無意識に働きかけるエリクソン研究会


大切なあの人のメンタルに成長の種をまく……

 | ミルトン・エリクソン研究会 |

なぜミルトン・エリクソンは患者を次々治していけたのか?

~無意識に働きかけるエリクソン研究会~

無意識へ語りかける天才催眠療法家、ミルトン・エリクソン

ミルトン・エリクソンは20世紀最高の天才的催眠療法家として有名です。

エリクソンは数多くの困難事例を従来では考えられない破天荒な治療戦略で解決していきました。

当時、アメリカで

「エリクソンのところに行って治らなければ、どこへ行っても治らない」

と言われたほどです。

エリクソンが天才であったゆえんは、催眠的な技術ををいわゆる「催眠誘導」の中だけに閉じ込めず、「催眠的コミュニケーション」として、通常のコミュニケーションにまで拡張したところにあります。

私たちは自分の行動や思考の多くを自分で自覚できる「意識」でコントロールしているわけではありません。私たちの言動の大部分は、自分では自覚してない自動処理、つまり、「無意識」に委ねられています。エリクソンは催眠誘導やトランス状態を利用せずとも、そういった相手の無意識に対して働きかける技術も数多く開発していきました。

このエリクソンが開発した無意識に対して働きかける独特の方法をエリクソニアンアプローチといいます。

エリクソンの治療戦略と考え方を身につけて使いこなす

エリクソニアンアプローチ研究会の目的は、難解と言われているミルトン・エリクソンの治療戦略や催眠的技法についての理解を深め、実際に自分自身がエリクソンの治療戦略やコミュニケーションスキルを自分と他者のために使いこなせるようになることです。

ミルトン・エリクソン関連書籍をテキストとし、参加メンバー全員でエリクソンの治療例について討議してゆきます。また、エリクソニアンアプローチの練習を行います。

深遠なるエリクソンの世界を味わいつつ強力なコミュニケーションスキルを学んでいきましょう。

独学では難しいエリクソン

エリクソンの叡智に触れてみようとエリクソン関連著作を手にとってみる人は多いのですが、一見、とっつきにくく、最初はわけがわからないと感じる人がほとんどです。

なぜならば、エリクソンが最初の前提としている無意識の存在とその働き、それ自体を私たちは日常生活の中であまり実感していないからです。「自分では自覚していない精神作用」こそが無意識なのですから実感しにくくて当然ですね。

また、一般の人はエリクソン的な催眠誘導を実際に目にしたこともありません。

そのため、本の上で治療例だけを見てもそれがどのように行われていて、言葉掛けの意味がそれぞれどのような効果を目指しているのか、まったくわからないままに、途中で挫折してしまう人も多いようです。

あとエリクソン自身が自分の考えや行ったことをわかりやすい形で理論化することを望まず、自分の治療に対してあまり説明を加えなかったというのも、エリクソンを理解することをより困難にしています。

しかし、これはとてももったいないことです。

エリクソンのケーススタディを読んで理解するにはコツがあります。

ケースにあたる前にあらかじめその背後にある「ダブルバインド」「抵抗奨励」「上位相補性」「トランス」などといった催眠やコミュニケーション理論に関する専門概念を理解しておく必要があります。

それによって、エリクソンの言動の意図や、エリクソンの治療でなぜ効果が出るのか?という構造がわかりやすく見えてきます。

エリクソンの背後にあるロジックが見えるようになると、自分の目の前にあるコミュニケーションの世界がまったく違うものに見えてきます。

その時には、既にあなたは周りの人間を抵抗させることなく変化させる力を手に入れていることでしょう。(そして、時には周りの人間を意図的に抵抗させ、その抵抗を利用して他者を変化させることも出てくるはずです)

そして、他者の援助のみならず、気づいた時には自分自身が取り組んでいる課題に関しての問題解決能力も飛躍的に向上していることに気づくはずです。

意識だけではなく無意識レベルの学びのために

エリクソニアンアプローチを使いこなすためには、その戦略や技術が意識だけではなく無意識的レベル、身体レベルで吸収されていることが重要です。

なぜなら、私たちが実際に他者を目の前にして対応をするとき、長時間、頭の中で働きかける方法を考えている暇はないからです。頭で考えてから使うようではまだ現場では使えません。

目の前の状況に対して即座にエリクソニアンアプローチが思い浮かぶ、気が付いたら口をついて相手の無意識へと働きかける言葉が出ている、そんな状態にまであなたが達した時、あなたは他者に対して建設的変化を自由に引き起こす達人となっているのです。

エリクソニアンアプローチでは、私たちが日頃、あまり意識をしていない部分に焦点を当てて、人を見て、ものを考えます。そして、それにしたがって、発言、行動をします。このように慣れないコミュニケーションパターンを要求されるため、自然と相手の無意識へと働きかける身体を作り上げるためには、ある程度、時間がかかります。少なくとも半年から一年程度は継続的にトレーニングすることで、あなたの無意識にエリクソニアンアプローチがしっかりと根付きます。

エリクソニアンアプローチ研究会では「意識のレベルでわかった」という次元を超え、「無意識のレベルで身に付いた実際に使えるエリクソン」を目指します。

研究会で行うこと

テキストの輪読

テキストの内容(エリクソンの治療例)についての討議、解説

テキスト内で扱われていたテクニックについての実践ワーク

テキストの内容を各自の身近な生活環境に置き換えた具体例を出しあう

質疑応答

取り扱うテーマ(予定)

無意識の理解と活用

無意識への種まき

各種抵抗操作スキル

(グレゴリー・ベイトソンの)ダブルバインド

課題処方

見立ての技術

解決志向アプローチ

ユーティライゼーション(利用化)

両立不能な代替行動の提示

雪玉効果

ペーシングとリーディング

心理療法におけるトランス状態の利用とその位置づけ

パターン介入

結合法

分離法

YESセットとラポール形成

自発性を引き出すアプローチ

アナロジー・メタファー・エピソード

間接暗示と情報スタイル

リフレーミング

悪魔の契約

催眠誘導とトランス状態