烈日の下で咲くハスの花

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連日37度前後の猛暑日となっている日本列島

人間の体温より、高い気温の猛暑列島 そんな烈日の日々、暑さを物ともせず

涼やかに池面を覆い尽くすハス

見事に咲き誇る  水元公園の蓮池

(学名:Nelumbo nucifera Geml.ハス科の多年生水草。根茎は泥中を横にはい、

先端部に養分を貯え、肥大する。この根茎の肥大部分がレンコンである。

ハスは、日本、中国から東南アジア、インド、来たオーストラリア、

ヨーロッパ南部、北アフリカに分布。

ハス科はハス属のみで、ハス属にはもう1種、キバナハスが知られている。これは北アメリカが原産。)

ハスの歴史は古くインダス文明のモヘンジョ・ダーロ遺跡からハスの飾りが出土し、すでに古代インドでは、多産や生命誕生のシンボルとされていたらしい。

中国でも、周代の「詩経」にすでにその名が見られ、茎、蓮根、種子、花などそれぞれ利用されていたという。

ハスは日本にも自生し、2000年前の地層から発見された3粒の種子は、よみがえり花を咲かせた。(大賀ハスと呼ばれる古代ハス)

ハスの花の造りの見事さ、神秘さ、

ハスの花弁は独特で、ガク片から花弁へと連続的にらせん配列されており、

めしべの数が多い。めしべの先にはジョロのような穴が開いている。

これらの特徴は、原始的な花の特徴で、植物系統上のハスの古さを示している。

花後、花床が肥大して、多数の子房が中に埋もれた果実となる。

それをハチに見立て、ハチスと古くは呼んでいた。和名、ハスの名の由来でもある。)

汚い泥土から、美しい花を咲かせるハスは、

極楽浄土に咲く花と見立てられ、

極楽浄土の象徴になっている花。

インドでは3世紀初めより、

仏像をハスの花をかたどった台座上に置くようになった。

(ハスの生育する泥の中は、酸素が少なく本来は、生育に適していないが、ハスは

葉柄を通して、地下茎に達している穴を通して、地上の酸素を運搬し、

根が必要とする酸素を得ている。いわゆるレンコンの穴は、

悪条件の泥土で生きるハスにとっては、いのちの糸でもある。)

ハスの葉も又、泥土の中に棲みながらも清らかで美しい。

僧正遍昭は、古今和歌集で、そのハスの葉を「はちす葉の濁りに染まぬ心もて何かは露を玉とあざむく」と詠んでいる。

(ハスの葉は、泥中の中に生きていながらも、濁りに染まらない心を持っているのに、

どうして、葉の上におく露を玉だと見せて人をだますのか。)

僧正遍昭は、ハスの葉の清々しさを逆説的に詠んでいる。

ハスは、人類の歴史とともに人々の暮らしのなかで役立ってきた植物。

地下茎はレンコン。実はスープや製菓材料。葉は料理の香りをつけ、ご飯を包んで蒸したりする器。花径は、タイでは野菜にされ、葉柄からお酒を抽出したり、種子からお茶とったり、などなど、全ての部分を余すことなく利用し、人々の暮らしを豊かにしてきた。

数千年の時空を超えて、いのちを繋いできたハス烈日の炎天下のもと 涼しげに今日も ハスはハス池で清らかに華麗に咲く

《 明  日 》

はきだめにえんどう豆咲き泥池から蓮の花が育つ美しき種あり明日何が咲くか

この「明日」という詩は、安積得也の「一人のために」という詩集から転載したものです。

この詩集は、明日への希望や勇気を、人々に与える素敵な詩で満ちています。

人間が生きることの尊さを高らかに歌っています。