菌類の四つの分類とは?ツボカビ門・接合菌門・子嚢菌門・担子菌門の特徴の違いとそれぞれに分類される菌類の具体的な種類

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前回書いたように、広義における菌類には、キノコやカビ、酵母といった真菌類に分類される生物の他に、細菌や粘菌なども含まれることになりますが、生物学的な定義に基づくと、こうした広義における菌類から細菌や粘菌といった生物の種類を除外した狭義における菌類は、大きく分けて、さらに、ツボカビ門・接合菌門・子嚢菌門・担子菌門と呼ばれる四つのグループへと分類することができると考えられることになります。

それでは、こうしたツボカビ門・接合菌門・子嚢菌門・担子菌門という菌類の四つのグループのそれぞれには、互いにどのような特徴の違いがあり、それぞれの菌類のグループには、具体的にどのような種類のキノコやカビが分類されると考えられることになるのでしょうか?

ツボカビ門に分類される菌類の特徴と分類される具体的な菌類の種類

冒頭で述べたように、一般的に、生物学においては、菌類と呼ばれる生物のグループは、さらに、ツボカビ門・接合菌門(せつごうきんもん)・子嚢菌門(しのうきんもん)・担子菌門(たんしきんもん)という四つの下位区分となるグループへと分けることができると考えられることになるのですが、まず、こうした菌類の四つのグループのうち、はじめに挙げたツボカビ門に分類される菌類の特徴としては、胞子を形成する際に、鞭毛と呼ばれる水中などで遊泳運動を行うことができる小器官を持った胞子である遊走子を形成することによって繁殖が行われるという点が挙げられることになります。

そして、こうしたツボカビ門に分類される菌類の具体的な種類としては、ツボカビや、フクロカビといったカビの種類や、ボウフラキンと呼ばれる蚊の幼虫であるボウフラに寄生し、その体内で増殖することによって宿主となったボウフラを成虫である蚊へと羽化する前に死に至らしめてしまう寄生菌の名なども挙げられることになります。

接合菌門に分類される菌類の特徴と分類される具体的な菌類の種類

それに対して、次に挙げた接合菌門に分類される菌類の特徴としては、胞子のうが形成される際に、二つの菌糸の先端が膨らんで両者が接合することによってできる接合胞子のうが形成されることによって有性生殖が行われる形で繁殖が進んでいくという点が挙げられることになります。

そして、こうした接合菌門に分類される菌類の具体的な種類としては、古くなったパンや餅などの食品に白いカビを生じさせることでお馴染みの最も一般的なカビの種類の一つであるケカビや、同じく一般的なカビの一種であり、菌糸がクモの巣状に伸びるのが特徴的なクモノスカビ、さらには、ハエに寄生し、体内に侵入して養分を奪い取ることによって、最終的に宿主の生命をも奪ってしまうハエカビといった寄生菌の名なども挙げられることになります。

子嚢菌門に分類される菌類の特徴と分類される具体的な菌類の種類

その次の子嚢菌門に分類される菌類の特徴としては、胞子を形成する際に、子嚢(しのう)と呼ばれる微小な袋状の組織が形成され、通常の場合、そうした子嚢と呼ばれる組織の内で一つの子嚢につき8個の子嚢胞子が形成されることによって繁殖が行われていくという点が挙げられることになります。

そして、こうした子嚢菌門に分類される菌類の具体的な種類としては、アルコール発酵を行うことから、酒の醸造やパンの製造などにも利用される酵母(酵母菌、イースト)や、世界で初めて発見された抗生物質であるペニシリンの原料となったことでも有名なアオカビ、麹(こうじ)として味噌や醤油などの醸造に用いられるコウジカビ、パンやトウモロコシなどの表面に生えて赤い色を発色するアカパンカビといったカビの種類、

さらには、アミガサタケや、高級食材として有名なトリュフなどの一部のキノコもこうした子嚢菌門あるいは子嚢菌類に分類される菌類として挙げられることになります。

担子菌門に分類される菌類の特徴と分類される具体的な菌類の種類

最後に、担子菌門に分類される菌類の特徴としては、胞子を形成する際に、菌糸の末端に担子器(たんしき)と呼ばれる細胞が形成され、そうした担子器と呼ばれる細胞の外側に一つの担子器につき4個の担子胞子が形成されることによって繁殖が行われていくという点が挙げられることになります。

そして、こうした担子菌門に分類される菌類の具体的な種類としては、サビキン(さび病菌)や、クロボキン(黒穂病菌)などの一部の植物寄生菌が分類されるほか、マツタケ(松茸)や、シイタケ(椎茸)、シメジ、キクラゲといった大部分のキノコがこうした担子菌門あるいは担子菌類に分類される菌類として挙げられることになります。

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以上のように、生物学においては、菌類と呼ばれる生物のグループは、一般的に、ツボカビ門・接合菌門・子嚢菌門・担子菌門と呼ばれる四つのグループへと分類されることになり、ツボカビ門に分類される菌類は、胞子を形成する際に、鞭毛を持った遊走子を形成するのに対して、接合菌門に分類される菌類は、二つの菌糸の接合することで接合胞子のうが形成されることによって繁殖が行われ、子嚢菌門に分類される菌類は、子嚢(しのう)と呼ばれる微小な袋状の組織の内に一つの子嚢につき8個の子嚢胞子が形成されることによって繁殖が行われ、担子菌門に分類される菌類は、担子器(たんしき)と呼ばれる微小な細胞の外に一つの担子器につき4個の担子胞子が形成されることによって繁殖が行われていくといった点に、それぞれの菌類のグループとしての特徴があると考えられることになります。

そして、こうした菌類の四つのグループのそれぞれに分類される菌類の具体的な種類としては、ツボカビ門には、ツボカビ、フクロカビ、ボウフラキンといったカビや寄生菌の種類、

接合菌門には、ケカビ、クモノスカビ、ハエカビといったカビや寄生菌の種類、子嚢菌門には、酵母と、アオカビ、コウジカビ、アカパンカビといったカビの種類と、アミガサタケやトリュフなどの一部のキノコの種類、担子菌門には、サビキン、クロボキンなどの一部の植物寄生菌と、マツタケ、シイタケ、シメジ、キクラゲといった大部分のキノコの種類がそれぞれ分類されることになると考えられることになるのです。