見えてくる-3(日曜日の公園)

http://sadhana.jp/kurashi/13001.html より

日曜日に公園に行ってみます。気候の良い季節で好天に恵まれると、多くの人々が公園に やってきます。若い家族連れの3~4人。初老の夫婦たち。遊びに興じる子供たち。若い恋人 たち。などなど。

 そういうさまざまな人々の中で、眺めていてとくに心満たされるのは、若い家族連れの3~4人のありさまです。若い両親は、あうんの呼吸で、何くれとなく気配りし、一家全体の、動 き方、まとめ方を上手に手引きします。ふたりは心を合わせて、1人ないし2人の子供の心の 動きを逐一、丁寧に受け止めます。子供たちは、この両親をすっかり信頼して、自由にのびのびと、大きな声でしゃべったり、動きまわったりします。

 少し丁寧に、一つの家族の様子を眺めてみます。――

 凧揚げに4人が夢中になっています。凧を子供ふたりが持つそばに父もいて、助けの手を差し 伸べます。息子が両手で、しっかり凧を支えます。父が片ひざをついて、糸の調節をします。 

 おもりになるしっぽなども、父が念入りにまとめます。妹が覗き込んでいます。母は、やや離 れて3人全体の様子を眺めています。やがて、準備万端整って、父は、凧を掲げて後方にさ がって行きます。糸車を持って構えている息子に、「よ~し、走れ」と号令を発します。息子 が全力で走り出します。凧が揺れながらも、徐々に風をはらんで空中に舞い上がります。近 寄って来た父が息子の手元の糸を上手に加減して、凧に安定感と高さを加えます。母が、「すごい! すごい!」と応援します。息子は、凧が安定して高さを保つように、必死に糸の引き 方を加減します。妹も、「お兄ちゃんがんばれ」と応援します。家族が一体になって、楽しみと夢を実現させようとしています。

 日曜日には、この他にも、さまざまな家族の輪と団らんが現われます。

 別の場面として――

 ビニールシートが敷かれて、食べ物が繰り広げられています。こういう場の中心的な支え役は、今度は母です。2人の子供は、並べられた食べ物を全部見渡して、「お母さん、今日のおかずは何と何?」「僕は、カツサンドからだからね!」「ジュースがほしい!」高まる気持ちを次から次へと言葉にします。・・・・かわいい犬が近づきます。犬を追って、息子は、サンドイッチを片手で高くかかげ、犬に食われないようにしながら、犬をなでようと追います。妹もジュースを左手に持ちながら近づいて来て、兄と同様にします。・・・・元の位置でシートに座ったままの両親は、遠く視線を子供たちに向けながら、静かに子供たちについての、話題を交換します。久しぶりにゆっくり落ち着いて、子供たちの当面の課題や、将来への方針などを語り合います。・・・・両親は、子供たちが満足するまで、温かい視線を投げかけて見守り続けます。

 日曜日だからこそ、仕事にも煩わされず、他人から邪魔もされずに、家族の団らんと睦み合いを大切にすることができます。

 人間がもともと持っている、〈愛〉も〈品位〉も〈和み合う心〉も光ります。人間が、神様から、自然な美しさ・愛・品位を豊かに与えられていることが見えます。神様が人間を包んで下さっていて、良い共同体を養おうとなさっていることが見えます。