黄金比とは1:(1+√5)/2の比率のことです。記号では主にφを用い、1:φと書きます。近似値1.618…として表されます。
この比は自然界によく見られ、人間にとって最も美しいと感じる比率とされています。
古来から建築物、芸術作品に取り入れられてきたこともよく知られています。
黄金長方形の作図法の説明です。
正方形ABCDを作図する。
辺BCの中点Mをとる。
Mを中心とした、半径MDの円を描く。
辺BCをCのほうに延長し円との交点をPとする。
Pを通り、辺BCに垂直な直線を描く。
直線と、辺ADの延長線との交点をQとする。
長方形ABPQが、黄金長方形である。
証明
証明のために2点を加えた図です。
辺BCをBのほうに延長し、3.で描いた円との交点をP'とする。
P'を通り、辺BCに垂直な直線を描く。
それと辺ADの延長線との交点をQ'とする。
AP',APをそれぞれ結ぶ。
線分PP'は円の直径なので、三角形P'APは、
角Aが直角となる直角三角形である。
ABとPP'は垂直なので、三角形P'BAと三角形ABPも直角三角形である。
三角形P'APと三角形P'BAは、角AP'Bを共有しているので相似。
三角形P'APと三角形ABPは、角APBを共有しているので相似。
よって、三角形P'BAと三角形ABPは相似。
したがって、長方形P'BAQ'と長方形ABPQも相似である。・・・(1)
点Mは円の中心なので、線分MP'と線分MPは長さが等しい。
点Mは辺BCの中点でもあるので、線分MBと線分MCは長さが等しい。
よって、線分BP'と線分CPは長さが等しい。
線分ABと線分DCは長さが等しいので、長方形P'BAQ'と長方形PCDQは合同である。・・・(2)
(1),(2)より、長方形PCDQと長方形ABPQは相似である。
したがって、長方形ABPQは黄金長方形である。
別証
辺ABの長さをaとする。
Mは辺BCの中点なので、線分BM,線分MCの長さはいずれもa/2である。
辺CDの長さはaなので、ピタゴラスの定理より、線分MDの長さは√5a/2。
よって、線分MPの長さも、√5a/2。
よって、線分BPの長さは、a/2+√5a/2 = a・(1+√5)/2 = φa
したがって、辺ABと線分BPの長さの比は、1:φである。
ゆえに、長方形ABPQは黄金長方形である。
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