ツリフネソウ (釣船草)

https://plumkiw948.at.webry.info/201309/article_22.html 【ツリフネソウ (釣船草)】より

ツリフネソウ(釣船草)は、夏の終わりから秋にかけて咲く形の可愛らしい花である。

奥多摩の御岳渓谷沿いで咲いていた。

花の後の方は発条のように巻いていて、花の下部には斑点がある。まるでゆったりと水中を泳ぐ魚のようである。

ツリフネソウ(釣船草)の名前の由来は、細い柄にぶらさがっている花の姿を帆を上げた釣り船に見立てたとも、活け花で使う釣船型の花器に見立てたものだともいわれている。花の名前には実に面白いものが多いが、このツリフネソウも、命名者の想像力の豊かさを感じさせられる。ムラサキツリフネ(紫釣船)とも呼ばれる。

つりふねそう科ツリフネソウ(ホウセンカ)属の1年草で、学名は「Impatiens textori」である。 属名の「Impatiens(インパチエンス)」は、ラテン語の「impatient(我慢できない)」が語源で、「種子が熟すると勢いよくはじけ飛ぶ」ことからにちなみ、種名の「textori」は、採集家の「テックストル氏」の名前を意味している。

日本や朝鮮半島、中国、ロシア東南部の東アジアに分布し、日本では北海道や本州、四国、九州の低山から山地にかけて分布し、湿地や川流れの傍、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生している。キツリフネとともに群生していることも多い。

草丈は50cm~80cmほどで、茎は赤みを帯びていることが多く、やや肉質でツルツルしていて、真っ直ぐに直立してよく枝分かれしている。葉は葉柄があって、茎の節ごとに1枚ずつ方向を異にして互い違いに生える互生になっている。葉身は葉身は長楕円形(楕円形よりも細長く高さが幅より3~4倍くらいあるもの)~広披針形(細長く両端がとがり、中央より下が 一番幅が広い)で、先端は尖っている。キツリフネ(黄釣り船)より広披針形に近い傾向がある。縁に細い鋸の歯のような「ギザギザ」が斜め前方を向いてそろっている鋸歯がある。

画像開花時期は夏から秋(山地では 8月頃から、低地では9~10月ごろ)である。茎の先端部から細長い花序が伸び、そこに紅紫色で3~4cmほどの横長の花が釣り下がるように多数咲く。

近づいてよく見ると、3枚の花びらがあり、上側に1枚、下側に2枚ある。下側の花びらは大きくて左右に広がるような形となって、中を覗いてみると、紅紫色の斑点と黄色をぼかした模様がみえる。3枚の唇形の萼をもち、上側にある2枚の萼は小さく、下側にあるもう1枚の萼が大きく袋のようになっており、花びらを包んだ状態になっている。その袋の先は、尻尾のように細長く先は丸まり渦巻き状となっている。この尻尾のことを距といって、この距の中に甘い密が入っており、主にマルハナバチや大型のハナバチが、これを目当てに集まってきて、花粉を媒介する。

雄蕊は5本あるが、初めのころは葯(花粉のあるところ)がくっついていて、雌蕊を包んだような状態になっている。同じ花の中でも、雄の時期と雌の時期があって、先に雄蕊が成熟して雌蕊が成熟するころには、雄蕊はその役目を終える。このように成熟する時期をずらすことで、同じ花での受粉を避けていると考えられている。

果実の長さは1~2cm、熟すとちょっと触っただけで、果皮が5ツに裂けてクルクル蒔きになり、種子が勢いよく弾けて飛び散るように拡がる。属名のインパチェンス(Impatiens)は「忍耐しない」という意味で、ちょっとした刺激によって種が弾けてしまうところからきている。

目立たぬ花ながら、緑濃い草むらに点々とばらまかれたような紅紫色の花は色鮮やかだ。花筒を覗くと、入口は黄色い敷居になっていて、その奥は白地に赤紫の斑点を散らした華やかなインテリアで飾られている。

このツリフネソウ(釣船草)は全草が有毒で、中毒症状では吐き気などがある。塊根には、解毒作用があって、覇王七(はおうしち)と呼ばれて。細かく刻み酒に浸すか、摩り下ろして酢と混ぜて、腫れや膿を消す場合に患部に塗布する。打撲傷には、生の塊根を砕いて患部に塗布する。また、全草を野鳳仙(のほうせんか)と呼んでいる。 北海道のアイヌでは、利尿剤として用いたという。良く似たキツリフネ(黄釣船)は薬用にはならない。

和歌では晩夏から秋にかけての季語として詠まれる。山道を歩いていてこの花を見かけると、ああ、もう夏が終わって秋になりつつあるんだな、としみじみした気持にさせられる。

湿り気のある薮っぽい茂みの中に小さな花が群れ咲いているが、遠目に目立つような花ではない。うかうかすると見過ごしてしまうが、しかし近寄ってみるとなんともおもしろい、味わいのある形をしている。フグが大口を開けて小魚を待ち構えているようなおもしろい形の花が、細い花柄の先にちょこんと吊り下がっている。ツリフネソウ(釣船草)は何を考えてこんな形になったのだろうと不思議な気持になる。

マクロレンズを通して花をじっくり見ることによって、ツリフネソウ(釣船草)の美しさ、楽しさがよくわかった。

花言葉は心を休める、安楽、期待、詩的な愛、私に触らないでなどである。


https://blog.goo.ne.jp/kakan02/e/5fd5f98a8669af661af7ea8cb34a8879【俳句日記/高橋正子】

より

★水に触れ水に映りて蜻蛉飛ぶ  正子

秋の景色が進むにつれ空気が澄み渡り、色々な蜻蛉の飛び交う光景が増えて来ました。どんな蜻蛉でも水辺を好むようですが、時折水に触れ、またその姿が水に映り爽やかな秋のひとこまです。「水に触れ水に映る」との繰り返しが清澄なる効果をあげ、秀逸な一句です。(桑本栄太郎)

○今日の俳句

新駅の高架工事や稲の花/桑本栄太郎

新駅は田園の中に建てられ、高架工事が進んでいる。おりしも田んぼには稲の花が咲き、暑さのなかにも秋の気配が漂う。開発が自然を押しやって進んでいるのも現代の景色だ。(高橋正子)

●<涼しい。近所のマンション3棟が解体され更地になっているので、秋風が見えるよう。>これは、去年の9月2日。新しくマンションの建設が始まってい入る。

きのう、日吉東急のFORMAで、ドイツの水彩画となる色鉛筆を句美子の誕生日のプレゼントに買った。去年は、元希にシュトックマイヤーの絵の具を買っている。毎年同じようなことをしているではないか。秋風が立つと絵心が動く。でも、私は、描かない。することが無くなったら絵と音楽を楽しもう。以前、美大を卒業された方から、画に詳しいですね、というメールをいただいた。これは、嬉しい。ごく最近は、シューベルトがいいと思う。音楽に詳しいとは絶対言われないだろうけれど。

夕べ、信之先生の角川年鑑「諸家自選5句」投稿用に、句を整理した。今朝、自選5句を投函。「諸家」は640人ほどおられるが、選ぶ基準がなんなのかな。

昨日の続きで角川年鑑の結社動向の原稿を執筆中。一人一句9名の句を選ぶのが、結構な作業で能率があがらない。それぞれの1年分の発表句から選ぶ。閉め切りは9月4日。

釣舟草(ツリフネソウ)

[釣舟草/東京白金台・国立自然教育園]  [黄釣舟(キツリフネ)/横浜・四季の森公園]

★日おもてに釣船草の帆の静か/上田日差子

★無事祈る小さき岬宮釣舟草 千恵子

★釣舟草琵琶湖の風の吹くままに 善清

★川せせらぐに黄釣舟草の黄がまぶし/高橋信之

★釣船草秋風吹けば走るかに/高橋正子

 ツリフネソウ(釣船草、吊舟草、学名: Impatiens textori)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草である。ムラサキツリフネ(紫釣船)とも呼ばれる[3]。

東アジア(日本、朝鮮半島、中国、ロシア東南部)に分布する。日本では北海道・本州・四国・九州の低山から山地にかけて分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生する。キツリフネとともに群生していることも多い。日本には同属では、ハガクレツリフネも生育している。草丈は、40-80 cmほどに生長する。葉は鋸歯(縁がギザギザになる)で、楕円形から広披針形、キツリフネより広披針形に近い傾向がある。花期は夏から秋(山地では 8月頃から、低地では 9-10月)。茎の先端部から細長い花序が伸び、そこに赤紫色で3-4 cmほどの横長の花が釣り下がるように多数咲く。稀に白い色の花がある。花弁状の3個の萼と唇形の3個の花弁をもち、距が長く筒状になっている。下の花弁の2個が大きく、雄しべが5個。その花が帆掛け船を釣り下げたような形をしていることや花器の釣舟に似ていることが名前の由来と考えられている。花の形はキツリフネに似るが、色が赤紫色であることと、花の後ろに伸びる距の先端が渦巻き状に巻くこと本種の特徴である。なお一般にツリフネソウ属の花は葉の下に咲くが、本種はその例外である。大きく深い花がたくさん咲き距の部分に蜜がたまり、主にマルハナバチなど大型のハナバチや、ツリアブ類などが好んで集まり、花粉を媒介する。

種子が熟すと、ホウセンカなどと同様に弾けて飛び散るように拡がる。

 キツリフネ(黄釣船、学名: Impatiens noli-tangere)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草である。その黄色い花と、後ろに伸びる距の先が巻かずに垂れることが、ツリフネソウとの明確な相違点である。

◇生活する花たち「女郎花・葛の花・萩」(四季の森公園)

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