http://souzounotane.com/article/455742113.html より
1.「開花」の段階
今回から、最終的な「人生の花」の「開花」についてお話しして参りましょう。
「開花」がどのように為されるのか、これを「フラワー・オブ・ライフ」の神聖幾何学的な立場から例えると『展開』という言葉が最もその様子を表わすと考えています。
『展開』は、英語では『エキスパンション』膨張や拡張するという意味合いから、「シード・オブ・ライフ」から「フラワー・オブ・ライフ」に移行する過程で、中心と周囲六点の「場」が「拡張」し新たな領域が生まれるというイメージにつながると思います。
また、この「場」については、エネルギーポーションとして以前ご説明しておりますが、それらの部分から『エキスパンション』するプロセスを『展開』と表現しています。
したがって、平面的な「フラットランド」が幅を持ち領域を占有するという単純な物理的な変化はもちろんのこと、ある種の機能的な能力や、エネルギーを担うフィールドも『展開』と同時に新たに生じることになるのです。
これら物理的な変化は『理の面』に、そしてある種の能力は『知の面』に、また、力を担うフィールドは『感の面』にそれぞれ幅が与えられることになります。
これら『展開』の段階は、今後も様々な検証を必要としていくと考えられますが、現状で把握され得る範囲で解説を試みようと思います。
では、それぞれの『展開』がどのように進むのか、その段階についてお話しをして参りましょう。
Ⅰ.中心の展開と『フラクタル』
初めに、『花』の構造的なことを確認しておきましょう。
『花』は『開花』に際し内部でその準備を着々と進めているはずです。いわば『蕾』の段階から、『開花』へ向けての準備は始まっているのですが、神聖幾何学の「フラワー・オブ・ライフ」の立場から見ますと、「シード・オブ・ライフ」の状態が『種』であり同時に『蕾』であるとお考えいただいて良いでしょう。
これは、フラクタルな構造として理解していただいても良いと思います。まるでロシアの人形『マトリョーシカ』のように、人形の中に人形が、またその小さな人形の中に、さらに小さな人形が入っているような構造のことです。
これらの構造は、身近な例では、レタスやキャベツなどの結球する野菜などにもみられます。特にキャベツはその芯の部分は最後まで同様の構造を取りつづけます。
図のように断面にしてしまうと少し分かりにくいですが、葉経の順序や成り立ちなど、小さくなってもその形状を維持し続ける構造的性質を示しています。
「フラワー・オブ・ライフ」は、まず、これらの構造的性質と中心の芯の部分の『展開』が構造の基本的土台になっていると考えられます。「雪の結晶」が中央から周囲へ派生していくように、中心の芯から生起していきます。
私たちが生まれてくる経過を想像していただければ明らかですが、「命」の誕生は、全て小さな存在から徐々に大きくなるという首尾一貫した法則があるようです。
お母さんのおなかの中で、十ヶ月と十日過ごす中で、外界に旅立つ準備をするのです。
「フラワー・オブ・ライフ」と「シード・オブ・ライフ」の構造的な違いをよく見ると、「フラワー・オブ・ライフ」の中心の核となる部分は、閉ざされています。
そこに何らかの作用が加わり、あるいは何らかの要因により、物理的に空間を占有する「場」が生じることになります。
これらの「場」は、「白い緩衝帯」としてご説明していますが『展開』により、このような「緩衝帯」と呼ぶ新たな領域が誕生することになります。
西洋の幾何学的構造を詳細に追及する視点と、東洋的な全体を見渡しながら定義を見出す視野の両方の観点から『展開』を考えてみましょう。
洋の東西を問わず、どちらの観点も必要とされているのですが、どちらかといえば、西洋は『形』にまつわる分析的な視点であり、このような『展開』というダイナミックな『動き』にまつわる理解には、特に東洋思想的な視野が必要になると考えられます。
Ⅱ.東洋思想的『展開』
東洋思想の観点から言えば、この『展開』を生じさせる根本的な作用や要因とは、「陰と陽の交わり」と表現するのが妥当でしょう。
東洋医学には「八綱弁証」という考え方があります。
陰証・陽証
患者の体調や生命力の状態。
からだ全体の反応の性質を示す。
虚証・実証
慢性病などの性質や患者の体力を示す。
寒証・熱証
からだの冷感・悪寒・熱感などを示す。
表証・裏証
病気の進行状態、病期などを示す。
上図のように、「シーズ・オブ・ライフ」上に、虚実、寒熱、表裏が乗り、そこに物理の法則をあてはめれば、そのまま、上下、左右、前後の関係になります。
この八綱弁証は、主に病気と向き合う身体の仕組みを総括的に表したものなので、「生命」自体を生み出すこととあまり関わりがないと考えがちですが、ここに一つのヒントがあります。
ほぼ十ヶ月の間、私たちは母親の胎内に居るのですが、胎内に存在する胎児は母親にとって「異物」であると捉え、お腹の中で「異物」を抱えながら育むという実にミラクルなことをしています。
特に一般的な感冒などは、非常に短い期間体内に細菌やウィルスが侵入したときに生じる「短期的反応」なので、免疫的な反応を踏まえつつ抵抗力を付けるような働きが起きています。
方や妊娠は、ある一定のあいだ生命を育む仕組みを通して、お互いの免疫的なメカニズムが補足し合い、「長期的反応」で相乗的に内部に抵抗力を生み出していきます。
やや荒っぽい表現ではありますが、この仕組みを理解するために、以下、模式的に陰陽の関係を示します。
下図の白く抜かれた立方体すべてが「陽」となります。
まず、上下関係です。
左右の関係を示します。
最後に前後の関係を示します。
図をご覧になればお分かりいただけるように、心理の「領域」が「陰」すべての位置であり、身体の「領域」が「陽」すべての位置であることがわかります。
ですから単純に、虚・寒・表が陰となり、実・熱・裏が陽となります。最終的にその総和と申しますか、演繹的(えんえきてき)に総体を見立てた上で、最終的な「陰陽」の性質に分けられるという考え方になります。
ここから『展開』の段階的な成長が促されていきます。その仕組みの詳細については、次回、「開花」の展開でご説明しましょう。
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