アサーティブな 表現

【アサーション権】

だれもが、正しく自己主張するための権利を持っています。自分のことも他人のことも大切にするための権利がアサーション権です。 AB二人一組になりAがBに「Bさん あなたには~~(アサーション権)があります。」と伝え、Bは「私には~~(アサーション権)があります。」と答えます。10のアサーション権を確認すると、役割を変えて同じように行います。

アサーション権 1 わたしには、自分が思っていることを言う権利がある。

アサーション権2 わたしには、「はい。」「いいえ。」を自分で決める権利がある。

アサーション権3 わたしには、まちがえる権利がある。 

アサーション権4 わたしには、考えを変える権利がある。 

アサーション権5 わたしには、「わかりません。」と言う権利がある。 

アサーション権6 わたしには、欲しいものを欲しいと言い、したいことをしたいと言う権利がある。 

アサーション権7 わたしには、人の悩みごとを自分のせいだと思わなくていい権利がある。 

アサーション権8 わたしには、ありのままの自分で、人と関わる権利がある。 

アサーション権9 わたしには、自分の考えを表現しない権利がある。 

アサーション権10 わたしには、他の人と同じように大切にされる権利がある。

【自己表現の3タイプ】

1)ブレーンストーミングで、のび太・ジャイアン・しずかちゃんについて話し合う。 

アニメのキャラクターである三人についてイメージすることを出し合う。 

2)自分の気持ちを伝えるとき、三つのタイプがあることやアサーティブな表現を知る。 

① のび太型(うじうじさん)

② ジャイアン型(いばりやさん)

③ しずかちゃん型(さわやかさん)   望ましいのは③しずかちゃん型のアサーティブな表現で、その表現の方法を提示する。

3)以下の葛藤場面の会話がどのタイプか考え、そのコーナーに移動する。

三つのコーナーを決め、各タイプを表示しておく。紹介された会話がどのタイプになるか考えて移動する。

A:掃除をしないでおしゃべりをしていて先生に「さぼらないでしましょう。」と言われた時

「 だって…  」「さぼってなんかないよ!! 」 「 ごめんなさい。今からやります。」

B:友だちと遊ぶ約束をしていたのに、すっぽかされた時

「(小さい声で)何で来てくれなかったの?」「なんだあ、約束したじゃないか。うそつき。もう二度と遊ばないぞ。」「一緒に遊ぶ約束を忘れたの?ずっと待っていたんだよ。寂しかった。」

C:給食を残してしまった時

「(泣きそうな顔で小さな声)ごめんなさい。」「もう… 残しちゃ悪いのかよ。あいつなんかいつも残しているじゃないか。」「(率直に)今日はもう食べられません。残してもいいですか。 」

D:廊下を走ってきた友だちとぶつかってすごく痛かった時

「痛いよ~。何でぶつかってくるんだよ。」「何だよ。痛いじゃないか。あぶないなあ!やめろよ。」「 廊下を走らないで。ルールでしょ。ぶつかって痛いよ。」

E:授業中、先生に指名されたが答えがわからなかった時

「(黙って下を向く)」「(ちょっとふて腐れて)はーっ。わからないよ。」「(きっぱり)分かりません。」

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【アサーション(効果的なコミュニケーション) 】 

1.気持ちを伝えるときの、いつもの自分の話し方を顧みる。「資料 あなただったらどうしますか?」(下欄)を参照。その後 グループで適切な対応を考える。

 

2.自分のアサーションスタイルをチェックする。

 

3.先の事例を、アサ-ティブな表現に直し、寸劇スタイルで発表 。

 

4.なぜアサーティブになれないかを検討。「資料 なぜアサーティブになれないか  」(下欄)を参照。先ず非合理的な信じ込み(イラッショナルビリーフ)をチェック。自分を縛る外的抑圧、内的抑圧を観る。なぜアサーティブになれないかを話し合う。

≪資料  あなただったらどうしますか?≫  

次のような場面を想像してください。いつものあなただったらどのように対応しますか?

 

1.相談を受けた。深刻な悩みを打ち明けられ心を動かされた。しかしゆっくりと話を聴ける時間がなく、早く切り上げなければならない。

 

2.保護者から注意を受けた。自分ではその指摘は適切ではないと思う。状況を説明して、誤解を解きたいと思うとき。

 

3.講演会で周りの人のおしゃべりがうるさくて、話が良く聞き取れない。静かにして欲しいと伝えたいとき。

 

4.園長から主任を受けるよう勧められた。ありがたい話だが断りたいと思うとき。

 

5.保護者に話しかけても、受け答えがぞんだいで、伝わらない感じがする。話に耳を傾けて、きちんと応えてもらいたいと思うとき。

≪資料 なぜアサーティブになれないか  ≫             

 

*自己評価が低い(無力感、自信のなさ)「どうせ~~

 」

* 「善・悪」「イエス・ノー」でもの事を考える 

 

* 比較して評価(自己評価の低さと関連)

 

* 問題を誇張し、最悪の状況を考える  

 

* 傷つき体験  

 

* ジェンダーの刷り込

 

* 周囲(社会)の期待、価値観に合わせる(外的抑圧)

 

* 自己イメージに縛られる(内的抑圧)

 

* 非合理的信じ込み:イラッショナル.ビリーフ(外的抑圧、内的抑圧による)

~イラショナル・ビリーフ~

イラショナル・ビリーフ1

 自分の周りにいる人々のすべてから、愛されたい・評価されたい。  

イラショナル・ビリーフ2

 人はすべてのことに完璧でなければならない。そうでなければ、だめな人間である。  

イラショナル・ビリーフ3

 人はよく考え、不道徳な行動をしてはならない。もしするようであれば、非難される存在である。 

イラショナル・ビリーフ4

 物事は自分の好むやり方で行われなければならない。もしそうでなかったら、不愉快で恐ろしいことである。   

イラショナル・ビリーフ5

 感情が乱れる原因は、外部にあり、嫌な思いに自分からなったのではない。 

イラショナル・ビリーフ6

 自分に危険が迫ったり、病気になったりしたら、そのことで悩み続けなければならない。それは苦痛であり、恐ろしいことである。 

イラショナル・ビリーフ7

 重要な責任や難しい事柄に向き合ってはいけない、どうせ失敗するのだから避けるべきである。 

イラショナル・ビリーフ8

 自分は他人に依存しながらでないと、生きていけない。他者を必要としなければならない。 

イラショナル・ビリーフ9

 人の過去の出来事が現在の行動の重要な決定につながる 。過去に強い影響を受けたものは永遠に影響をもち続ける。 

イラショナル・ビリーフ10

 他人に不安なことがおこったら、自分も不安になったり、怯えたり

 するべきである。 

イラショナル・ビリーフ11

 人の問題には、正しく、適切な解決策があり、その解決策が見つか

 らないことは恐ろしい。

 

以上、11のイラショナル・ビリーフはエリスが数年間の論理療法

 を用いた、クライエント達から集めたものである。

     参考文献:日本カウンセリング学会第37回大会   

コズミックホリステック医療・教育企画