最初の生命

http://niwazekisho.blog.fc2.com/category3-1.html  より

病気を引き起こすものには、菌類・細菌類・ウイルスの3種類がいます。

菌類というのはキノコ・カビの仲間です。

植物の場合はキノコも立派な病原として扱われる(木の幹からキノコが生えてる場合、

"木がキノコに冒される病気に罹っている"とみなします)のですが、人の病気の場合はなかなかキノコ生える病気は聞かないですね。

一方カビの引き起こす病気は人にもいろいろあります。

有名なのは水虫でしょうか。

他にも肺炎の原因になったり、カビは地味に怖い子です。

一方菌類と紛らわしい細菌類は、大腸菌や乳酸菌などの仲間です。

バクテリアとも呼ばれます。

単細胞の原核生物という、原始的な生物のグループです。

ともあれ、百日咳やサルモネラ感染症などの病気はやつらの仕業です。

最後のウイルスは、インフルエンザなどの原因となる病原です。

ウイルスとは何か

ウイルスと細菌って何が違うの?という声をたまに聞きます。

古典的な分類では、ウイルスと細菌には以下のような違いがあります。

①ウイルスの方が小さい

直径0.2μmのフィルターを通れるのがウイルス、通れないのが細菌。

なぜウイルスの方が小さいかという、その原因が②と関連してきます。

②ウイルスは細胞ではない

細菌は原核単細胞生物だと書きました。

上の私が20秒で描いたイラストの楕円は細胞のつもりです。

細胞一個に(文字通り)毛が生えた感じで生きてるのが細菌です。

細胞はざっくり言うと、「細胞膜と、それに包まれた、

何かこういい感じにいろいろな機能を持った構造の集まり」です。

ざっくり言い過ぎた気がしますが、細胞は一個一個がエネルギーを作り出すシステムなどを持っていて、条件が良ければ細胞一個でも生存することができます。

一方ウイルスは細胞膜やエネルギーを作り出す構造を持っていません。

ウイルスは核+それを包む外殻タンパク質だけでできています。

※核はDNAまたはRNAで書かれた遺伝情報を格納していて、このDNAとRNAは細かい物性の違いはあるものの、だいたい同じような機能を持っていると考えて大丈夫です。

これが何を意味するかというと、ウイルスは単体では生きられないということ。

ここで無理やり持ってくる、いつものひよこイラストです。

細菌は自前でエネルギーを作り出すシステムを持っています。

キッチンつきの家に住んでるイメージ。

基本的に自炊できます。

(※できない「絶対寄生菌」「難培養性菌」もいます)

一方ウイルスは車で生活してるイメージ。

キッチンどころか生活に必要なものは何も持ってないので、人んちに上がりこんで暮らそうとします。

※人んち=生物の細胞ということで迷惑極まりないこの子たちは、生物の細胞に入り込んで自分の仲間を増やそうとします。

ちなみに抗生物質は細菌には有効ですがウイルスには効きません。

抗生物質は主に代謝を阻害することで細菌の増殖を防ぎます。

一例はさっきの例えでいくと、キッチンのガスを止めてしまうみたいな。

しかしウイルスはそもそもキッチンを持ってないので、効きません。残念…!

ウイルスについてもうひとつ。冒頭の朝日新聞デジタルの見出しに「変種」とあるように、

ウイルスはしばしば変異なる現象を起こし変種が現れることが問題になります。

変異とはDNAまたはRNAの配列が変化することで、ウイルスの毒性や感染性が増してより深刻な被害を引き起こすことがあります。

実はすべての生物でDNAの変異は起こるのですが、ウイルスは変異速度がとてつもなく速いのです。

細胞もウイルスも増えるときには複製といって、DNA・RNAをコピーする作業が必要になります。

私たちのDNAはとても注意深く複製されるのに対して、ウイルスはそれがだいぶ適当です。

ミスが頻発します。

https://www.ichigojyutsu.com/roots/proterozoic/   より

原生代は約25億年前~約5億4200万年前の始生代の次の時代で古生代の前の時代を指します。

その頃の地球では、シアノバクテリアの活動によって大気中への酸素の放出が始まり、オゾン層ができ紫外線が地表に届かなくなったことで生命の進化が起きていました。

現在では、大気中のオゾンは成層圏(約10~50km上空)に約90%存在しており、このオゾンの多い層を一般的にオゾン層といいます。

ちなみにオゾンとは、3つの酸素原子からなる酸素の同素体です。大気中の酸素に紫外線が作用することで作られます。

このオゾンという物質は、きわめて反応性の高い物質で、強い酸化力を持っています。除菌や脱臭に威力を発揮するだけでなく、有害な物質を出さない環境にやさしい物質であるため、医療・介護・酪農・食品などさまざまな業種、分野で利用されています。

こういう働きのあるオゾンの多い層であるオゾン層があるおかげで、私たち生物は有害な紫外線から守られ、成層圏にある大気が暖められ、温暖な気候となっているのです。

原生代における生物

地球上に初めて生物が誕生したとされるのが約40億年前。

そして、35億年前にはすでに古細菌と真正細菌が存在したとされています。

では、そこから先、原生代ではどのような生物がいたのでしょうか。

原始真核生物の誕生

形態的には細菌とほとんど変わらないものの細胞壁の構成成分が特徴的である古細菌が出現したのが始生代(太古代)。

原生代でこの古細菌から原始真核生物が分岐しました。

ごく初期の真核生物(核を持つ生物)の誕生です。

ただ初期の真核生物はミトコンドリアなどの細胞小器官はなく、核膜だけがある状態でした。現在では、このような構造を持つ原始真核生物は存在していません。

フランスの動物学者、海洋生物学者であるエドゥアール・シャットンは、生物を細胞の構造によって真核生物と原核生物という2つの超界に分類する、二帝説を提唱しているのですが、彼は1937年に「核を持たない原核生物と核を持つ真核生物の違いは今日の地球上に認められる唯一最大の進化的不連続である」と述べています。

では、核膜にはどういった働きがあるのでしょうか。

生物が進化していく過程で増えたDNAを整理保管し、必要な物質を選択的に効率よく吸収し、また細胞分裂するときもDNAを半分ずつ分離させる機能をもつものとして核膜が重要な働きをしていたと考えられています。

つまり、生物が大きな進化を遂げていくためには、この核膜の存在が欠かせないものだったのです。

原始真核生物から真核生物へ―ミトコンドリアの誕生―

現存しない原始真核生物ですが、さらにαプロテオバクテリアが共生することで現在の真核生物が生まれてきたとされています。

というのも、この時代になって大気中に酸素が出現してきました。つまり、原生代以前にいた生物は酸素がない状態で生きていたわけです。私たちが生きていく上では必要となってくる酸素ですが、酸素がない環境で生きていた生物にとって酸素は有害でしかありません。

突然の酸素の出現に多くの原核生物は死滅したといわれています。その中で、酸素を物質分解に積極的に使い、エネルギーを調達する原核生物が現れ、生き残っていったのです。

嫌気性菌だけだった世界から好気性菌が誕生したということです。

そうなってくると、今度は生き残るためにその好気性菌の能力を拝借する生物が現れました。好気性菌を自分の中に取り込み共生することで生き残ろうとしたわけです。

そして、取り込まれた好気性菌というのが、今の細胞内器官であるミトコンドリアになったのではないかと考えられているのです。

この考えを提唱したのが、リン・マーギュリス。1967年のJournal of Theoretical Biologyで報告しています。

ただ、この論文は掲載されるまでに実に5年の年月を要したそうです。それくらい当時では受け入れがたい革新的な考えだったのでしょう。

多細胞生物の出現

原生代の後期には多細胞生物も出現してきました。約10億年前といわれています。

読んで字のごとく、単細胞生物が1つの細胞が1つの個体であるのに対し、多細胞生物は複数の細胞が1つの個体をなしています。

そのため、単細胞生物は細胞分裂がそのまま個体の増加につながりますが、多細胞生物では違ってきます。つまり、繁殖という観点から考えると個体の増殖速度が速い単細胞生物のほうが一見すると有利なわけです。

ただ、長期的な生き残りということを考えると個々の細胞を専門化させ、複雑な機能を獲得させたほうが効率的にエネルギーを獲得でき、有利になってきます。

しかし、単細胞生物から多細胞生物への進化は、なかなか困難であったようです。

地球上に生命が誕生したのが40億年前。それから約5億年を経て古細菌や真正細菌が誕生し、約20億年前には原始真核生物が現れ、真核生物へと進化しました。

そこから更に多細胞生物へと進化するのに約6億年以上を要し、10億年~14億年前になってようやく誕生しています。

複数の細胞が同一個体内に存在し、1つの生命体として機能していくためには、個々の細胞同士の接着や周りの細胞との協調が不可欠であり、そのために細胞間での情報伝達(シグナル伝達)を発達させる必要があったのです。

とはいえ、多細胞生物も最初から固体内の個々の細胞が機能分化していたわけではなく、最初は単なる細胞の集合体であったとされています。

最初の多細胞生物は、今もタコやイカの腎臓内に寄生するニハイチュウのようなものだったとか。ニハイチュウの細胞数は種類によっても違いますがだいたい22個。この少ない細胞数と単純な体制から単細胞動物と多細胞動物をつなぐ中生動物として知られています。

それが大型化、複雑化して9億年前には有性生殖という新しいシステムを採用するまでになるのですから驚きです。

当時の生物の痕跡

真核生物の化石として最も古いのが21億年前の縞状鉄鉱床。

これは1992年とごく最近になってからアメリカのミネソタ州スペリオル湖のすぐ南、ニゴーニーで発見されています。

子の真核生物は、グリパニア・スピラリスと呼ばれる幅1mmくらいのひも状のものがくるりと巻いた形です。

単細胞としては非常に大きいことと、縞状鉄鉱床の酸化鉄から酸素が存在していることが分かるため、ミトコンドリアで酸素呼吸する最古の真核生物とされていますが、反対説もあります。

17億年ほど前になると球形をした化石がむすうみつかるようになります。

なかには精巧な細胞壁をもっているものもあり、原始的な藻類の胞子と考えられています。

エディアカラ生物群

1946年にオーストラリアの地質学者レッグ・スプリッグがアデレードの北、エディアカラの丘陵で大量の生物化石を発見しました。

これはエディアカラ生物群と呼ばれ、肉眼で確認される生物化石が多量にみられるものとしては最古のものとなります。時代としては約6億年前~5億5千年前と原生代の後期のものです。

硬い骨格をもたない生物は、なかなか化石として保存されないのですが、エディアカラ生物群ではこのような生物が数多く見られます。これは泥流などによって、海底に生息していた生物が一瞬にして土砂中に封じ込められたためと考えられています。

これらの化石からその当時には、クラゲ状の「ネミアナ」、楕円形をしたパンケーキ状の「ディッキンソニア」をはじめ、直径数十cmにもおよぶ多種多様な軟体動物がいたことがわかりました。

これらの生物は目が無く、平べったい単純な形状をしています。また基本的には、身を守るようなものも持っておらず、堆積物や藻類を食べる大人しい生き物が多かったようですが、後期になると硬い殻を持つ生物が現れています。

まとめ

先カンブリア時代の最後、原生代について当時の生物を中心にまとめてみました。

4回も地球全体が凍りつくことになったといわれる生物にとっては過酷な環境だった当時、だからこそ生き抜くために様々な形へと進化を遂げたのかもしれません。

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