菌類の特徴

https://information-station.xyz/8554.html 【子嚢菌類と担子菌類の違いとは?キノコ(子実体)を形成する菌類の特徴と形状の違いと両者に分類される代表的なキノコの種類】より

前回書いたように、狭義における菌類である真菌類に分類される生物は、生物学においては、一般的に、ツボカビ門・接合菌門・子嚢菌門・担子菌門と呼ばれる四つのグループへと区分されることになりますが、こうした菌類の四つのグループの内、菌糸が密に集まることによって形成されるより大規模で複雑な構造を持った胞子形成を行うための組織である子実体、日常的な言葉ではキノコと呼ばれる生物体を形成する菌類の種類は、そのほとんどが、

子嚢菌門(子嚢菌類)と担子菌門(担子菌類)という後半の二つのグループのどちらかに分類されることになります。

それでは、こうしたキノコ(子実体)を形成する菌類のグループである子嚢菌類と担子菌類の両者には、具体的にどのような特徴の違いがあり、それぞれの菌類のグループには具体的にどのような種類のキノコが分類されると考えられることになるのでしょうか?

子嚢菌類と担子菌類の違いとは?

前回も書いたように、子嚢菌類と担子菌類の両者を区別する最も主要な特徴の違いとしては、子嚢菌門に分類される菌類は、胞子形成を行う際に、子嚢(しのう)と呼ばれる微小な袋状の組織が形成され、そうした子嚢と呼ばれる組織の内部に一つの子嚢につき8個の子嚢胞子が形成されることによって繁殖が行われるのに対して、担子菌門に分類される菌類は、胞子形成を行う際に、担子器(たんしき)と呼ばれる楕円形の形状した細胞が形成され、そうした担子器と呼ばれる細胞の外側に一つの担子器につき4個の担子胞子が形成されることによって繁殖が行われていくという点が挙げられることになります。

そして、こうした子嚢菌類と担子菌類と呼ばれる両者のグループにおいては、胞子形成のあり方だけではなく、それぞれのグループに所属する菌類において形成されるキノコ(子実体)の形状などにも大きな違いが見られることになるのですが、

両者のグループそれぞれにおいて形成されるキノコの形状の違いと、それぞれに分類される代表的なキノコの種類についてまとめると以上のようになります。

子嚢菌類のキノコ(子実体)の形状と分類される代表的なキノコの種類

まず、子嚢菌類に属する菌類がキノコ(子実体)を形成する場合には、一般的に、子実体の表面に中心がくぼんだお椀やお盆のような形をした子嚢盤と呼ばれる組織が形成される場合が多く、例えば、子嚢菌類に分類されるキノコの代表的な種類の一つであるチャワンタケ(茶碗茸)は、その名の通り茶碗状の形状をした子実体を形成し、同じく子嚢菌類に分類されるキノコの代表的な種類であるゴムタケは、ゴムのような弾力を持った子実体がはじめは球形の状態から、成熟するとお椀状の形態へと変化していくことになります。

また、子嚢菌類のキノコの一種であるアミガサタケ(編笠茸)の場合には、そうした中心がくぼんだお椀状の構造が卵型の形状をした子実体の表面に無数に形成されることによって、子実体の全面に網目状のくぼみが形成される独特の形状が形づくられることになります。

その他、子嚢菌類に分類されるキノコには、高級食材で有名なトリュフ(セイヨウショウロ、西洋松露)などのように、地下に子実体が形成されるタイプもあり、こうした地下に子実体が形成されるタイプのキノコは、ジャガイモやショウガの地下茎のように、総じて球形に近い塊状の形状をしている場合が多いと考えられることになります。

担子菌類のキノコ(子実体)の形状と分類される代表的なキノコの種類

それに対して、担子菌類に属する菌類が形成するキノコ(子実体)の形状は、一般的なキノコのイメージに近い傘状の形態をしている場合が多く、そうしたキノコの傘の裏面に担子器が形成されることによって胞子形成が進められていくことになります。

こうした担子菌類に分類される傘状の形状をしたキノコの代表的な種類としては、マツタケ(松茸)や、シイタケ(椎茸)、ヒラタケ(平茸)、ホンシメジ、ブナシメジといった食用としてお馴染みのキノコの種類が数多く挙げられることになりますが、

その一方で、ベニテングタケや、タマゴテングタケ、ドクツルタケ、ドクフウセンタケ、ニガクリタケ、クリイロカラカサタケ、ドクキツネノカラカサ、ドクヤマドリといった多くの毒キノコの種類もこうした傘状の形状をした担子菌類のキノコに分類されることになります。

また、担子菌類のキノコには、サルノコシカケ(猿の腰掛)やカワラタケ(瓦茸)のように硬質で扇形の形状をした子実体を形成するようなタイプや、キクラゲのように、軟質でひだの多い子実体を形成するタイプもあるほか、ホコリタケやスッポンタケのように球形の子実体を形成するタイプ、あるいは、ショウロ(松露)などのように、地下に塊状の形状の子実体を形成するタイプといった極めて多様な形状をもったキノコの種類が含まれることになります。

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以上のように、

キノコ(子実体)を形成する菌類のグループである子嚢菌類と担子菌類の具体的な特徴の違いと、それぞれのグループにおいて形成されるキノコの形状の違いとしては、子嚢菌門に分類される菌類は、胞子形成を行う際に、子嚢(しのう)と呼ばれる微小な袋状の組織の内に通常の場合一つの子嚢につき8個の子嚢胞子を形成し、形成するキノコ(子実体)の形状は、お椀状の形態や、そうしたお椀状の構造が複数集まった網目状のくぼみやひだがあるような独特の形状をしている場合が多いほか、地下に塊状の形態をしたキノコを形成する場合もあるのに対して、担子菌類に分類される菌類は、胞子形成を行う際に、担子器(たんしき)と呼ばれる楕円形の細胞の外側に一つの担子器につき4個の担子胞子を形成し、形成するキノコ(子実体)の形状は、傘状の形状をしている場合が多いほか、硬質で扇形の形状をしたタイプや、軟質でひだの多い形状をしたタイプ、球形のタイプ、地下に塊状の形状をしたキノコを形成するタイプなどがあります。

そして、こうした子嚢菌類と担子菌類のそれぞれに分類される代表的なキノコの種類としては、子嚢菌類のキノコについては、お椀状の形態をしたチャワンタケ、ゴムタケ、網目状のくぼみがあるアミガサタケ、地下で塊状の形状をしたトリュフ(セイヨウショウロ)といったキノコの種類を挙げることができるのに対して、担子菌類のキノコについては、傘状の形状をした食用キノコとしては、マツタケ、シイタケ、ヒラタケ、ホンシメジ、ブナシメジといった種類が、傘状の形状をした毒キノコとしては、ベニテングタケ、タマゴテングタケ、ドクツルタケ、ドクフウセンタケ、ニガクリタケ、クリイロカラカサタケ、ドクキツネノカラカサ、ドクヤマドリといった種類が挙げられるほか、硬質で扇形の形状をしたサルノコシカケ、カワラタケ、軟質でひだの多い形状をしたキクラゲ、球形の形状をしたホコリタケ、スッポンタケ、地下で塊状の形状をしたショウロといったキノコの種類を挙げることができると考えられることになるのです。


https://information-station.xyz/8559.html  【カビとキノコの違いとは?両者における菌糸の構造とコロニーと組織体という集合体の形成のされ方の違い】より

「菌類の四つの分類」の記事で書いたように、カビやキノコといった生物の一群が区分される生物学的な分類としての菌類は、大きく分けて、ツボカビ類(鞭毛菌類)・接合菌類・子嚢菌類・担子菌類と呼ばれる四つのグループへと区分することができると考えられ、上記の四つのグループのいずれに属する菌類においてもカビと呼ばれる菌類の集まりは形成されることになるのですが、それに対して、前回書いたように、通常の場合、キノコと呼ばれる組織体が形成されるのは子嚢菌類と担子菌類という後半の二つのグループのみに限定されると考えられることになります。

それでは、こうしたカビとキノコといった菌類のあり方には、具体的にどのような特徴の違いがあると考えられることになるのでしょうか?

カビとキノコの違いとは?菌糸の構造と集合体の形成のされ方の違い

菌類に分類される生物は、多くの場合、生殖細胞の一種である胞子から発芽したのち、菌糸(きんし)と呼ばれる糸状の形状をした細胞列を形成し、

こうした菌糸と呼ばれる細胞列が互いに分岐と結合を繰り返していくことによって成長していくと考えられることになります。

そして、こうした菌糸と呼ばれる同質的な構造を持った個々の細胞列が、互いに連携を保ちながら、平面的にまんべんなく広がっていく形で成長していくと、やがて、人間の肉眼でも見ることができるようなコロニーと呼ばれる一種の細胞集団や群体のようなものを形成することになるのですが、一般的には、こうした菌類に分類される生物がつくり出す菌糸と呼ばれる細胞列の集団やコロニーのことを指して、カビという言葉が用いられていると考えられることになります。

そして、こうした菌糸と呼ばれる細胞列の集団が、次の世代の生物体の源となる新たな胞子を形成するために、さらに密に集合して、平面的にだけではなく、立体的にも厚みを持つ形で成長していくと、やがて、そうした胞子形成という一つの目的に特化した菌糸の集合体からは、傘状や、円盤状、球形や扇形といった様々な形状をした複雑で大規模な構造を持った組織が形成されていくことになります。

そして、一般的には、こうした胞子形成を目的として複雑な構造へと特化していく形で成長した塊状の組織のことを指して、生物学的には子実体(しじつたい)、日常的な表現としてはキノコ(茸)という言葉が用いられることになると考えられることになるのです。

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以上のように、菌類に分類される生物は、基本的に、生殖細胞の一種である胞子から発芽したのちに、菌糸(きんし)と呼ばれる糸状の細胞列を形成していくことになり、こうした菌糸と呼ばれる個々の細胞列が互いに同質的な状態を保ったまま平面的にまんべんなく広がっていく場合には、カビと呼ばれることになり、それに対して、菌糸の集合体が胞子形成という一つの目的のために特化して、より密に集合し、立体的な厚みも持った複雑で大規模な構造へと発展していく場合には、キノコ(子実体)と呼ばれるようになると考えられることになります。

つまり、一言でいうと、カビとキノコと呼ばれるそれぞれの菌類のあり方の具体的な特徴の違いとしては、カビの場合は、菌糸の数が増えて、肉眼でもその存在を確認できる状態にまで大きく増殖した場合でも、それは、一つ一つが同質的な構造を持った個々の菌糸の寄せ集めであるコロニー(群体)を形成するに過ぎないのに対して、キノコの場合には、そうした菌糸の集まりが胞子形成という一つの目的のために特化して成長していことによって、一つの組織立った集合体を形成するという点に、両者の具体的な特徴の違いがあると考えられることになるのです。