http://re-sta.jp/homeostasis-2560 より
「ホメオスタシス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
普段の生活では、あまり聞き慣れない用語かもしれません。でも、ホメオスタシスは、私達の体に備わった、とても大切な機能なのです。
ホメオスタシスは、あなたのゴール達成にも大きな関わりがあります。夢を次々に叶えていく人がいる一方で、人生がなかなか思い通りに進まない人が多いのはなぜでしょうか?
「叶えたい夢がある!」
「達成すべき目標がある!」
「そのために日々努力しようというヤル気もある!」
「でも、どうしてもモチベーションが続かない・・・」
「明日、また明日と先延ばしにしてしまう・・・」
「そして、すぐに諦めてしまう・・・」
このような心理状態を抜け出して、あなたが本当に求めている結果を達成するためには、ホメオスタシスを理解して、意識的に味方につける必要があります。
この記事では、認知科学者でベストセラー作家でもある苫米地英人博士から学んだ「ホメオスタシス」の意味と役割、そして活用法をわかりやすく解説します。
これを読めば、あなたはゴール達成のための脳のプロセスを理解し、モチベーションに左右されたり、毎日辛い努力を続けたりすることなしに、自動的に最短距離で夢を実現できるようになるでしょう。
目次
1. ホメオスタシスとは?
1-1. ホメオスタシスは生命維持に不可欠
1-2. ホメオスタシスは「病気の状態」も維持する!?
1-3. 心理にも作用しているホメオスタシス
1-4. あなたの思考と行動のブレーキになっているもの
2. ホメオスタシスを味方にしてゴールを達成する3ステップ
2-1. 心の壁を取り外すには高いゴール設定が必要
2-2. ゴールを達成した自分をリアルにイメージする
2-3. 自己評価を高くして理想の自分を演じる
3. ホメオスタシスの同調で他人を動かすテクニック
3-1. ホメオスタシスは他人と同調する!?
3-2. 信頼関係を瞬時に築くテクニック
3-3. 空間を支配して人を動かす技術
4. 最後に
1. ホメオスタシスとは?
「ホメオスタシス」とは「恒常性維持機能」と訳される医学用語です。
もともとは、米国の生理学者 W.キャノンが1932年に『人体の知恵』で提唱したもので、生物が環境の変化に応じて生体のバランスを適正に調整し「状態を一定に保ち続けようとする性質やその状態」のことです。次から、もう少しわかりやすく説明していきます。
1-1. ホメオスタシスは生命維持に不可欠
femaleホメオスタシス(恒常性維持機能)は、私達がより長く生きられるように、体が環境の変化を受けても、常に「安定的な状態」を維持しようと働いてくれています。
例を挙げて考えてみましょう。
体温計で自分の体温を測ったことがあると思いますが、日本人の平均体温は36.89℃だそうです。私達の体は常に、自分の体温を「一定の心地よい状態」つまり、36.89℃前後に保とうとします。これこそが、ホメオスタシスの働きなのです。
36.89℃前後というのは、「心地よい状態」には、ある程度の遊びの範囲が設けられているからです。一般的に、35.5℃から37℃くらいでしょうか。この体にとって心地よい状態の領域のことを「コンフォート・ゾーン」(快適領域)と呼びます。ホメオスタシスは、身体の状態がコンフォート・ゾーンを外れると作動して元に戻そうとしてくれるというわけです。
あなたがジョギングをしている時のことを思い出してみて下さい。10分も走っていると、だんだん呼吸が乱れ始め、心臓の鼓動が激しくなり、体温も少しずつ上昇してきます。体温がコンフォート・ゾーンの37度を超えると、ホメオスタシスは、自動的に「心地よくない状態」と判断します。そして、毛穴を開き、汗をかいて、体内の水分を蒸発させて、通常の体温に戻そうと調整し始めます。
ジョギングが終わり、動くペースがゆっくりになると、汗はだんだんに止まり、上がっていた「心拍」も「呼吸」も、いつもの楽な状態に自然と戻ってきます。これらはすべてホメオスタシスの働きです。
今度は、逆に真冬の寒い時のことを思い出してみましょう。朝起きて、寝巻のまま新聞を取りに外に出たあなたは、暖かい部屋から急に冷たい外気に触れて、体をブルブルと震わせます。これもホメオスタシスの働きで、身体を震わせて熱を出して体温を上げているのです。また、鳥肌が立つのは、皮膚の表面の毛細血管を収縮させて、体温が逃げないようにしているためです。
このように環境が変化したとき、それを元に戻そうとする作用を「負のフィードバック作用」と呼びます。負(ネガティブ)というのは、変化を弱め、変化を打ち消す「逆の方向性」を持った働きだからです。
私達は、外部環境の変化や、運動による身体的変化、食物の影響などに応じて、体温、心拍数、血液量、血糖値、血液酸性度など、さまざまな「生理的状態」を生存に適した「一定範囲内」に保っています。
また、転んで擦りむいた後、何もしなくても傷口がふさがるのも、インフルエンザにかかった時、自然と発熱してウィルスを体から排除するのも、すべてホメオスタシスのおかげと言えます。
つまり「ホメオスタシス」によって「負のフィードバック作用」が働き、常に「コンフォート・ゾーン」の中にいる状態を保とうとしています。こうして、私達の身体は守られているのです。
まさに、ホメオスタシスは「生命の維持」に不可欠な性質であり「健康」を維持する上で非常に重要な役割を果たしているといえます。
1-2. ホメオスタシスは「病気の状態」も維持する!?
femaleこのように、健康状態の維持のために働いてくれるホメオスタシスのおかげで、私達はそう簡単に病気にはかかりません。しかし、困ったこともあります。それは一度、病気になってしまうと、今度は逆に「病気」にホメオスタシスが発揮されてしまうことがあるということです。
これは、病気が長く続くと、ホメオスタシスが「現状=正常」と認識し「病気の状態」を維持しようと働くためです。そうなると今度は、健康に戻ることに「抵抗」が生まれて治りにくくなってしまうことになります。
健康な時は、病気から体を守ってくれている「ホメオスタシス」が、時に病気から正常な状態に回復することへの「障害」になるというのは、何とも皮肉ですよね。
1-3. 心理にも作用しているホメオスタシス
femaleこのように私達の健康と密接に関係しているホメオスタシスですが、その作用は「身体」だけでなく「心理」にまで及んでいます。
体の不調がなかなか治らない場合、ホメオスタシスが心理に作用しているケースがあります。それは、心配してもらったり、慰めてもらったりしている状況が「心地良い」など、病人であることに何らかのメリットを感じている時に起こります。
しかも、それは深層心理で感じているので、自分では、その心理状態に気づいてさえいない可能性もあります。つまり、無意識に「このままでいたい」「今の状態を変えたくない」という欲求をもっているために、治りそうになると、あえて治療をやめてしまったり、回復の妨げになるような行為をしたりして現状を維持しようとするのです。
ホメオスタシスが心理に作用している他の例を考えてみましょう。テストの平均点が60点ぐらいの生徒が、ある日90点を取ったとします。すると彼の潜在意識は、その状況に居心地の悪さを感じます。そして次のテストでは、ちゃんと30点を取り、平均点をコンフォート・ゾーンの60点に戻します。
同様に、年収300万円の人が、ある日1億円の宝くじに当っても、あっという間に浪費してしまい、数年以内にすべてを失って元の生活に戻ってしまうといったケースは、実際多いといいます。その人にとってのコンフォート・ゾーンは年収300万円だからです。
私達はコンフォート・ゾーンにいることで非常にリラックスできるため、無意識に「いつもの状態」を維持しようとしているのです。
1-4. あなたの思考と行動のブレーキになっているもの
femaleこのように、ホメオスタシスが心理に作用することで、あなたが「今の自分を変えたい」「もっと理想の自分になりたい」と望んで何かに挑戦したり、行動を始めたりしても、すぐに諦めてやめたくなってしまう理由の説明がつきます。
例えば、痩せたいと思いダイエットを始めても、数日後には普段の食生活に戻ってしまう、または、少し痩せても、すぐにリバウンドしてしまうということがあります。
これは、甘いものをガマンする自分や、毎日、運動する自分、そして痩せている自分自身のイメージが、コンフォート・ゾーンの外にあるため、無意識に「自分らしくない」と認識し、ホメオスタシスが働いて「元の自分」に戻そうとした結果です。また、禁煙を決意した人が、すぐに挫折して元の生活習慣に戻ってしまうのもまったく同様の原理です。
他の例を考えてみましょう。あなたは将来の転職に備えて、資格を取ろうと決心したとします。ヤル気十分で計画を立て、学習をスタートしたはずなのに・・・仕事から帰ると、疲労感でどうしてもテキストを読む気が起きず、明日の朝、早起きしてやろうと考え、ビールを飲んで寝ます。
しかし、案の定、早起きはできず、帰ったらやろう、明日こそやろう、週末には必ずと時間だけが過ぎ去ります。そして、その内、もう資格なんて無くても、今のままでもいいやという気になってきます。結局1ヶ月後、教材はできるだけ目に触れないように机の引き出しの奥の方にしまわれ、何かの拍子に視界に入ると、古傷が痛むような気分に見舞われるのです。
このような経験が、もしかしたらあなたにもあるかもしれません。
これは、単にあなたの意志が弱いからというよりも、ホメオスタシスがコンフォート・ゾーンに引き戻している結果なのです。この場合は、いつものようにビールを飲みながら、TVを見てダラダラ過ごすというのが、コンフォート・ゾーンということになります。人は「新しい」「居心地の悪い」状況、環境に身を置くよりも、肉体的にも心理的にも気軽で快適な「コンフォート・ゾーン」にとどまりたいと思うものなのです。
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「何かを変えたい」「もっと理想に近づきたい」「夢や目標を達成したい」と思った時に、それがそれほど難しいことでもないのに、実現できないのは、現状を維持しようとするホメオスタシスが働いて「心理的抵抗」になっているからです。
「失敗への恐怖」「恥ずかしさ」「変化への不安」「面倒臭さ」「自責の念」など、様々な心理的なブレーキがかかってしまっているのです。そして、この無意識の抵抗は、変わろうとする気持ちが強ければ強い程、比例して強くなると言います。
まずは、あなたが新しいことに挑戦しようとする時、夢や目標を達成したいと思った時は「ホメオスタシスが常に働いている」という事、そして、それが、あなたの思考と行動のブレーキになるかもしれないということを意識する必要があります。そして、そのブレーキを、うまく外すことさえできれば、あなたは夢の実現に向けて一直線に突き進むことができるのです。
2. ホメオスタシスを味方にしてゴールを達成する3ステップ
それではどうすれば、それらの心理的ブレーキを外すことができるのでしょうか?
結論から言うと、自分のコンフォート・ゾーンを、今の状態から変化させれば良いのです。つまり、現状のコンフォート・ゾーンを、ゴール達成に適した新しいものにチェンジさせるのです。そのためには、まずゴールを設定することが不可欠です。
2-1. 心の壁を取り外すには高いゴール設定が必要
maleあなたの夢が叶えられるかどうかは、コンフォート・ゾーンをどのように設定するかにかかっています。
コンフォート・ゾーンがゴールの達成に適したものでさえあれば、ホメオスタシスの力で、あなたは一切努力をすることなしに、自動的にゴールに到着することになります。
コンフォート・ゾーンが変わったことで、今度は現在の自分に居心地の悪さを感じ始め、自然とゴールを達成するための思考や行動を取り始めるからです。
そして、今まで目に入っていても気づかなかった、ゴール達成に必要なものや情報が、自分の周りにあることに気づき始め、具体的方法や手段も見えてきます。脳は自分にとって重要な事のみを認識するので、何となく毎日を過ごしていては、望む未来は永遠にやって来ないのです。
苫米地博士によると、理想の未来を迎えるためには、まず自分のゴールを明確にして、コンフォート・ゾーンをゴール側から設定する必要があります。夢が漠然としていると、自分が本当に欲しているというリアリティが出てこないので、行動につながらないのです。
設定するゴールは、何でも良いというわけではありません。まず、ゴールは、あなたが本当に「心から望むもの」でなくてはなりません。私達は幼少期から、両親や兄弟、学校の先生、友人など、周囲の影響を知らず知らずに大きく受けてきました。
そのため、あなたが夢や目標だと信じているものも、実は周りからすり込まれただけで、あなた自身が本当に心から望んでいるものではない可能性があるのです。大人になってから無意識に下す判断の8割から9割が親の物真似だという説もあるくらいです。
しかし、ゴールは自分が本当に心から欲しているものでないと、コンフォート・ゾーンに設定することができません。他人の価値観や誰かに押し付けられた「やらなければいけない事」は少しも入ってはいけません。
本当に自分が心から望むゴールを設定してこそ、ホメオスタシスが作動して、自動的に叶えてくれると言うことです。そして、本当に自分が望む夢が達成されてこそ、人は真の幸せを感じることができるのです。
あなたの夢が本当に自分で望んでいるものか判断するには、そのゴールが達成されたときのことをイメージしてみて、ワクワクした嬉しい気分になるかどうかがポイントになります。他人に言われたゴールだと不思議と気持ちが高揚しません。
ゴール設定をする時の、もう一つの注意点は、過去の自分には一切とらわれてはいけないと言うことです。多くの人は、過去の自分が現在の自分を作っていると思っています。しかし、苫米地博士は「時間は未来から現在、過去に向かって流れている」と言います。
将来、夢を叶えるために、今までの自分はまったく関係がないと言うことです。逆に、現在の自分を決定する原因が未来にあるのです。「今までの自分」がこうだったからという理由で「未来の自分」を低く設定しないで、遠慮なく大きなゴールを設定すれば良いのです。
苫米地博士は、むしろ、どうすれば達成できるのか、現在の自分からは、まったく見当もつかないくらい途方もない大きな夢を、ゴールとして設定する必要があると言います。達成方法が想像できる程度のゴールだと、脳は「ゴールはすでに達成されている」と錯覚して、ホメオスタシスが働かないのだそうです。目標が現実離れしているほど、無意識が目標に向かう力は強くなるのです。
まず、小さいゴールが思い浮かんだら、それをどんどん大きくふくらませてみます。例えば、社長になる、年収1,000万円になる、億万長者になるといった夢は、途方もない大きな夢とは言えません。社長になってどうしたいのか?年収を上げて何がしたいのか?とさらに深く考えていきます。
すると、余裕のある生活がしたい、家族でのんびり海外旅行に行きたいなどの夢が出てくるかもしれません。でも、それらも、大きな夢が達成される途中で叶えられるべきものであり、最終ゴールとは言えません。最終ゴールとは、あなたの小さな欲がすべて満たされたとして、その先に何があるのか?自分の欲から離れて、社会や人々のために何が実現したいのかという大きな夢であるべきです。
例えば「ガンの特効薬を開発し、世界の人を病から救う」とか「世界中の飢えている人達を救う」というのは、どのように達成すればいいのか想像できない程、途方もない夢ですが、そのゴールをコンフォート・ゾーンに設定さえすれば、ホメオスタシスの機能によって、無意識が勝手にさまざまな行動を始めるのです。叶いそうにない、非現実的な夢でも一向に構いません。それらの大きな夢に向かっていく過程で、結果としてお金や海外旅行など小さな夢は自動的に叶っていくことになるのです。
ステップ1
あなたの夢やゴールを紙に書き出してみましょう!
そして、そのゴールが達成された時を想像して、本当にワクワクするか、心から望むものかを考えてみてください。さらには、ゴールをできる限り大きくしていき、最終的には、自分だけでなく他人も幸せにするところまで壮大なものにしてください。
もしかすると、あなたは、自分の夢が何なのか、なかなか見つからないかもしれません。しかし、それも現状を維持したいホメオスタシスによって見え難くされているのです。まずは、暫定的ゴールで良いので一つ書き出して、本当の夢が見つかるまで、日々、自問自答して最終ゴールを掘り出していってください。
あなたのゴール、あなたの未来です。真剣に取り組んでください。目標設定さえうまくいけば、ホメオスタシスが働いて、自動的にゴールに近づけてくれるのですから。
2-2. ゴールを達成した自分をリアルにイメージする
femaleゴールは、ただ決定しただけでは実現しません。それを無意識レベルまで落とし込んで、あなたのコンフォート・ゾーンに設定する必要があります。
コンフォート・ゾーンにプログラミングするには、イメージの力を使います。ゴール側にいる自分の世界を現実の世界以上にリアルにイメージすることで、その未来の方が、あなたにとってのコンフォート・ゾーンになります。つまり、脳は、よりリアリティ(臨場感)が高いものをあなたの「現実」と認識するのです。
そして、ホメオスタシスの働きで、未来と現状のギャップを埋めようとします。五感をフル稼働させて、ゴール達成のために必要な情報を収集し始め、やるべきことが見え始めます。そして、じっとしていられないような気持ちで、気づけば行動していたという状況になるのです。
ステップ2
ゴールを達成したあなたの一日を紙に書き出して、リアルにイメージしてみましょう!
まず、朝ベッドの上で目を覚ました瞬間からの理想の一日の行動と感情を事細かに想像して書いていきます。
・ベッドのシーツの感触はどんなか?
・どんな気分で目を覚ましたか?
・どういう風に起き上がり、どんな風景が見えるのか?
・朝食のコーヒーの香りや目玉焼きの味や舌触りは?
・どんな音が聞こえるか?
・誰に会って、何をするのか?
一つ一つの行動はすべて、あなたが心からやりたいことである必要があります。夜、ベッドに入って眠りにつくまでを詳細に書き出してください。一つ一つの場面をリアルに想像して、ゴールが実現している様子を現実のことのように、様々な角度からイメージしていきます。
理想の一日が書けたら、今度はそれにリアリティを持たせる作業をします。今度は過去にあった嬉しい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい体験を思い出して、その中から、最もインパクトのある記憶を3つくらい選んで、その時の感情を呼び戻します。
感情が十分に高まったら、ゴールを達成した自分のイメージに、それらの感覚を合成していきます。こうしてゴールにリアリティを持たすことで「未来の自分」を「現実」として、コンフォート・ゾーンに設定することができるのです。
注意点としては、この作業は十分にリラックスした状態で行う必要があります。リラックスしていないと、脳は物理空間を離れて、イメージの世界をリアルに感じられないためです。寝ている時に見る夢をリアルに感じるのは、リラックスした状態だからです。
リラックスするには、深い呼吸をして、体を徹底的にゆるめます。苫米地博士は「逆腹式呼吸」という気功などで使われる呼吸法を勧めています。これは、息を吸う時、お腹をへこませ、吐く時、お腹をふくらませる呼吸法です。リラックスして、ゆっくり「鼻」から息を吸い、口(または鼻)からゆっくり吐き出しましょう。
こうして、リラックスした状態で、ゴールを達成した自分の姿をリアルにイメージすることで、あなたの理想の未来はコンフォート・ゾーンに設定されていきます。
もし、リアルにイメージするのが難しい時は、実際にプチ体験してみるのも良いでしょう。未来の自分がベンツに乗っているなら、実際に試乗会に行って乗ってみたり、一流ホテルに宿泊している自分をプチ体験するなら、そのホテルのラウンジを利用してみたりします。社長になる未来を設定しているなら、実際に社長の椅子にちょっと腰掛けさせてもらってみてください。
2-3. 自己評価を高くして理想の自分を演じる
maleゴールを達成した自分をリアルに想像して疑似体験したら、今度は、未来のあなたから逆算して、現在あるべきあなたの姿をイメージしてください。
あなたは、すでに理想の自分です。その姿をリアルにイメージできたら、今度は、新しい自分を演じ始めて下さい。実は、理想の自分になるための、最も強力な方法は、なりたい自分を「演じる」ことなのです。
会社で、平社員がある日、課長や部長に昇進したとします。突然、役職を与えられて、最初は、様子がたどたどしいでしょう。周囲も「本当にこの人で大丈夫か?」と心配します。でも1~2週間もすれば、徐々に態度がしっかりしてきて「それらしく」なってくるものです。
また、子供が生まれて「父親らしくなった」とか、弟ができて「お兄ちゃんらしくなった」などというのも良く聞く話ですよね。つまり、何らかの役を与えられると人は自然と変わり、周囲の見る目や扱いも変わるということです。あなたは、自分自身に「理想の自分」という役を与え、そのイメージを見せることで、周囲の人のあなたに対する認識も変わってくるはずです。
ステップ3
理想の自分になりきって徹底的に演じてみましょう!
最初はハッタリでいいので、とにかく役になりきって、徹底的に思い通りの自分を演じることが大切です。意識上では、あくまでも演技なので、無意識の抵抗(ホメオスタシス)によって元の自分に引き戻されることはありません。
この時、今までのあなた自身のイメージはすべて捨ててしまってください。過去は、未来にまったく関係ないからです。一から新しく設定すれば良いのです。
新しいあなたは、タバコを吸わない人物として設定することもできますし、毎日、運動を欠かさない人かもしれません。カリスマ性のあるリーダーかもしれませんし、家庭を大切にする父親かもしれません。なりたい自分のイメージを設定して、それを演じるだけでよいのです。あなたの思いのままに、どんな人物にだってなることができます。
徹底的に別人格になるには、役柄をディテールまで設定する必要があります。性格、思考パターン、価値観、話し方、目線、うなずき方、表情、仕草、歩き方、立ち居振る舞い、服装など外見もすべて変えていきます。イメージし難い場合は、俳優でも、実業家でも、身近な人でも良いので、自分の理想に近い人をお手本にして、いろいろな人からサンプルを集めて、理想の人物像を作り上げると良いでしょう。
最初は少し恥ずかしいと感じるかもしれませんが「ただ演じているだけ」と思えば、ほとんど抵抗はなくなります。そして1週間も演じているうちに、周囲のあなたを見る目が変わって、そういう人として認識し始めるものです。そうしたら、しめたもので、あなた自身のセルフイメージも次第に定着していくでしょう。
もし、うまくいかなかったり、失敗したりしてしまった時は「あれ?俺らしくない(私らしくない)」と考えます。逆に、うまく行った時は「よし、俺らしい(私らしい)」「自分にふさわしい」と思うことで、より自分への評価を高くしていきます。
このように、あなたの夢やゴールを明確にし、ゴール側にいるあなたをリアルにイメージして、理想のあなたになりきって徹底的に演じることを続けるだけで、あなたはホメオスタシスを味方につけて、自動的にゴールを達成することができます。
3. ホメオスタシスの同調で他人を動かすテクニック
ここまで、ホメオスタシスといかにうまく付き合って、ゴールを達成するかについて解説してきました。ここからは、あなたの壮大な夢を、さらに加速して叶えるために、周囲の人達をあなたの夢に巻き込んで、思いのままに動かすテクニックについて説明していきます。
3-1. ホメオスタシスは他人に同調する!?
female私達の心と体を一定の状態に保つために働いてくれているホメオスタシスですが、実は、人と人の間でも同調(フィードバック)すると言ったら、あなたは信じられますか?
私達の体のホメオスタシスの状態は、ただ一緒にいるだけで同調することがわかっています。複数の女性が同じ部屋で一緒に生活していると、それぞれの月経の周期が、次第に一致してくるという研究結果があります。
これは、お互いの体が、ホメオスタシス・フィードバックを起こし同調した結果です。これには、フェロモンなどの情報伝達物質が関連していると言われていますが、同様に、呼吸や心拍数なども、同じ空間にいるだけで同調していきます。
また、空間を共有することでフィードバックを起こすのは、お互いの身体状態だけではありません。考えていることや心理状態も同調してきます。伝わるメカニズムとしては、顔色や声のトーンなど、様々な情報で伝達していると言われています。例えば、カップル同士が、顔の表情や仕草、考え方や笑うタイミングなど、あらゆる面で似てくる傾向がよく見られますが、これもホメオスタシスの同調という現象で説明がつきます。
相手と自分が同調すると、お互いの親密度はより増した状態になります。親密度が増せば、お互いに信頼関係を構築することや、協力関係を結ぶことが容易になります。
3-2. 信頼関係を瞬時に築くテクニック
group相手と同調することで、瞬時に良い印象や感情を与えて、信頼関係を構築することができたら、ビジネスや恋愛など様々な場面でコミュニケーションが円滑になりますよね。
まず、相手と同調するには、お互いがリラックスした状態であることが前提になります。リラックスした状態でないと、潜在意識へ強く働きかけられないからです。
まずは、あなた自身が、逆複式呼吸などで、リラックスしてください。そうすれば、相手も自然とリラックスしてきます。この時点で、すでに同調は始まっています。お互いに十分にリラックスできたら、信頼関係を築く作業に入ります。まずは、簡単に実践できるテクニックを紹介します。
テクニック1 呼吸を同調させる
相手の呼吸や、話し方などのペースを合わせることをペーシングと言います。相手の呼吸のペースをとらえて、息を吸ったり吐いたりするタイミングを合わせます。これだけでも、相手との間に一体感を作ることができます。さらには、話すスピードや相槌のタイミングも、相手に合わせていきます。
テクニック2 相手のしぐさのマネをする
image次に、相手の動作を観察して、相手と同じ動作をすることで、ラポール(信頼関係)を築きます。人は、無意識に自分に似た相手に親近感や安心感を覚えるものです。
相手が足を組んだら、自分も組み、相手が前のめりになったら、自分も同じ動作をします。まるで、鏡に写したように相手のしぐさをマネるので、このテクニックをミラーリングと呼びます。
これを行う時の注意点は、相手にマネをしていることを悟られてはいけないということです。相手に気づかれて、意識されてしまうと、効果はなくなってしまいます。あくまでも、相手の無意識に働きかけることが重要です。マネをする時のタイミングをうまくズラすなどして、気づかれないように工夫しましょう。
テクニック3 相手の視点から自分を見る
これは、相手の目から自分を見るイメージをすることで、相手の心に同調する手法です。あなたを見ている相手の視点をできるだけリアルにイメージしましょう。
そして、ホメオスタシスが同調したら、過去に体感した嬉しい、楽しい、気持ちいい、信頼しているといった感情を思い出して、相手にイメージで送ると、その感覚が伝わって、相手も良い気分になります。
3-3. 空間を支配して人を動かす技術
male相手と同調して信頼関係を築けるようになったら、さらに一歩進んで、空間を自分が支配して、相手を意のままに動かすテクニックを身に付けましょう。
これができれば、自分に有利に商談を進めたり、相手に同じゴールを共有させて、自分の協力者にしたりすることもできます。
まず、前提として覚えておかなければいけないことは「情報的(仮想的)身体が大きい方に、小さい方が同調する」という法則です。
人は物理身体以外にも、情報空間にもう一つ情報的身体を持っています。あなたの情報的身体が相手より圧倒的に大きければ、相手は勝手にあなたに同調して影響を受けてしまいます。
例えば、精神医学用語で「ストックホルム症候群」という言葉がありますが、誘拐事件や監禁事件などで、被害者が、犯人と長時間共に過ごすうちに、犯人に対して過度の同情や好意を抱くケースがあります。これは、命に関わる極限状態で、圧倒的に大きな情報的身体をもって空間を支配している犯人に、被害者が同調して、強い親近感、信頼感、恋愛感情などが引き起こされる現象と言えます。
同様に、占いや霊感商法などでは、霊が付いているなど恐怖をあおって空間で優位に立つことで、大きな情報的身体を獲得して相手を支配していることがよくあります。
医者と患者の関係では、患者は治してもらおうと思っているので、医者の方が空間の支配者であり、より大きな情報的身体を持っているので、患者はコントロールされやすいと言えます。
テクニック3 情報的身体を大きくする
female具体的に情報的身体を大きくするには、気功の大周天を応用します。自分の体が巨大化したイメージを脳内でリアルに作り上げるのです。そして、大きな地球を抱え込むイメージをします。
巨大な自分のイメージさえでき上がれば、後は普通にコミュニケーションするだけでも、自動的に周りの人達は、あなたに同調するようになります。そして、同調した状況で、あなたが「こうなって欲しい」と強くイメージすれば、無意識レベルで伝わり、相手はあなたの意のままに動き出すのです。つまり、相手を洗脳できるということです。
テクニック4 空間をコントロールする
imageもう一つの方法は、相手と共有する空間をあなたが自由にコントロールすることによって、相手の無意識に、あなたの情報的身体の方が大きいと解釈させる手法です。
やり方は簡単です。灰皿など、相手の目の前にある物をさり気なく少し動かすだけです。それだけで相手の無意識は、この空間を動かした、あなたを空間の支配者であると認識します。
注意点としては、途中で相手に気づかれて「灰皿、邪魔でしたか?」などと聞かれた場合は、相手の意識が働いてしまったので失敗ということになります。あくまでも、相手の無意識に働きかけることが目的だからです。
他の方法としては、相手が見ているもの、聞いているもの、感じていることを言語に換えて聞かせることで空間をコントロールする手法もあります。つまり「そのペン書きやすそうですね」「雨の音、落ち着きますね」「このソファー座り心地いいですね」など、相手が無意識に認識しているものを言語化することで、相手の脳は、あなたが空間を支配していると捉えるのです。
空間をコントロールできたら、後は「こうして欲しい」というイメージをするだけで、相手はホメオスタシス・フィードバックによって同調し、あなたの望む方向に向かい出します。つまり、商談などもあなたのペースでスムーズに進み、周囲をあなたの夢実現の協力者にしていくことも可能になるというわけです。
4. 最後に
maleここまで、私達の体に備わった「ホメオスタシス」という機能が、心身に及ぼしている様々な影響と、それを味方につけて、努力なしに自動的に自分の夢を叶える方法、そして、周りの人達まで自分の協力者にする方法を解説してきました。
苫米地博士は「努力をしなければいけないと言っているのは、コンフォート・ゾーンをゴール側から設定していないから」だと言います。本当に心から望んでいるゴールなら、それを達成する過程で起こる、すべての作業や困難さえも、ワクワクする楽しいものであり、嫌々、ガマンしたり、努力したりするものではないと言うことです。
あなたは、もしかしたら、日々の生活で、たくさんのストレスや将来への不安を感じているかもしれません。何をやっても、長続きしないし、うまくいかないと、時には投げやりな気持ちになることもあるでしょう。でも、それは、あなたが「本当のゴール」に向かって進んでいないからなのかもしれません。
苫米地博士から学んだ、この夢の実現法は、決して、机上の空論ではありません。多くの成功者達が密かに実践して、実際に夢を叶えて来た非常に強力な方法です。あなたも、ぜひ今日から実践して、ワクワクしながら、壮大なゴールに向かって進みましょう。
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