佐久奈太理(さくなだり)に落ちたぎつ 早川の瀬

https://ameblo.jp/susanoko0827/entry-12039634622.html  【闇に葬られた神々】より

大祓詞(おおはらえのことば)には祓戸(はらえど)大神という四柱の神々が登場する。

大祓詞の中で祓戸大神は

高山の末 低山(ひき)の末より佐久奈太理(さくなだり)に落ちたぎつ 早川の瀬に坐(ま)す瀬織津姫(せおりつひめ)という神 大海原に持ち出でなむ

かく持ち出でいなば 荒潮(あらしお)の 潮の八百道(やおじ)の八潮道(やしおじ)の 潮の八百会(やおあい)に坐す 速開津姫(はやあきつひめ)という神 もち加加(かか)呑みてむ

かく加加呑みてば 息吹戸(いぶきど)に坐す 息吹戸主(いぶきどぬし)という神 根の国底の国に息吹放ちてむ

かく息吹放ちてば根の国底の国に坐す速佐須良姫姫(はやさすらひめ)という神 持ちさすらい失いてむ

かくさすらい失いてば 罪という罪はあらじと

・・・と記されている。すなわち瀬織津姫、速開都姫、息吹戸主、速佐須良姫の四柱の神を祓戸大神と総称している。この四柱の神々は記紀には登場しない。

しかしホツマツタヱにはこれらの神々が登場する。

まず祓戸大神第一の瀬織津姫は男神アマテル神の内宮(うちみや※世継ぎの御子を生んだ后のこと。后の最高位)である。

瀬織津姫はとても素直で聡明な女性だったようでアマテル神が自ら階(きざはし)を降りて瀬織津姫の手を取り、内宮に迎え入れたことからアマサガルヒニムカツ(天下がる日に向かつ)姫と称された。またアマテル神がサクナダリ(※『さくなだり』とは勢いよく下る様)に階を降りて姫を迎えたことからサクナダリセオリツ姫ホノコ(※ホノコはセオリツ姫の斎名)と修辞された。

祓戸大神第二の速開都姫は男神アマテル神の12人いた后のうち西の局のスケ(※内宮を除くと最高位の后)であった。速開都姫はシホノヤモアヒコ(潮の八百会子)と修辞された女性で災禍や穢れ、呪い等を人間の代わりに受ける赤子をかたどった人形アマガツ(天形)を発明した神である。

祓戸大神第三の息吹戸主はアマテル神の弟ツキヨミ尊の子である。息吹戸主は武勇に秀でた神で、アマテル神の御世に六ハタレ(※ハタレとは邪霊に憑かれて人の道から外れた者、もしくは邪霊そのもの)が反乱を起こした際にそのうちの二ハタレを討伐する武功を立てた。

そしてハタレ魔九千とハタレに煽動された九万の民の誓いのヲシテを埋めたタカノ山(高野山)で化け物が出た際、タカノ山に宮を建てたところ化け物が出なくなった功によりアマテル神からタカノ守(かみ)の守名を賜った

また叔父のソサノヲ尊と共に大罪人のシラヒトとコクミ及びその一味を討伐した功によりアマテル神からヤマタ県(讃岐)を褒美に賜り、阿波のイブキ守の守名を賜った。

このように息吹戸主はアマテル神に重用されたが、なぜかヤマトタケ尊の時代には伊吹山の荒神に落ちぶれてしまった。ヤマトタケ尊は息吹戸主の祟りにより病気となったことが原因で命を落とした。

祓戸大神第四の速佐須良姫とはおそらく元アマテル神の北の局マス姫モチコとコマス姫ハヤコの姉妹を指しているのだろう。

モチコ・ハヤコ姉妹は元々アマテル神の后であったがアマテル神がセオリツ姫を寵愛されたことからセオリツ姫を深く恨み、後に二人ともオロチとなって反乱を起こした。しかし妹コマス姫モチコが変じたヤマタノオロチはソサノヲ尊によって斬られ、姉マス姫モチコが変じたコカシラノオロチ(九頭大蛇)は津軽でシマツウシに斬られ、命からがら逃げ延びるも信濃でトガクシに霊断(たまだ)ちされた。

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ヤマタノオロチ

以上のように記紀には登場しない祓戸大神がホツマツタヱには登場するのである。

祓戸大神はなぜ記紀には登場せず闇に葬られてしまったのだろう。それは記紀が本来男神であるアマテル神を女神としてしまったためにその后たちを登場させると矛盾が起きてしまうことや息吹戸主が荒ぶる神となってしまったことから隠さざるを得なくなったのではないだろうか。

しかしどんなに隠そうとしても神の御稜威(みいづ)は隠し通せない。

このように闇に葬られた神々に光が当たり、御復権されることを心から願っている。

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