発想の軸を他者の側に移して

http://sadhana.jp/kurashi/13001.html より

人間の思いの狭さから抜け出すために、また、神様のお働きの豊かさに響くことができるために、他者の世界を自分のものにすることは、欠かすことができません。私たちは、通常どれほど自分というものにこだわり、自分を中心に据えていることでしょう。

 神様との密な深い交わりのために、自分の殻を抜け出し、神様のお働きの豊かさを感じられるようにするのには、発想の最初から、他者の側に心を置くことが大きな前進になります。

自分の今日出会う人は、今どういうことを一番問題にしているのだろう? その人は、その問題にどのように取り組んでいるのだろう? 私はその人のために何ができるのだろう?

また、今、目の前にいて関わり合っている人についても同様です。その人が、今話してくれている内容を傾聴します。傾聴がしっかりできると、おのずと、相手の人の思いの中心にまで近づきます。そして、聴いて把握できたことを、大切に受け止めます。

――その相手の人が、大きな病気で不安の中にいる

――家庭において、家族の誰かに、今大きな問題が発生している

――職場の関係、あるいは地域の関係で、とても厄介な問題が生まれている

などに悩んでいるということは、多く現われます。相手の人のそういう問題を、十分丁寧に受け止め、その解決を願ってあげます。

ある方は、上記とは異なって夢を紡いでいる時かもしれません。

――外国への巡礼旅行に間もなく出発で、はずむ心で準備を進めている

――子供(孫)の誕生まで、あと数十日という時になっている

――長いこと海外生活していた夫(子供)が、仕事や留学が終了して間もなく帰国する

 私たちが関わりを持つ相手の人には、心を占める大きなテーマ(問題)があるものです。ですから、私の発想の最初から、他者の心の中に入ります。そして、その人の心を大切にすることを続けます。

 以上のことを続けるのは、アガペの愛だと言えます。アガペの愛を続けるとき、私の心に神様が来られます。 

 私の心は美しくなります。そして、神様のお働きと響き合うことが多くなります。

 問題のさ中の人と、その問題からの解放を願って辛い思いになる場合も、神様との響き合いは、鮮明になります。喜ばしさの中にある人と共に喜べるならば、感謝と賛美が湧きます。

 中途半端を超えて、絶え間なく、相手の側からの発想を続けます。こうするならば、人は、真の霊的な父性(母性)の人となり、神様と心を一つにしながら、出会う人々の幸せのために献身するようになります。自分が神様の器になっていると、掛け値なしに感じながら、一刻一刻を献身する喜びが湧くものです。