加波山

立ち返る年の孔雀の助走かな  五島高資

New Year's Day —

a peacock is starting run-up

for greater future       Takatoshi Goto

— 場所: 加波山

http://www.ne.jp/asahi/piano/yama//Kabasan.html  【加波山~足尾山】 より

またまた1ヶ月のブランクので少々不安ながらも加波山へ。

"関東平野"という言葉を実感できるロケーション。筑波山から峰続きの山だ。

満員で補助席まで座った例のマイクロバス。

順調に高速を走り、予定より遥かに早く筑波山を通り過ぎて真壁町に入る。

と、とたんに沿道には石材店がズラリ。加波山を削って御影石を掘り出している町という。

今日は一斉清掃の日か、ゴミ袋を手に町の方が総出で投げ捨てられたであろう缶やゴミを一心に拾っている姿には頭が下がる。ご苦労様です。

左手には平野の果てに真っ白な盛り上がりが。どうやら男体山らしい。

そうか、そんな位置関係なんだなあ。

さて、加波山は信仰の山、麓から山頂まで社や祠が連なるという。

登山口は桜坊。

国道からの分岐は分かりにくいかもしれない。小さな橋を渡ってすぐの右手に学校があるが、その1本先右へ入る。

よく見れば電柱に「加波山本宮」とある。

 さて、桜坊まではマイクロでも入れるが、その先は幅の問題で乗用車しか進めない。

道路は5合目まで舗装されているらしい。

ここ桜坊では一本杉方面へ右にも分岐がある。

マイクロはここまで 右手は一本杉方面へ

さて8:50、歩き始める。

地図上でもまっすぐに伸びた舗装の道は、はっきりってつまらない。 山肌は石を切り出すために削られて痛々しいというよりは貧相ですらある。

信仰の山と言いながらも実利には勝てないということか。

単調な登りだが、振り返れば早速に"関東平野"の一部が両側の木々に切り取られて覗いている。よく見れば霞んだ富士山も。

<まだまだ続くコンクリートの道>

5合目でようやく土の上を歩くようになる。小さな祠があった。

<ここから登る>

今日は会報にイラストと文章で山の話や民間伝承を毎回紹介してくださるTさんがご一緒で、早速祠や社をチェックしていらっしゃる。天狗のお話も聞けて今日はラッキー!

7合目は山椒谷。小さな流れを渡る。

誰かが「サンショウウオはいるのかなあ。」と言う。いたらすぐに捕まってしまいそうな浅い流れだ。9:34。

 登山道は加波山親宮のある鞍部に出た。登山口からちょうど1時間位だ。左は双耳峰の燕(つばめ)山。折角なのでここも踏んでいくことになる。

が、選んで山道を行ってもあっというまに広い広い舗装道路に出会ってしまい、無駄な抵抗は諦めて、車道を歩く。

アンテナの塔が2本立っているその先が燕山。

<燕山を臨む>

また鞍部に戻ってこの往復が30分ほど。

鳥居をくぐって加波山親宮(おやみや)へ。

小さいけれど立派な社があり、社務所もあるが、人がいない様子。みんな鈴を鳴らして安全登山を祈る。

なぜか、社の柱の根元にはガマが・・・。

筑波山から遊びに来たの? 社の右手から、更に登る。

おみくじ100円也を引けば、またまた大吉。「いまは冬の枯野ののようにさびしく・・・やがて春が訪れ花の咲くようによくなります。・・・」

今年はほぼ全てがこういう内容、ということはこれから満開の春が来るってことでしょうね?素直に信じちゃおう。

 気をよくしていよいよ社の右手から本宮へ。階段を上っていく。

15分ほどで頂上、それから本宮へ。社が2つも3つも並んでいる。 (新宮本殿→たばこ神社→加波山神社本殿→三枝神社本宮本殿の順でならぶ。)

 11時を少し回ったところで、風を避けて頂上付近で昼食に。

 11:30に昼食を終えてまた歩き出す。これから一本杉峠へ向かう。 稜線の道はそこここに展望もあって、いい雰囲気だ。

<楽しい陽だまりハイク>

途中「旗立石」などの史跡もあって、信仰と歴史に深く結びついた山を再認識させる。

一旦下って山頂から20分ほどで広い車道を横切る。

<舗装車道に合流する>

ここには立派な石のオブジェ?と石碑がある。

丸山は巻いて、一本杉峠までは更に20分ほど。

びっくりするような広い道路の分岐点になっている。大型バスが並んで走れそうだ。

<一本杉の分岐>

ここからこの広い車道を尻目に山道を左手に探しながら登っていく。

足元に小さく赤い矢印入りで「足尾山」とある。

昨夜来の雨と枯葉で滑ること。しかし、すぐにまた車道にぶつかる。

ただし、今度は地図からみても山道を行く方がはるかに近道となる。 滑るせいか、距離の割に傾斜を感じ、足をとられる。

しかし、ほかに誰にも出会わず、静かな陽だまりハイクは続く。

再度車道に出会って、最後の登り。一本杉峠から35分ほどでようやく足尾山に着く。

 見晴らしの良い山頂には祠がある。振り返れば加波山が結構高く聳えている。

<祠、バックは加波山>

なぜかカラフルなビニールサンダルが何組か社に縛り付けてある。

「足」尾山は足の加護でもあるのかな。

でも、祠の基部には「葦穂山」(実際は山穂葦)と彫ってある。 これだと足にはご利益なさそうだけど、まあ、深く追求しないことにして・・・。

 この先をどうするか意見が分かれたが、きのこ山までは距離もあるし、舗装道路を歩くのも興ざめということで、 予定通り白井の町をめざして下山することになる。

 車道出合いまで戻って、車道を登り返すと道がカーブした地点に 里へ降りる道が分岐している。カーブミラーと案内図、足元に矢印もあるので見落とすことはないだろう。

<ここから白井方面へ下山>

樹林の中を足元に注意しながら降りていく。

案の定、結構みんながスリップする。泥んこになるのは真っ平御免、慎重に降りていくと良く手入れされた杉林となり、最後に何かエンジンの音が聞こえたと思ったら、 採石場(跡)がマウンテンバイクのゲレンデになっていて、 何台ものバイクがエンジンをうならせて斜面や凸凹の道にトライしている。

これを過ぎてすぐに車道に合流、25000分の1地図で実線の道と破線の登山道がY字に合流する195mあたりである。

この先には民家もあり、道もどんどん広くなって、車坪に出る。

足尾山頂から1時間ちょっと。

 振り返ると加波山~燕山(アンテナ2本が目印)がよく見える。

<燕山と加波山は双耳峰>

低くても楽しい里山歩き。

今日は直登あり、アップダウンありで結構歩いた。

終始膝を気にしながらだったが、最後に左足裏が気になってきたものの、何とか右足は大丈夫、両膝とも痛みも出ず、実質5時間程度をフル装備で歩ききることが出来た。 やっとほっとした。

これで今年も山歩きが楽しめそうだ。


https://www.travel.co.jp/guide/article/38745/ 【奇岩や巨石も!霊験あらたか山岳信仰「茨城加波山」ハイキング】より

加波山は筑波連山で二番目に高い山岳信仰の山

道標に沿って加波山を目指すと、途中いくつもの加波山神社関連施設が現れます。現在、加波山神社と加波山三枝神社の二つが加波山神社を名乗り、これらすべて加波山の山岳信仰から来ています。

しばらく行くと「加波根不動明王」の社が現れます。今回はこの社の左奥から続く、時計回りのハイキングルートを紹介!細い小さな橋を渡り山の中に入っていきます。ここには小さいながらトイレがありますが、水洗ではありません。

砕石工場の脇を通って山頂を目指す

加波山周辺は良質の花崗岩(御影石)の産地で、加波山の山腹も採掘現場があります。ハイキングルートはこの脇を通り山深い中へ進んでいきます。この辺りで登山道の五合目あたりになります。

暫くすると、高天原社、続いて祖零社(加波山神社)と現れ、加波山三枝紙神社親宮に到着します。イキングコースは、路面の石も大きくなり結界※が張られるなどスピリチュアルな印象!神々の領域に入り込む霊験あらたかなハイキングはこの辺りから佳境に!

※禁足地である場所や、意図的に段差、扉、柵、鳥居、注連縄などで、この世と神の世界の境目を示すこと

加波山山頂付近は社がいっぱい!9月には奇祭も

加波山山頂付近に近づくと、加波山神社系列の社が5つ小さなアップダウンとともに出迎えてくれます。加波山周辺は良質のたばこ葉の産地でもあることから「たばこ神社」も祀られています。

例年の9月の第一日曜日には、等身大のキセル※を神職とともに何人かで担いでたばこ神社まで奉納する「きせる祭り」が開かれ、たばこ葉の豊作を祝います。

※細長い喫煙具、長さ3.6m、吸い口の径25cm、重さ60kg

社と社の間を進むと、眼下に関東平野が目に飛び込んできます。

1884年(明治17年)には自由民権運動が過激化し、加波山に立てこもり「自由の魁」などのスローガンを掲げた加波山事件が起こりました。逮捕もしくは起訴された人数が19人にも及ぶもの。加波山神社本殿(加波山天中宮)には当時の事件の碑が残されています。