台湾が親日国といわれる理由とは?約85%が日本好きと回答/歴史や数字からみる関係性

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【台湾が親日国といわれる理由とは?約85%が日本好きと回答/歴史や数字からみる関係性】  著者:訪日ラボ編集部  より

台湾は旅行先として日本人に人気を集め、近年日本ではタピオカドリンクをはじめとする台湾グルメにも注目が集まっています。

一方、台湾にも親日家が多いといわれています。特に90年代には「哈日族(日本大好き族)」という日本の文化を熱狂的に愛する人たちも登場しました。

当記事ではデータや歴史的背景から、台湾にはどれぐらい親日といわれる人が存在するのか、なぜ台湾が親日といわれているのかを解説します。

台湾人は親日って本当?

そもそも台湾人は本当に親日なのか、と疑問をお持ちの方もいるでしょう。台湾人は親日とよく言われますが、実際に日本に好感を抱く人は多いといえます。

以下ではいくつかのデータを用いて、「台湾人の親日さ」について解説します。

台湾人の84.6%が日本に対して好感

台湾の民間団体、台湾民意教育基金会が2018年に発表した調査結果によると、台湾で最も好感度が高い国としてシンガポールに次いで日本が2位に選ばれています。

同調査では、台湾在住の20歳以上の男女を対象に、台湾の近隣諸国や主要国を含む10の国と地域について「良い印象を持っているかどうか」と質問形式で実施しました。

その結果、日本に良い印象をもっていると回答した人は84.6%に上りました。このデータは多くの台湾人が親日である一つの証拠といえます。

訪日台湾人観光客の特徴

親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域です。訪日台湾人観光客はテレビ番組などから日本の最新情報を入手していることが多く、人気のエンターテイメントや話題の商品についてよく知っています。

日本は台湾人に人気の旅行先

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2018年の訪日台湾人は年間約476万人で訪日外国人数の15.3%を占めています。

日本と台湾を結ぶLCC路線の増加や地理的に近いこともあり、多くの台湾人が訪れているようです。

特に北海道には多くの訪日台湾人が訪れています。台湾には降らない雪景色を楽しめることや北海道ならではの大自然が台湾人にとて魅力的なのでしょう。

また、台湾には多くの北海道産の食材をショッピングモールで目にする機会が多く、認知度が高いことも要因となります。

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日本語能力試験(JLPT)の受験者数 第3位

2018年の日本語能力試験の受験者数を見ると、日本を除く国の中で台湾は中国や韓国に次いで第3位の38,981人でした。

台湾の教育部(文部科学省に相当)では高校生の海外渡航を促しており、その一貫として日本の中学・高校との交流を推進しています。

また、台湾の高校や大学では、第二外国語として英語に次いで日本語が人気のようです。

高校を卒業してから日本の大学に進学する人や日本の大学に交換留学する台湾人も多いといわれています。

台湾国内でも日本語学科のある大学が40以上あり、日本語を学べる環境が豊富です。

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なぜ台湾は親日国であるのか

これまでで台湾人に親日家が多いことはわかりました。では、なぜ台湾はこれほどまでに親日な国なのでしょうか。

そこには歴史的背景が関係しますが、世代別に親日である理由は異なるようです。

以下では、台湾が親日な理由を世代別に解説します。

日本統治時代に日本語教育を受けた世代

1895年から終戦1945年の約50年間、台湾は日本に統治されていました。

統治時代、当時の日本政府は高速道路や鉄道敷設などのインフラ整備を積極的に行いました。

その結果、台湾の交通網が整い、経済発展に貢献しました。

また、日本は同時に台湾の子供の就学率を上げることや日本文化や日本語の教育も行いました。

台湾の経済発展に貢献したことや当時の教育を受けた台湾人は日本語を話せる人が多いことから、日本統治時代を実体験として経験した人に日本に親しみをもつ人が多いといわれています。

90年代に台湾に登場した「哈日族」(日本大好き族)

台湾では、日本文化に熱狂する台湾人を「哈日族(ハーリーズー)」と呼びます。

「日」は日本を意味し、「哈日」は「日本が好きでたまらない」という意味です。

由来は日本が大好きな漫画家・哈日杏子(ハーリーシンズ、ハニチキョウコ)さんが1996年に出版した4コマ漫画「早安日本(おはよう、日本!)」の作中で使われたことからきています。

哈日族は、日本統治時代を過ごした年代の孫の世代にあたり、祖父母から日本の文化を聞かされ、日本文化に親しみをもつようになったといわれています。

そのため、哈日族が主に好きなものは、戦後日本のサブカルチャーのようです。

台湾での日本ブームは2000年にピークを迎えた後も台湾に浸透し、ケーブルテレビでは2つの日本語専門チャンネルがあるなど、昨今の若い世代にとって日本文化は台湾文化のひとつとなっています。

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東日本大震災に対する台湾の義援金 世界1位

(データ参照元:https://www.nippon.com/ja/features/c04918/)

台湾外交部(日本でいう外務省)が発表した資料によると、2014年12月31日までに日本に送られた台湾からの義援金は総額およそ253億円に上ります。

しかし、外交上の問題で中国への配慮もあり日本政府から台湾への正式な感謝の意は述べられませんでした。

そこで、政府ができないなら民間で台湾に恩返しをしようという運動が起こりました。

日本人女性デザイナーがSNS上で呼びかけたことから始まり、台湾への感謝を伝えるための広告やCMが有志で製作されました。

それらは実際に台湾の地方紙やテレビで使用・放送され、それを見た台湾人からは感謝のコメントが寄せられました。

台湾から日本への義援金にまつわるこのエピソードは、日台両国民のお互いに対する印象をさらに押し上げる原因になったと言えます。

日本における台湾人気

お互いの国の人気は、台湾から日本への一方的なものではありません。

以下では、日本で人気の台湾についてご紹介します。

旅行先の人気1位、5年連続で台湾

リクルートライフスタイルの調査研究機関「エイビーロード・リサーチ・センター」による2018年の日本人の海外旅行動向調査によると、人気の旅行先として台湾が1位(16.3%)に選ばれています。2014年から5年連続の1位です。

特に日本の若者の間で台湾旅行がブームになっています。

リーズナブルに台湾ならではの料理を楽しめる屋台やジブリ映画「千と千尋の神隠し」の舞台といわれる九份などが人気を博しています。

昨今は、日本・台湾間のLCC路線も増えており、気軽に台湾へ行きやすくなったこともブームを後押ししています。

空前のタピオカドリンクブーム

空前のタピオカブームはいまに始まったことではありません。

1980年代に台湾でタピオカミルクティーが考案され、台湾のタピオカミルクティーのチェーン店の日本進出をきっかけに初のタピオカブームが1990年代後半に起こりました。第一次タピオカブームです。

その後、2008年に台湾の黒いタピオカ入りのミルクティーがブランド化され、日本でも人気を集めるようになりました。第二次タピオカブームです。

そして、現在は第三次タピオカブームとなります。

SNS映えや旅行先としての台湾人気も相まって、若い女性を中心にタピオカ人気が白熱しており、台湾のタピオカ店が続々と日本進出を果たしています。

台湾の音楽、グルメ、化粧品にも注目集まる

台湾旅行やタピオカのみならず、台湾の音楽やグルメ、化粧品にまで注目が集まっています。

音楽面では、日本で複数の台湾バンドがデビューしています。

2016年8月に都内で開催された台湾カルチャーイベント「台湾ワンダフル」では台湾の人気バンドらがライブを行い、一晩で900人が来場し盛り上がりをみせました。

また、最近では台湾料理である「ルーロー飯」(ご飯に味付けされた豚肉をのせたもの)などのフードワゴンも人気です。

化粧品では、台湾企業が2013年から日本で販売展開しているフェイスマスク「我的美麗日記」が品質の良さと安さにより特に若い女性から人気を集めています。

台湾人は日本に好感を持つ人が多く、近年日本でも台湾が人気に

日本語を学ぶ台湾人が多いことや災害時に台湾から多くの義援金が集まったことなどから、台湾は日本に好感をもつ人が多い国だと言えます。

台湾人に親日家が多い理由としては、日本統治時代を知り日本に親しみを感じる世代や1990年代に登場した哈日族など、世代によって「親日な理由」は多少異なるようです。

台湾で日本文化が根付き人気を誇る一方で、日本でも台湾人気は高まっており、昨今では空前の台湾ブームが起きています。

旅行先としての台湾人気やタピオカブームをはじめ、最近では台湾の音楽やグルメにも注目が集まっています。

インバウンド対策ではお互いの国に対する良いイメージを生かして、訪日台湾人に対してはフレンドリーなコミュニケーションを心がけたり、台湾国内で人気のある日本のコンテンツに関連付けてPRしていくと有効かもしれません。