Facebook・黛まどかさん投稿記事✨新連載「蕪村を読み解く」✨
【京都新聞】朝刊~古典に親しむ~
本日4/2より毎週月曜日、新連載がスタートしました!与謝蕪村の生涯や生きた時代などを探りながら、作品の魅力を紹介してゆきます。
連載開始にあたり訪ねた蕪村のふるさと大阪市都島区毛馬には、「春風馬堤曲」や多くの句に詠んだ淀川の風景が広がっていました。毛馬から京都へ向かう途中、車を降りて菜の花の咲く堤に上がってみると、目の前に白い夕月、そして振り返ると同じ高さに落日がありました。「菜の花や月は東に日は西に」
蕪村の見た風景に、胸がいっぱいになり、しばし立ち尽くしました。
連載は半年間、9月末までです。
http://blog.livedoor.jp/takayan1223/archives/53352853.html 【京都新聞連載『黛まどか「蕪村を読み解く」』⑮佳き友】 より
見出しは<動かぬ言葉を厳選 緊迫の一瞬を切り取る>。
見出しは「再会喜び一瞬に別れ迫る丹後の夏」
記事に出てくる「三俳僧図」と「風竹図屏風」は次のとおり。
最初の掲句「水桶にうなづきあふや瓜茄子」を高橋治は「蕪村春秋」ではどのように評しているだろうか。「水桶にうなづきあふや瓜茄」と表記されている。『互いのうなずき合いを水の落ち口の瓜茄にたとえ、いかにもありそうで、しかもさりげない。だが、水は時間、桶は世間、野菜は人の行為ととると、急に意味が深まり、色即是空の虚無感さえ読みとれる。それが蕪村なのだ』
「みじか夜や六里の松に更たらず」と「秋かぜのうごかして行く案山子哉」の句は「蕪村春秋」に所収されておらず残念である。
http://blog.livedoor.jp/takayan1223/archives/53360108.html 【京都新聞連載『黛まどか「蕪村を読み解く」』㉔瞬間の物語】 より
見出しは<動かぬ言葉を厳選 緊迫の一瞬を切り取る>。
明和5年(1768)の夏以降、蕪村の俳句は目を瞠るものがあり、名句はさらに名句を生んで行った、と黛はいう。
さて、いつものように、高橋治は「蕪村春秋」でどう解説しているであろうか。
まず、第一句目、<鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分哉>。
白河上皇は鳥羽殿において院政を始めた。『歴史的には古代が中世に移る変革期で、鳥羽殿の一語が漠然としたその時代の不安定な感じを読む者に伝える。蕪村の狙いはそこにあるような気がする。(中略)嵐をついての武装五、六騎、なにごとかと思わせる巧みさが凄い。』
第二句目、<宿かせと刀投げ出す雪吹哉>。
高橋は子供の頃に凄まじい光景を詠んだ句だと思ったという。『長じて、どこが子供にも鮮烈なイメージを与えるかと考え、はたと気づいたことがある。動きが一瞬止まるのだ。今風にいえば、ストップ・モーションの効果である。それも転がりこんで来た武士の方ではない。蕪村がひと言も触れていない家の人々の、凍りついたような表情と動きが眼に浮かぶ。投げ出した刀は、武士からすれば他意はないとの意思表示かも知れないが、物が物だけに投げられた方は閉口する。外は猛吹雪。動くに動けない人々にその音が襲いかかる。趣向としてはケレン味たっぷりの句ながら、見事に成功している。』
なお、蕪村の句に「宿かさぬ村あはれなる野分哉」、「妻も子も寺で物くふ野分かな」がある
安倍殿へ五六騎いそいそ総裁選 (詠み人知らず)
五六は「五十六」か?
関空へ五六機いそぐ野分哉 (詠み人知らず)
台風襲来直前に何機が関空に着陸したものの、乗客は空港から出られず、、、。
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