http://sadhana.jp/sozo/1200.html より
【30】福音の場面を想像し、自分もその中でイエスに出会うー5(弟子の足を洗うイエス)
このコーナーの、【3】【7】【22】で行ったのと同じ方法で冥想します。ここで取り上げる福音の場面は、《ヨハネによる福音書13章1節~15節》に変わります。
(この箇所の読み取りが済んだら)
まず、この晩餐が行なわれている部屋を想像の目でよく見ます。大きさは、どのくらいですか。天井は高いですか低いですか。壁の色は、どのような色ですか。部屋は、明るいですか暗いですか。・・・・
次に、食卓とそこに着席している人々をよく見ます。食卓には何が用意されていますか。そして、イエスと12人の弟子たちは、どのように着席していますか。イエスは、どこにいますか。・・・・どのようなお姿でおられますか。・・・・
(以上5分)
あなたも、この食卓に着席しています。あなたは、どのような服を着ていますか。隣りには誰と誰がいますか。この晩餐の場には、どういう雰囲気が漂っていますか。・・・・
この食卓に連なっていて、あなたはどう感じますか。・・・・
(以上3分)
イエスは、食事の途中で、突然立ち上がられます。召使いに、たらいに水を汲み、腰にまとう布と手ぬぐいとを、用意するようにおっしゃいます。
イエスは、一番近くのヨハネから始めて、一人一人の足を洗い、手ぬぐいでその足を拭き、順に進んで行かれます。それを見ていてあなたは、何を感じますか・・・・
(以上3分)
イエスは、やがてペトロのところに来られます。イエスから足を出すように促されたペトロは、どういう態度をとっていますか。そして、何と言いますか。これに対してイエスは、なんとおっしゃり、どういう行動をなさいますか。・・・・
(以上3分)
最後にイエスは、あなたのところに来られます。あなたにも、足を前に出すようにとおっしゃいます。あなたは、どうしますか。イエスに何とお答えしますか。・・・・
イエスの促しに導かれて、あなたも足を前に出します。イエスは、柔らかくて温かい両手であなたの足を包むように、触れてくださいます。丁寧にさするようにあなたの足を水で洗ってくださいます。あなたは、どういう感じがしますか。・・・・
しばらく、イエスのなさるままにして、イエスの好意を受けていてください。・・・・
・・・・・・・・
(こうしてイエスから私はとても尊まれた感じ、イエスの私への願いが強く伝わる感じ、場合によっては、イエスが私の真実なあり様を教えてくださる〔「とても疲れていますね」「何かをひどく心配していますね」「誰かにひどく怒りを感じていますね」「身近にいる誰かにひどく嫉妬していますね」「健康上大きな心配がありますね」など〕のに触れたりできます。)
そのような霊的な味わいをたっぷりといただきましょう。・・・・
(以上8分)
やがて、イエス様は、あなたの元から離れて行かれ、テーブルの元の位置に帰られます。あなたは、その後ろ姿を目で追います。・・・・
(1分)
結びにたとえば、典礼聖歌390番「キリストのように考え」を歌ってしめくくりとしましょう。
【31】「しるしの聖母」イコンのイメージを借り、胸の内なるイエスに呼びかける(イエスの御名の祈りの応用)
イエスを自分の胸の内に迎えて祈ることは、「体と祈り」コーナーの27番や28番で、行いました。つまり、聖体拝領して体に受けたご聖体が、胸の内に留まってくださることをイメージして、このイエスに語りかけました。
ここでは、「しるしの聖母」イコンにおいて聖母の胸の内に示されている少年イエスのイメージを、借りることとします。度々聖体を拝領した信徒は、自分の胸の内にイエスが、留まられることを信じずにはいられません。このイエスと私との、いっそう一体的な一致が恵まれるように、イエスに呼びかけましょう。
どのように、呼びかけるかについては、次のような仕方がふさわしいです。それは、何度も呼びかけることが出来、かつ、長い時間呼びかけることが出来る慣れ親しんだ方法から始めるわけです。
つまり、時分の胸の内のイエスに向かって、イエスのお名前を繰り返すのです。それも、すでに、「体と祈り」コーナーの、5番で体得した唱え方で、しましょう。つまり、一呼吸で一度お名前を唱えます。唱える時の心の持ちようは、「感謝」や「罪のおわび」や「懇願」や「信頼」の心など、自分がいま促されるその信仰心をそのまま表そうとすれば良いのです。
少年イエスのイメージで始めます。そして、イエスが私の内に留まられることで、祈るたびにイエスから恩恵が私に増し加わります。恩恵が増し加わるということは、イエス像の年齢が、高くなる面に現れると言えます。
【32】私の中の豊かな泉
あなたは、或る山の麓(ふもと)に来ました。美しい山の裾には、緑のしたたる森が広がっています。その森の、樹木の連なりが途切れたところ、岩と岩の間には泉が湧き、鮮烈な水が噴き出ています。背後の山に降った雨や雪が地下水となり、それらが集まって、こんこんと湧き出ています。澄み切った透明な豊かな水のあふれです。その様をよく見ます。
(2分)
あなたは、この泉を見つめます。近くの手ごろな岩に座って、静かに見つめます。水を囲む岩があると思います。湧き出る水の動きの姿はどのようですか? 水の色はどのようですか? 透き通り方や、あたりの景色の反映のさせ方はどのようですか?
(3分)
つきることなくこんこんと湧き出ています。その水の動きが、あなたの心の深み、いのちの深みと響き合うのを感じます。
(2分)
あなたは、自分の体の中の液体の動きにも関心を向けます。血液が止むことなく、体中をめぐっているのを感じます。次に、唾液や汗の流れも感じます。また、リンパ液や消化液などの液体の流れも感じます。
(2分)
さらに、あなたは、いのち全体の中心、自分の中心に湧き出ているものを感じます。豊かにされた自分のいのち。好意的な人々との交わりが自分を生き生きさせてくれている……今この瞬間、高まろうとするいのち……私には、善くなろうとする力がある……私には、前へ踏み出そうとする力がある……私には、善いものを人と分かち合おうとする力がある……私には、奉仕しようとする力がある……
(3分)
私には、祈る力がある……私には、愛する力がある……私には、信じる力がある……私には、ゆるす力がある……
(3分)
内側から豊かに湧き出ることに感謝します。
(2分)
この湧き出るものがいつまでも続くように願います。
(2分)
この湧き出るものがいっそう豊かになるように願います。
(2分)
最後に、キリストのことばを噛みしめ、ゆっくりと味わいます。「渇いている人は誰でも、私のところに来て飲みなさい。私を信じる人は、……その人のうちから、生きる水が川となって流れ出る」(ヨハネ7;37~38)
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