雨の仲間

https://www.bioweather.net/column/weather/contents/mame036.htm【霜と霜柱】より

筆者は、20代後半まで東京都世田谷区に住んでいました。冬の寒い朝、外はあちこち霜で白くなっていました。特に駐車中の車はボディーも窓も霜で真っ白でした。窓と言えば、部屋の窓の内側には霜でいろいろな模様が出来ており、花が咲いたようになっていました。毎朝いろいろな窓霜の模様を見るのが楽しみでしたし、それに日が当たって解けてキラキラ光りながら流れ落ちて行くのを見るのがおもしろかったです。時には指で絵を描いたりとか。外に出ると、土があるところには霜柱ができており、その上を歩くとサクサクと音がして崩れていくのがおもしろく、わざと霜柱の上を歩いたものです。

 霜と霜柱はどちらも氷ですが発生の仕方に違いがあります。霜は冷たい地表物に触れた空気中の水蒸気が昇華して出来た氷です。このため、霜はすでに出来た氷の上に次の氷が出来て成長していきます。大学を卒業した年の3月に友人と伊奈谷の駒ヶ根に行き、千畳敷山荘(標高約2,600m)に泊まりました。現在、そこはすべてホテルとなっていますが、当時はホテルと山荘とがあり、貧乏学生だった我々は山荘の方に泊まりました。もちろん外は雪で真っ白です。我々が泊まった大部屋にはストーブがありましたが、隙間から入り込んだ雪が解けずに隅っこの方に埃のようにたまっており、窓には霜の花が咲いていました。しかし窓霜は解けることがなかったのでしょう、レリーフ彫刻のように盛り上がっていたのには驚きました。

 一方、霜柱は地中の水分が凍って出来た氷です。その氷が出来るときの水分補給は地中の深い方から行われるために、霜柱は下で成長し先に出来ている氷を上へ上へと押し上げるため、柱のような氷となります。このため、地表面にある物を持ち上げてしまい庭にまかれた小石も持ち上げてしまいます。

 霜柱は土があるところならどこでも発生するかというとそうではありません。関東ローム層の土粒の大きさがその発生に丁度良いそうです。岩波書店の中谷宇吉郎全集第2巻(岩波書店,2000年)に自由学園で行われた「霜柱の研究」について書かれたものが載っています。それによると紅殻の粉や澱粉類、ガラスを砕いた粉などを用いて霜柱の発生実験をしていますが、赤土だけから霜柱が発生したそうです。その赤土も、粒の粗い物と細かい物に分けて発生実験をしたところ、粒が粗くても細かすぎても霜柱は発生しなかったそうです。なお、中谷宇吉郎氏は世界で初めて雪の人工結晶を作られた方で、これらの文章は戦前に書かれた物です。

筆者は、10年ほど大阪府枚方市に住んでいましたが、枚方では霜は見ても霜柱は見たことがありませんでした。2年ほど前から横浜市青葉区に住んでいますが、冬の寒い朝は霜柱が出来ており、何か懐かしいものを見たような思いでした。また、そこには小さな足跡が付いていたり、2本の白い筋が出来ているのを見ることがあります。学校に行く途中の子供たちによるものでしょう。今も昔も変わらないなと思いました。


https://www.nissei-web.co.jp/blog/fun-amenonakama  【霧・霞・靄・露・霜…全て雨の仲間!】 より

「大気水象」という言葉をご存知でしょうか?…と書いてる本人も知らなかった言葉ですが(笑)“水”が主役になっている大気現象のことをいうそうです。

正式に大気水象と気象観測されている現象は、雨、着氷性の雨、霧雨(きりさめ)、着氷性の霧雨、露(つゆ)、雹(ひょう)、霙(みぞれ)、雪、霧、 霞(かすみ)、吹雪(ふぶき)、霜柱(しもばしら)、樹氷(じゅひょう)…などなど。

なんと33種類もあるんだそうですよ。

で、それらの全てが雨の仲間!

一言で「雨」といっても、その様相はとっても多岐にわたってるんですね。

雨豆知識

さてさて、それらをちょっと詳しく見てみると…

「霧」は地上付近に細かい水の粒が漂っているもので、本質的には「雲」と同じ。

視界が1km未満の場合は「霧」で、1km以上のものは「靄(もや)」。

日本の歳時記的には「霧」は秋の季語で、春の霧を「霞」、春の夜霧を「朧(おぼろ)」と使い分けています。

「露」は空気中の水蒸気が地表にあるものの表面で凝結した水滴。

「霜」は気温が氷点下になって水蒸気が一気に氷になってしまう現象。

「雹」は直径5mm以上の氷の粒。

ちなみに直径5mm以下の氷の粒は「霰(あられ)」といいます。

「霙」は雨まじりの雪のこと。

雨豆知識

“水”は大気中で液体(いわゆる一般的な水)・気体(水蒸気や雲など)・固体(雪や氷)の3つに変化しながら地球上に存在しています。

“水”は地球上にたくさんあるように感じるけど。そのうちのほとんどが海水や南極・北極の氷など、生活に使いたくても使えない水。

地球上に存在する水の総量のうち、私たちが使える真水はたった0.01%しかないんだそうですしかも水の総量は、液体・気体・固体に形を変えていたとしても常に同じ量植物が芽を出すように新しい“水”が生まれることはなくて。

今、自分たちが使っている水は、自然の営みの中でリサイクルされたものだったりする。

“真水”である大気水象(=雨の仲間)は、全て“生物が生きるために使える水が姿を変えているもの”そう考えると…

日本人が大気水象に関心を持って、大事に思って、33種類も細かく見分けて分類がされたのもなんとなくうなずけますよね。





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