この絵は何に見える?アヒル?ウサギ?イメージに文脈を与えることで見え方が変わることが判明(カナダ研究)

http://karapaia.com/archives/52255518.html  より

まずは上のイラストを見てほしい。何に見えるだろう?

 アヒル?それともウサギ?

 その両方?

 このイラストを目にした瞬間、大半の人にはアヒルとウサギの姿が両方見えることはないそうだ。だが「アヒルがウサギを食べているところを想像せよ」と言われれば、どちらのイメージも見えるようになる。

 このことをカナダ、アルバータ大学の研究者が発見した。

 イメージにそれぞれの文脈が与えられると、脳はそれを理解するために見え方を調整するのだという。

文脈を与えることで見えなかったイメージが見えてくる

 「イメージにそれぞれの文脈が与えられると、脳はある意味ズームアウトして大きな絵が見えるようになります」と研究を行なった神経科学者カイル・マシューソン博士は説明する。

 マシューソン博士らは、「アヒルがウサギを食べる」といった短い合図が人に文脈を与え、まったく同じイメージが区別されるようになることを明らかにした。

 この合図がなければ、大抵の人はアヒルかウサギのどちらか一方しか見えない。

 さあもう一度見てみよう。アヒルがウサギを食べるように見えるだろう。

文脈の伝え方で効果も変わる

   「この研究は、情報を解釈する脳の働きは、数少ない単語やイメージで操作できることを実証しています」とマシューソン博士は語る。

 研究では、「ウサギのそばのアヒルを想像せよ」という別のよりシンプルなフレーズでも効果があるかどうかも試した。

 しかしこのフレーズではどちらのイメージがアヒルでウサギなのか説明していないため、同じ効果は得られなかった。

 ここから判明したのは、脳に2つの可能性を区別させるには、場面の曖昧さを取り除いてやる必要があるということだ。

ちなみにこのイラストは、ドイツのユーモア雑誌「FliegendeBlatter」の 1892年10月23日号に掲載されたもので「ウサギアヒル錯視」として知られるものだ。オーストリアの哲学者、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが異なった視点でものの見え方が変わることを説明するのに使用したことで有名となった。

 ちょっとしたことで脳はそのイメージまでをも改ざんして見えてしまうということだね。我々がが日頃見たり、聞いたりしている情報は脳によって捻じ曲げられ、偽の記憶として脳にインプットされるという研究結果があったけれど、「絶対的な正しさ」とか信じられなくなってくるよね。