地球の誕生と生物の進化

http://www.e-cew.co.jp/Microbe-contents/11.html  【地球の誕生と生物の進化 】 より

■ 生命の誕生

私たちの住む星,地球が誕生したのは今から約46億年前のことでした.そして最初の生命が誕生したのは約 38億年前. 地球の誕生

生命の誕生 生命誕生の場は海の中でした.この頃,地上には強い紫外線が降り注ぎ,火山活動は活発で,陸上は生物が生存 するには厳しい環境だったたからです.生物の材料となったのはアミノ酸,核酸塩基,糖などの有機物で,これらは原始大気中の二酸化炭素や窒素,水などの無 機物に雷の放電,紫外線などのエネルギーが加えられて作られたようです.

初期の生物は全て単細胞であり,はっきりとした核をもたない原 核生物でした.これらの生物ははじめ, 海の中を漂う有機物を利用し,嫌気呼吸つまり酸素を使わずに生息していました.しかし有機物には限りがあり, やがて自分で栄養を作り出す手段が必要となりました.これが光 合成のはじまりで,約35億年前藍藻植物(シアノバクテリア)がその担い手として登場しました.光合成によって,無機物である二酸化炭素と水から ブドウ糖などの有機物を作り出すことができるようになりました.藍藻植物が酸素を作るようになると,酸素を利用した呼吸をする微生物も誕生しました. 原核生物

真核生物 原核生物は長い年月をかけて多様な進化を続け,やがて15億年前,核をもった生物,真 核生物が現れました.また 多細胞生物が誕生したのは9~10億年前だといわれています.

このような生物の進化は海の中で起こっていました.陸上で生物が生活するには,紫外線が大きな障壁となって いたためです.この問題を解決したのがオ ゾン層です.藻類の活発な光合成により大気中の酸素量が増えていくと,紫外線の作用を受けて酸素からオゾンが生成されました.高度約 20~50 kmの領域でオゾン層が形成され,生物にとって有害な紫外線はそこに吸収されるようになりました.こうして生物が地上でも安全に生活できる環境 が長い年月をかけて作られました. オゾン層の生成

■ 生物の上陸

陸の上が安全になると,生物は次々と上陸をはじめました.最初に上陸したのは緑藻類(緑色の藻類で,クロロ フィルaおよびbを多量に含む色素体をもつ,最も簡単な植物)でした.陸上は光合成に必要な光があふれていることから植物は進化し,繁栄を始めました.陸 生植物は約5億年前に出現し,体をしっかり支えるために根や茎,葉が発達し,海の浅瀬から低地の沼へと徐々にその生息地域を拡大していきました.またシダ 植物が大繁殖しました.現在化石燃料として使われている石炭は,この頃から堆積し始めた植物が石灰化したものです. 生物の上陸

脊椎動物の誕生 植物に続いて節足動物などの無脊椎動物が上陸し,動植物は急速な進化を遂げていきました. 脊椎動物が誕生したのは4億年位前のことです.

■ 恐竜

やがて恐竜が約2億3000万年前,登場しました. 恐竜は様々に進化していき,やがて陸・海・空すべてを支配するようになりました.鳥やほ乳類の先祖はこの恐竜の亜目から分化しました. 恐竜の登場

恐竜の絶滅 ところが6500万年前,恐竜は忽然と地球上から姿を消してしまいました.この絶滅に関しては隕石の衝突説 をはじめ様々な説が考えられています.

■ 人類の誕生

恐竜時代の後,生き残った小型のほ乳類や鳥類,爬虫類などが繁栄しました.人類の先祖である霊長類が出現し たのは,今から約6500万年前,恐竜が絶滅する少し前と推測されています.そして数百万年前,人類と類人猿とがわかれ,人類は他の動物とは異なった,独 自の進化を遂げはじめました.2002年7月に,600~700万年前のアフリカ中部のチャドでヒトの頭蓋骨が発掘され,これが人類最古のものとされてい ます. 人類の誕生

http://www.e-cew.co.jp/Microbe-contents/12.html  【人と微生物】 より

人類は古来より,様々な形で微生物と深く関わってきました.例えば,酒, 味噌,醤油,パン,酢,チーズ,乳酸飲料など各 種の醸造食品の製造には微 生物の発酵が経験的に利用され,生活の中で深く根ざしていました.

特に酒は世界各地の民族の神話や伝説に登場し,メソポタミアでは紀元前4000年頃,エジプトでは紀元前3000年頃既にビールを醸造していたと言われて います.酒は農耕文化の特徴的な産物であり,中国の古い文献によれば日本では3世紀には酒を飲んでいたことが記されています.

その一方で微生物の中には病原性をもつがあり,古くからヒトの健康に悪影響を与えてきました.例えば,紀元前5000年頃の人骨には,結核の痕跡が 残っており,古代エジプトの医学文書には赤痢や腸チフスの記録が残っています.微生物が引き起こす疾病には,古代ローマ帝国時代から近世にかけて大流行し た黒死病(ペスト)の ように,人口を激減させる歴史的事件の原因となる場合もありました.

人と微生物

醸造食品と微生物人類は古来より,様々な形で微生物と深く関わってきました.例えば,酒, 味噌,醤油,パン,酢,チーズ,乳酸飲料など各 種の醸造食品の製造には微 生物の発酵が経験的に利用され,生活の中で深く根ざしていました.

特に酒は世界各地の民族の神話や伝説に登場し,メソポタミアでは紀元前4000年頃,エジプトでは紀元前3000年頃既にビールを醸造していたと言われて います.酒は農耕文化の特徴的な産物であり,中国の古い文献によれば日本では3世紀には酒を飲んでいたことが記されています.

その一方で微生物の中には病原性をもつがあり,古くからヒトの健康に悪影響を与えてきました.例えば,紀元前5000年頃の人骨には,結核の痕跡が 残っており,古代エジプトの医学文書には赤痢や腸チフスの記録が残っています.微生物が引き起こす疾病には,古代ローマ帝国時代から近世にかけて大流行し た黒死病(ペスト)の ように,人口を激減させる歴史的事件の原因となる場合もありました.

感染症の歴史と原因菌の発見

原因菌 疾病のはじまり 原因菌の発見

腸チフス Salmonella typhi 紀元前(古代エジプト) 1884年

赤痢 Shigella spp. 紀元前(古代エジプト) 1898年

結核 Mycobacterium tuberculosis 紀元前5000年 1882年

らい Mycobacterium leprae 紀元前5000年 1873年

黒死病 Yersinia pestis 540年頃 1894年

コレラ Vibrio cholerae 19世紀始め 1884年

このように様々な微生物の起こす現象が,紀元前から人間の生活に多大な影響を与えてきたにもかかわらず,それらの現象と微生物との因 果関係が明らかとなったのは,極めて新しい時期になってからのことでした.

私たちが初めて微生物の細胞を観察したのは,17世紀のことでした.オランダの商人,Leeuwenhoekが単一レンズの自製の顕微鏡を作成し,初めて 微生物の細胞を観察しました.その後,雨水や唾液,歯垢などの中の微生物を調べ,人間の身の回りには肉眼では見ることのできない微生物の世界があることが 初めて認識されました.発酵や腐敗などの化学変化が微生物の生命活動によることは,19世紀にフランスのPasteurにより実証されました.また微生物 を分離・培養する技術は,19世紀後半にドイツのKochが発明し,この培養法をもとに,種々の病気の原因となる微生物が次々と分離,同定されました.

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