあるからです。

蓮華台のついた墓石をよく見かけますしお位牌にもあります。

仏様やボサツと同じようになぜお位牌や墓石にも蓮華台をつけるのでしょう。

蓮の花にはどんな意味があるのでしょうか。

次回から詳しく数回にわたりお伝えいたします。是非お楽しみに。

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ネアンデルタール人の供花

供養をするときは、お仏壇やお墓、それに葬式でもかならず花を供えます。これを「供花」(くげ)といいます。

亡くなった人に花を手向ける習慣はいつ、誰がはじめたのでしょう?

死者に矢車草やアザミなど七種の花を供えた最初の人類は5~7万年前のネアンデルタール人でした。

(イラン、シャニダール洞窟で発見)

古くから火や花は世界各国に共通して死者の祭祀に用いられてきました。

中でも「供花」の習慣がもっとはやく私たちがお墓まいりで花をそなえる習慣も考えてみると5万年以上も続いています。

ですから驚異的なお墓やお葬式の「文化」と言うことができます。

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【蓮華ってな~に③】 より

古代インドの蓮の花

インド原産の蓮(英語でロータス)は古くから世界中に分布していました。

古代エジプト(神聖なロータス)ギシリャ神話(ロータス・イーター) 中国では仏教以前から俗塵に染まない「君子の花」とされ 日本の「古事記」や「万葉集」にも出てきますし

日本で最初に花が造形されたのは六世紀の終わりでしたがそれは飛鳥寺の蓮華紋の瓦だったそうです。

古代インド(3.000年前)では「ハスの女神」像が発掘されています。

蓮は女性の母胎(胎蔵)と考えられ多産・生命の創造をあらわしました。

のちに豊穣・幸運・繁栄・長寿・健康の意味が加わります。

インド最古の文献「ヴェーダ」にハスの女神は花の上にたち、蓮華の飾りをして誕生した、とあります。

紀元前五世紀に仏教がこうした風土の中に生まれると蓮華はおシャカ様の誕生を告げて花を開いた、という伝説ができます。

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仏教と蓮華

仏教や仏法をあらわす代表的な花はもちろん蓮・蓮華です。有名な「法華経」の正式名は「妙法蓮華経」で「法華」とは「大白蓮華」のことです。

奈良・東大寺の大仏様がまだボサツとして修行をされていたとき「蓮華蔵世界」を厳かに飾られたと「華厳経」にありますから「華厳」の華は「蓮華」です。その様子が大仏様の蓮台にえがかれています。

密教ではマンダラのまん中に八葉の蓮華がありその中心に本尊の大日如来がおられます。ちなみに墓石の蓮華台が八弁なのはここに由来しております。

また浄土宗・浄土真宗のお経「阿弥陀経」や「大無量寿経」などにも極楽浄土の蓮池には蓮の花が咲いている、と書いてあります。

もちろん禅宗の本尊、釈迦牟尼仏の像も蓮華台に座っておられます。

このように日本のすべての仏教宗派の共通して蓮華台が使われます。

それは蓮華が仏教の根本的なシンボルであるからにほかなりません。

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極楽往生と蓮華

さてここでクイズです。「極楽往生」といいますがいったい、どの様にして亡くなった人は極楽浄土に生まれるでしょうか?

その答えは「大無量寿経」と「観無量寿経」というお経にあります。

お経には多くの人々が七宝の蓮華の中で自然に不思議な誕生をし蓮華台の上に両足を組んで坐っている、とか命が終わると無量寿国に生まれることができ七宝の蓮華の中で化生する、とあります。

また西方の極楽に生まれ蓮華の中に両足を組んで坐りとあります。

「極楽往生」とは浄土の蓮池に咲く「蓮華」の中で一瞬のうちに不思議な誕生をすることです。

こうした誕生を「蓮華化生」(れんげけしょう)といいます。ここに仏教以前の古代インドの「ハスは母胎をあらわす」という考えがうけつがれています。

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蓮華は成仏と往生のあかし

ところで亡くなっていない仏様が蓮華の台座にいるのはなぜでしょう。それは蓮華に「悟りの世界」という意味があるからです。蓮華はよごれた泥の中から清らかな花を咲かせます。

泥は「迷いの世界」、蓮華はよごれた泥に染まらない「悟りの世界」のたとえです。

仏様は悟りを開いて仏となった尊い方です。その「あかし」として蓮台に乗っておられるのです。

日本では平安中期に浄土のおしえが広まりますが臨終のとき「ナムアミダブツ」とお念仏をとなえた人はすべて浄土に生まれる。という「極楽往生」のおしえでした。

それは「成仏」と同じ意味なので亡くなった人でも蓮華台に坐ることができるのです。

お念仏をとなえると死者は成仏し往生できるという教えは日本では画期的なことだったので

わかりやすさから一気に全国に広がりました。

最初に述べたお位牌やお墓に「蓮華台」をつけるのはじつは亡き人が成仏し極楽往生した「あかし」だったのです。


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