http://blog.matsufuji.jp/?eid=1002407【飛石も三つ四つ蓮のうき葉哉 与謝蕪村】より
藕実(ぐうじつ)・・・・スイレン科の多年草、ハスの果実
石蓮子・・・・・・・・・・・堅い果皮を付けたもの
『蓮肉(藕実)』
●神農本草経・・上品
●薬味・薬味・・・甘・平 気剤
●帰経・・・・・・・・心・経
●薬効・・・・・・・・補中、養神、益気力、除百疾。
久服、軽身、耐老、不飢、延年。
.蓮子芯 (種子の胚芽)・・・清心、安神
石蓮子(蓮実の完熟したもので水に沈むもの)・・・健脾、止瀉
蓮実、蓮肉・・・強壮、止瀉、止渇、鎮嘔、健胃、多夢、遺精
蓮心 (子葉の緑色の幼芽)・・・止血、清心、清熱
蓮衣(種皮)・・・強壮、収斂
荷梗 (葉柄)・・・清熱解暑、通気
蓮花 (花の蕾)・・・活血 止血
荷葉・・・止血、止瀉、食中毒等
荷葉蒂 (葉の基部)・・・安胎
蓮房 (果托)・・・止血、駆瘀血
蓮鬚 (花のおしべ)・・・止血、強壮
藕 (肥大した根茎)・・・・涼血解毒
藕節(れんこんの節部)・・・止血(吐血、鼻血、血尿)→民間薬としては咳止め
.
蓮はすべての部分が薬用とされ、
滋養強壮 止瀉 鎮静 養心安神 益腎固精 健脾という作用があります。
https://www.kampo-sodan.com/column/entry-2360 【蓮の実を乾燥させて滋養強壮、鎮静などに!】
漢方薬は、茶色で苦くて、遠い山の中に生えているというイメージではありませんか?このコラムは身近にある、漢方薬に欠かせない植物、そして見て良し、食べて善しのものを紹介しています。前回は百合(ユリ)の話でしたが、今回は蓮の花にまつわる話をお届けします。
今、東京では白やピンクの蓮の花が咲いています。蓮の原産地はインド亜大陸で、睡蓮科、蓮属、多年生の水生植物で、「荷(か)」とも呼ばれています。花の中の「君子」と言われ「友誼・友情」の象徴となっています。午前3時頃に花が開きはじめ、元気よく咲いているのは9時前後、午後には閉じてしまいます。一説によると、西太后は早朝に花が咲いていく過程を見たいといって、お供の人たちが大変苦労したそうですよ!
中国には「出淤泥而不染」という言葉があり、日本語では「蓮は泥より出でて泥に染まらず」と伝わってきました。泥の中から美しい花を咲かせる蓮は、自分を見失わない信念を持つ人や、気高さの象徴となっています。逆境を自分の糧にして花を咲かせるのは、人も蓮も同じかもしれません。
花は観賞用に湿地で栽培されますが、薬用にも食用にもできます。2000年以上も前から薬用にされてきました。清热解毒のはたらきがあるので夏にぴったりです。熱中症、瘀血(おけつ…血流が悪い状態)に良いとされています。食べるのは、食用に栽培されたものだけ。軽く煮出してお茶として飲みますが、生の花弁と野菜や卵を合わせて調理するメニューもあります。中国では、かつて他の生薬が配合された蓮花酒もありました。
蓮の実は花托の中で育ち、蓮子と呼ばれ、秋に収穫します。タンパク質、デンプン質が豊富で、中国では、すりつぶした実からでん粉を取り、砂糖と一緒に熱湯で溶いたものを日本の葛湯のように飲みます。月餅の餡にすることも多いですね。実は茹でてお粥、炒めもの、煮物、スイーツなどに。茹でて砂糖をまぶした、甘納豆のような食べ方もあります。慢性疲労、下痢、不眠にも効果があります。
実を乾燥させたものは「蓮肉(れんにく)」といい、補気・固渋の生薬として使います。滋養強壮、鎮静、安神、止瀉(ししゃ…いわゆる下痢止め)のはたらきがあります。日本では、清心蓮子飲(セイシンレンシイン)、参苓白朮散(ジンレイビャクジュツサン)という漢方処方に配合されています。
約430年前の生薬の書物『本草綱目(ほんぞうこうもく)』には、花以外の様々な部分のはたらきも記載されています。品種によってはたらきが若干違いますが、どの部分にどんな効果があるのでしょうか?
蓮の葉、「荷葉(かよう)」は、むくみや肥満に、また実の中にある緑色の芯の部分は「蓮子心」といって、清熱薬になり、ほてり、イラつきを伴う不眠、高血圧によく使います。実が育つ部分の「蓮房(れんぼう)」は、血流を良くし、出血にも効果的です。花のしべ「蓮鬚」は腎(生殖、泌尿に関係する)を強くして、遺精に良いです。また、「れんこんの節(藕節・ぐうせつ)」は、二日酔いやのどの腫れに良いとされています。いずれも、お茶として用います。葉から茎や根、花、実まで、蓮は自分の身を尽くしているのですね。
https://www.kigusuri.com/kampo/nikaido/nikaido006-01.html 【ハス(レンコン) - ノンカフェインのダイエット茶】 より
世界各地の池沼、湿地などに生え、日本でも栽培される水性の多年草です。日当たりの良い水田や浅い沼で表土の深い肥沃な所でよく育ちます。泥中に長く肥大、分枝した地下茎があり、中に数本の空洞が見られます。
上面に毛を密生した葉は長い葉柄を伸ばして水上に浮かび、夏に水上に白色~淡紅色の直径12~20cmにもなる花を早朝に咲かせ、昼には閉じてしまいます。
果実の皮は非常に厚く、土中で発芽能力を長く保持するため2,000年前の大賀ハス、中尊寺ハス、行田ハスなどの発芽例が知られています。
花托の形が蜂の巣に似ていることから「ハス」の名前が付けられたと言われています。
蓮の葉商い、蓮葉女など我が国ではあまり良い意味で使われていませんが、蓮女は古代インドでは最高に素晴らしい女性のことを指し、日本で吉祥天女の名で知られる神とされています。
地下茎の蓮根を煮物、甘煮、油炒め、揚げ物、酢漬、五目寿司の具などに使います。又デンプンをとり、餅や団子を作ったり、水で軟らかくしてアクを除いた種子を粥に炊き込んだり、野菜と炒めたり、煮物に、又甘く煮てデザートなどにします。
葉を蒸して、塩を加え軟らかくして刻み、炊きたてのご飯に混ぜた蓮葉飯、蓮飯は供物や地方の名物として、また葉を刻んで加熱乾燥して作ったハスの葉茶は、ノンカフェインのダイエット茶として知られています。
葉を乾燥したものは荷葉(かよう)と言い止瀉(ししゃ)、止血薬とし、根茎を乾燥したものは蓮根(れんこん)と呼ばれ咳止めに使われます。
果実を乾燥したものを蓮実(れんじつ)と言い強壮薬、婦人薬とし、成熟果実の果皮を剥いで採取、乾燥した種子は蓮肉(れんにく)、蓮子(れんし)と言い漢方処方の清心蓮子飲(せいしんれんしいん)や参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)などに配合され、強壮、止瀉、鎮静、健胃薬として多夢、精力減退、心臓衰弱、食欲不振、下痢、脚気などに用います。
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