https://www.worldtimes.co.jp/photonews/58525.html 【】
ホーム > フォト > 伊藤若冲の傑作「孔雀鳳凰図」を発見
伊藤若冲の傑作「孔雀鳳凰図」を発見
江戸時代中期に京都で活動した画家、83年ぶり幻の花鳥画発見
長く所在不明だった伊藤若冲の「孔雀鳳凰(くじゃくほうおう)図」=岡田美術館蔵
江戸時代中期に京都で活動した画家・伊藤若冲(1716~1800年)の花鳥画で、長く所在不明だった「孔雀鳳凰(くじゃくほうおう)図」が83年ぶりに発見されたことが14日分かった。最高傑作「動植綵絵(さいえ)」30幅の直前に制作したとみられ、今後の研究に影響を与えそうだ。
所蔵する岡田美術館(神奈川県箱根町)によると、作品は一対の掛け軸の形で各縦140・8センチ、横82・6センチ。絹地に極彩色で、松やぼたんを背景にした孔雀図と、同じく松や日輪を伴った鳳凰図から成る。
小林忠館長は「素直で若々しい描写で、初期の作品と『動植綵絵』をつなぎ、若冲の成長がより見えるようになった」と話す。
1926年、美術誌「国華」に白黒図版で紹介され、33年に国の重要美術品となったが、その後所在不明に。昨夏、同美術館が東京都内で発見し、小林館長や若冲研究の第一人者、辻惟雄東大名誉教授が真筆と鑑定した。
作品は4月22日から東京都美術館で開催される「生誕300年記念 若冲展」で公開予定。
https://www.fashion-press.net/news/24124 【展覧会「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」が箱根で、「孔雀鳳凰図」など計40点を展示】 より
展覧会「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」が箱根・岡田美術館にて2016年9月5日(月)から12月18日(日)まで開催される。
「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」は、江戸時代の中期に活躍した伊藤若冲と与謝蕪村の生誕300年を祝う特別展。鮮やかな色使い、緻密な描写を得意とした若冲。俳人ならではの詩情豊かな山水人物画を得意とした蕪村。本展では、約40作品の展示を行う。
見どころは、東京都美術館で開催された若冲展において初公開された「孔雀鳳凰図」。昭和8年、重要美術品に認定されたのち行方が知れず、83年ぶりに発見されて話題となった。富貴の花とされる牡丹に囲まれて岩上に立つ白い孔雀と、翼を広げ旭日を見上げる鳳凰が描かれている。
着色の艶やかな花鳥画や、墨の濃淡、にじみや擦れ、筆致の変化を生かし、ユーモアも盛り込んだ作風の水墨画など、当館が収蔵する若冲の作品すべてを一堂に展示。蕪村の作品は、いずれも中国の画題を扱ったみずみずしい画帖や掛け軸などの作品4点を揃える。当時の中国文化への憧憬を色濃く示し、俳句だけではない蕪村の魅力を伝える。
また、2人が活躍した時代の京都画壇の画家たちである、円山応挙、池大雅、長沢蘆雪、曾我蕭白などの作品を写実・写意・奇想の3つのテーマで紹介する。当時は絵画史上「旧風刷新」の時代と称され、個性的な画家たちを輩出し、伝統や格式を超えた新しい画風の作品が生み出された。それぞれが独自の画風を確立し、今もなお近世絵画史に名を残す彼らの作品に触れてみてはいかがだろうか。
なお、ミュージアムショップでは「若冲孔雀鳳凰図チョコレート」を10月1日(土)より発売。83年ぶりに再発見され話題となった伊藤若冲の「孔雀鳳凰図」の世界観を、優美な色彩で表現している。フレーバーは、ミックスベリー×ピスタチオ、クリームチーズ×小豆など。和と洋の食材を使った新感覚の味わいだ。なお、価格は税込みで2,600円となっている。
https://www.museum.or.jp/report/589 【生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村】より
1716年、江戸では将軍が7代家継から8代吉宗に、元号が正徳から享保に変わったこの年に、京都と大阪でふたりの天才絵師が生まれました。今年は数えでちょうど生誕300年、代表作・新出作を揃えた展覧会です。
尾形光琳が亡くなった年でもある1716年。江戸画壇にとってはターニングポイントの年ともいえます。
伊藤若冲は、京都の青物問屋生まれ。いつから絵を習いはじめたのかはっきりしませんが、40歳で隠居してからは制作に没頭しました。
対する与謝蕪村は、摂津(大阪)の農家生まれ。江戸で俳諧を学び、いったん僧侶に(後に還俗しました)。36歳以降には本格的に絵を描きはじめています。
展覧会のメインはもちろん若冲と蕪村の作品ですが、この時代の日本美術を語る上で、中国絵画からの影響を外す事はできません。若冲は元明代の中国絵画に学び、蕪村もまた明清代の中国絵画を意識していたようです。
1731年には清から沈銓(沈南蘋)が渡来。ふたりが16~17歳の時に長崎に滞在した沈銓は、精緻で華麗な彩色画を描き、硬直化していた江戸時代の画壇に新風を吹き込みました。
宝暦年間に描かれたふたりの作品からは、沈南蘋からの影響も明らか。会場には中国・朝鮮画や、同時代の長崎派の絵画も並びます。
第5章「中国・挑戦絵画からの影響」
展覧会の目玉といえるのが、伊藤若冲《象と鯨図屛風》。吹き抜けホールに展示されています。陸の王者と海の王者を、大胆なフォルムで描いた作品です。隣の与謝蕪村《山水図屛風》とともにMIHO MUSEUMの所蔵。前者は2009年、後者は2008年に同館で初公開されましたが、東京には初お目見えとなります。
蕪村は晩年に若冲が住む京都・四条烏丸に転居。かなり近くに住んでいたものの、今のところ二人が直接交わった記録は見つかっていません。ただ、池大雅や丸山応挙など共通の知人がいたため、なんらかの交流はあったのかもしれません。
晩年になっても力強く制作を続けたふたり。若冲は「米斗翁」、蕪村は「夜半翁」「謝寅」という画号を用い、充実した作品を数多く残しています。
蕪村は1784年、68歳で死去。若冲は1800年、85歳で死去。蕪村は45歳頃結婚して一人娘をもうけましたが、若冲は生涯独身でした。
第7章「翁の時代」
会期が細かく6期に分かれている本展。《象と鯨図屛風》は全期間展示ですが他は大きく変わりますので、公式サイトでご確認の上、お出かけください。
0コメント