結婚生活に、限界を感じてしまいました。

ある日あなたの娘が 荷物をまとめて 子どもと一緒に泣きながら帰ってきて「夫とはもう一緒にやっていけないこと、これからは自分だけで生きていくつもりだ」と興奮して宣言したとします。

あなたはどのように援助をしますか?

離婚しないように働きかけるのでしょうか?

よき理解者として 娘の決断をサポートするのでしょうか?

そんな場面に出会ったある母娘の一例を紹介します。

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母は私に半分に折った紙切れを渡し、左側に夫のダメなところを全て書き出すよう勧めました。

私は自分をイライラさせる夫のダメな部分を しらみつぶしに探し、書き出しました。

テレビばっかり見る。趣味が合わない。脱いだ服を片付けない。どこに行くか言わずに出かけてしまう。濡れた手を洋服で拭く。貧乏。白いものと色物を分けずに洗濯してしまう。乱雑。何か私に隠し事をしてる。私のことをかまってくれない・・・リストは続きました。

書き終わってみると、先ほどまでの興奮は和らいでいました。

『で、お母さん、次は彼の良いところを書けば良いんでしょ?』

母は言いました。『右側には、彼のダメなところに接したとき、あなたがどんな風に反応したか書いてみて。どんな風に感じた?本当はどのようにしてほしかった?どう対応した?どのように対応するのがベターだった?』

これは難しかった。自分のことをひっくり返してよく見てみなければならなかったからです。今までのことをいろいろ思い返して、夫の行動に対して自分がどんな反応をしたか書き始めました。

責めた。嫌悪感いっぱいで夫のことを見た。夫に怒りをぶっつけた。泣いた。ヒステリックになった。情けなく思った。夫を怒鳴りつけた。無視した。夫とは理解しあえないと思った。夫は自分とは違う人種だと思った・・・次から次へと出てきます。

書き終えると母がやってきて、紙切れを2つに切り離しました。母は夫のダメなところが書いてある半分を取って、もう片方を私に渡しました。

『ゆっくりおやすみなさい。朝になったら自分がここに書いたことをもう一度考えて 本当に離婚するのが良いか否か考えてみて。そこに書いてあるあなた自身のこと、もう少し良くなるように頑張ってみることができるかどうか 自分に尋ねてみるの。それでもまだ別れたいと思うんだったら、ここに戻ってきなさい。いつでも助けてあげるからね』

翌朝、夫の“ダメなところ”なしで私のリストを読み返してみると、そこにいかに不快なことが書かれているのか気がつきました。

私がどれほどひどい振る舞いをしていたかわかったのです。

夫の“ダメなところ”には 敏感に反応し 夫が自分好みの 人間にならないことにいら立ち怒り この結婚生活に終止符を打ち、息子から父親を取り上げてしまおうとしていた自分に愕然としました。

彼の行動ではなく、それに私がどう反応するかが大切だった。この気づきは、私の人生を変えてくれました。

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カウンセリングでは 過去と相手と客観的出来事を変えることができないと考えます。

変えることができるのは自分の対応。