言葉とシンボル

ヨハネ福音書の冒頭に 「初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。

ことばは神であった。」と記されています。

また言霊という言葉があります。

その意味をWikipediaでみると 「森羅万象が それによって成り立っているとされる五十音の云々」と記してありました。

母子一体であった幼子がことばを獲得することにより母子分離をし 個別化の過程を歩むと言います。(本来持っていた一体感を失います。)ことばとはいったい何なのでしょう?世界が現象として現れ出るのにことばが大きく関与していると考えていいのでしょうか? 混沌として一体だった世界が言葉で規制されることにより 現象として現れたと言えるのでしょうか?然し[自然]とはなにですか?「森」とは何ですか?「空」とは何ですか?「人間」とは何ですか?「コップ」とは何ですか?一人一人「自然」という言葉から思い浮かべるイメージはあまりにも異なります。そして森という言葉からも、空という言葉からも、人間という言葉からも、コップという言葉からも、思い浮かべるイメージは誰ひとり同じになりません。一人一宇宙と言われる所以でしょうか?

ことばは一体感を失わせる道具だとも言えます。

宇宙は波動(原子雲)で満ちていると言われます。

実であり虚である,在って亡きが如しといわれます。

全ては一体であり、相互に依存しあい、循環し続ける故、私はあなたであり、あなたは私である、しかも絶えず変化し続けているゆえ 私に実態を与えることは不可能です。

ある日 Jさんに 「幼子は 魂感覚(ESP感覚)があり、一体感に包まれているが ことばの獲得とともに それらは失われると言われるのに ここでは教学を一番大切にしている理由はなぜか?」と尋ねてしまいました。 答えは「毒を以て毒を制す」でした。 幼い時から学習してきたことを 単なる想念として白紙に戻し ダルマという真理を全ての規範に置き換える作業が教学と言われるものなのかと解釈しました。 修行の中で 自分の想念の一つ一つを消してゆき、消している自分までも消した時 胸からエネルギーが立ち上がり 光の海が見えました。 ことばによる縛りがなくなった時 自分という幻想が消え エネルギーの吹き溜まりのような実感を持ったりします。 通常私たちは顕在意識で現実認識しますが 真実に自分を突き動かしているのは潜在意識です。 一般に顕在意識のコミュニケーション手段は言語、潜在意識のコミュニケーション手段はイメージ(シンボル)と言われます。 相談室でのセッションは クライアントさんに 今一番必要なメッセージを掴んでいただくため 言葉でも色々話してはいただくのですが 箱庭を置いていただき 筋肉反射テスト(身体からのバイオフィードバック)を使って 箱庭で表現されたイメージ(シンボル)の世界を言語化しながら進めます。 それほど言葉は曖昧で 言葉の背後にある内実は人それぞれ異なります。