日常で人をトランスに入れる方法

http://hypnotic-style.com/?p=34  より

日常生活で催眠術を使い、人を自分の思い通りに動かすためには小手先のテクニックを一つ一つ覚えるより催眠術にかかるその「本質」を理解することがなによりも近道です。

その本質の一つ「相手をトランス状態に導く方法」を、詳しく解説していきたいと思います。

催眠術においては、例えば、「あなたは私のことが好きになります」という指示を術師が唱えれば、本当にそのとおりになりますが、そのとき、催眠術をかけられている人がどういう心理状態になっているかというと「あ、そうなんだ、好きなんだ・・・」と、術師の言葉を、抵抗なく、素直に受け入れているわけです。

そう、「抵抗」がなくなっている(弱まっている)わけです。

心理的な抵抗を発生させるのは、人間の「理性」の部分です。

人は、冷静に、そして、理性的に物事を考えることで、自分の本来の価値観を維持しようとします

しかし、その理性が弱まってしまえば、本来受け入れがたい価値観のものでもフワッとついつい受け入れてしまいやすい状態になってしまうわけです。

催眠術では、その理性が弱まっている状態を、「催眠状態」と呼んだり、「トランス状態」、または、「変性意識状態」と呼んだりします。

言葉を変えれば、「錯覚を起こしやすい状態」とも言うことができるでしょう。

「言われてみればそうなのかもなぁ。。」

こういうときってどういう状態でしょうか本当にそうなのかどうなのか冷静に検証する能力が失われていたり考えるのも面倒だったり、今はそれどころでなかったり、そんな状態をイメージするとわかりやすいかもしれません。

それが真実かどうかを検証するためには過去の記憶や、目の前のあらゆる情報にあれこれ脳が多方面にアクセスし、過去の価値観と照らし合わせて分析する必要があります。

意識があちらこちらに飛び交って、情報を集めて処理している状態なのです。

しかしトランス状態というのは、意識があちこちに飛ぶことはできません。

目の前の「一つの事象」にだけ意識が向いて(集中して)しまい、結果として、何かと比較したり、何かと何かを照らし合わせて検証したりそういう冷静な判断ができない状態なのです。

理性が全くなくなることはありませんが、これをどんどん弱めていくことで、催眠術がかかりやすい状態に持っていくというテクニックを術師はいつも考えながら実践しているわけです。日常生活において(催眠ショー以外で)こんなことができるのか、というと、できます。

相手の理性がゴリゴリ働いている状態でこちらが誘導指示しようとも、相手の合理的な理性によって大きな抵抗に会ってしまいます。

それを弱めた上で、指示誘導を行うと、その効果は2倍にも5倍にも10倍にもなりますからこのステップは強く意識するべきなのです

さらに、

理性を弱めるからといって、罪悪感を感じる必要は全くありません。

なぜなら、人は毎日毎日、意識せずとも、トランス状態に何度も何度も入っているからです。

つまり、暗示を受け入れやすい状態と受け入れにくい理性的な状態が、コロコロ変化し続けているわけです。

もちろん、トランス状態といっても状態は様々で、こちらの誘導に適したトランス状態かどうかはまた別です。

こちらの誘導に適したトランス状態を作り上げることが最終目標ですが、それはいったん置いておきますね。

では、日常生活で相手の理性を奪う方法ですが、(つまりトランス状態に入れる方法)

これは、催眠術のショーにおいて術師が行っている催眠導入法の原理をしっかり理解することでどんな場面でも応用できます。

原理を理解する、というのは、ショー催眠のまんまの方法では日常では絶対に使えないからです。

「この5円玉を見て・・・」

あたりまえですよね(笑)催眠術師や催眠療法士が使う催眠導入法(トランス導入法)は

たくさんあるのですが、大きく次の二つに分別することができます

・人間の身体的特徴を利用する方法

・人間の感情的性質を利用する方法

催眠術師が行っている催眠導入法はこの2つのどちらかに大別されます。

次の記事にて、これらについて詳しく解説しますが、簡単にこの2つについて説明すると、

人間は、身体がこうなると、自然と心もこうなるといった身体的特徴がたくさんあります。

例えば眼球を固定すると思考が一時的に停止しやすい、とか、単調な連続的リズムを聞くと・・・など  これが、人間の身体的特徴を利用した催眠導入法です。

次の感情的性質を利用する方法とは、例えば、人は驚いたり、不安になったり、ある感情が強く前にでると、冷静沈着な判断がしづらくなると思います 簡単に言えばこういうことです。これらを、その場その場に応じて、催眠をかけるのに適したトランス状態を作り上げることが大切なのです。