石榴(ざくろ)歳時記

http://kigosai.sub.jp/001/archives/8967  【石榴(ざくろ) 仲秋】

【子季語】柘榴/実石榴

【解説】

中央アジア原産の落葉高木。秋に結実。ごつごつした硬い果皮を割れば、濃紅のみずみずしい小さな実が宝石のように詰まっている。鑑賞用、食用、薬用に利用される。甘酸っぱく、ほのかな苦みがある。

【例句】

玉と見て蜂の台よ割石榴      来山「続今宮草」

さと割らは迸りけりざくろの実   嘯山「葎亭句集」

石榴くふ女かしこうほどきけり   太祗「太祇句選」

若長が机のうへのざくろかな    蕪村「夜半叟句集」


http://www.haisi.com/saijiki/zakuro1.htm  【歳時記】

柘 榴 1     99句

露人ワシコフ叫びて柘榴打ち落す 西東三鬼  

ま二つに割れてこぼれず石榴の実 鷹羽狩行   石榴の実雨空に垂る阿弥陀仏 皆川盤水

石榴はじけてあなたなら濃い口紅  能城檀   積怨をかたちにすれば割柘榴 中原道夫

柘榴爆ぜ一日寝屋にをりしかな 堀江かつみ てのひらに載る気でゐたる石榴の実飯塚ゑ子

ゲームセットはきつとこの色実石榴酒 須山つとむ 日輪は裂けぬ石榴の中にあり桐木榮子

青空はまじめで困る石榴の実 坪内稔典   実ざくろや疎水暗渠に入るところ 大山文子

石榴赤し西域余聞読み居るに 松崎鉄之介  末寺にも経たる月日の石榴の実  藤井昌治

噛めば口中にしぶきて石榴の実 鷹羽狩行  実柘榴や黒を流行りの色とせる  宮津昭彦

譬ふれば実石榴の裂け遠き日を  鈴鹿仁  血統のいづくに濁る柘榴かな   中原道夫

石榴熟る駐在所には嫁がきて  林田加杜子  石榴裂く異教徒の語は疎まし  金子兜太

羅馬字の古きノートや石榴割る  肥后潤子  また迷路盛らる柘榴の案内せり 横尾桂子

皿におく呵々大笑の石榴かな   豊田都峰  実石榴や鳩の啼きゐる法の山  河合朋子

石榴割る手の影を見詰めている 武馬久仁裕  少年の拾つてゆきし石榴かな  竹内悦子

いささかの厭世観も石榴食む  窪田佳津子  更年期騙されて食む石榴かな  桑原敏枝

孔雀明王四火臂が一つ石榴かな  平橋昌子  石榴割れそめてゐたりき象の山 平橋昌子

韃靼へ実石榴三つ提げゆけり  平橋昌子   実石榴を諸事に優先してをりぬ 堀義志郎

石榴割る記憶の端で待つように 内山いちえ  枝石榴出入りの人に乞はれたる 二瓶洋子

実をほぐす間も口中に石榴かな 二瓶洋子   鬼ケ島鬼の佛間に大柘榴   武智恭子

その腕に抱かれる闇は石榴ほどに わたなべじゅんこ

ざくろより乳呑児の夢ひろがりぬ 倉本マキ 柘榴咲く降らんばかりの真間の里中川二毫子

砂丘にて海の没日と石榴かな  岡井省二  実石榴や鈍き痛みと生きていく  河野志保

紅走る石榴拳のかたさ持つ  皆川盤水   柘榴食ふ膝にぼろぼろぼろぼろと 阿部寒林

いろいろな電車の響きざくろの実  石橋翠  半日は火を使ひをり石榴の実  竹内悦子

実ざくろやとうとう割れし留守の家 桑原敏枝  口裂けてなほ口固き石榴の実 杉本艸舟

夜の石榴化粧手早く落としけり 小林あつ子 ありがちな哀しみ提げて石榴の実 河野志保

石榴の実なほ胸襟を開かざる  山田弘子  石榴食みしだきて淋しからざるや 山田弘子

石榴爆ぜ一揆の興るべく起きし 密門令子   実柘榴や実しやかに不仲説  武田菜美

独りなり外国(とつくに)の石榴の真紅 金子皆子

よき旅をしたるおもひで石榴割れ 内田八千子 楊貴妃の好みしといふ石榴かな 宮原悦子

柘榴売りの子等寄り来る兵馬俑  林美智   子が竹の鞭にて石榴落しけり 竹内悦子

嫌ひとは口が裂けてもざくろの実 木戸渥子  父母の亡き生家跡石榴熟る 仲尾弥栄子

実石榴や欠けねばルビー婚なりし 品川鈴子 アトリエに残る画材の石榴なり 柳生千枝子

実ざくろや海中(わだなか)に石投げてをり 竹内悦子

くれなゐの泪こぼせり石榴の実 樋口英子  潰えたる古家石榴の口裂けて  若江千萱

恋ひとつ実石榴のごと置かれあり 水木沙羅  陪冢の俑とならびて石榴売  大林淳男

米国産きっと見てきたこの柘榴  桑原敏枝  実石榴の風に揺れゐる無人駅 大塚禎子

嶺仰ぐたびに峡路の柘榴の実  林友次郎

カンバスの黄昏るるかな石榴の実 若生まりあ

石榴裂けアラーは人を闘はす  堀内一郎  会席の終りに柘榴三粒ほど 須賀敏子

鈴生りの石榴天の邪鬼ゐて爆ぜず 中川濱子 瓔珞の鬼子母に爆ぜる柘榴寺 水島夜雨

関帝廟(しなでら)の石榴大きく一つつきり 元田千重

実柘榴のみごとな裂け目おそろしき宮脇ちづる

石榴の荷解くや黄土の埃なか 竹内喜代子 暗闇に大きな石榴置かれあり 谷口佳世子

実石榴や秘めごと多き友なりし 中原春代 実柘榴の笑ひ初めたる鬼子母神 関根洋子

四つ角に医院豆腐屋柘榴の実 北畠明子  実石榴が煤け残りて裸木なる 奥村鷹尾

石榴の実裂けて最も孤独なる 久保龍  虫食いの柘榴ばかりが残されて 柴田美佐子

受付に実石榴置かる俳画展 濱地恵理子  少年の指に石榴のとどかざる 鳥川昌実

実柘榴を留学生の手遊びに 森田子月  紙の上の石榴のつぶの赤き影 加藤みき

ざくろ裂けまこと歯並びよかりけり 宮原みさを

実石榴の映れる水の太古より 山尾玉藻 爆ぜるとき神の柘榴は火を零す 柴田久子

石榴割れるや純潔をもてあまし 志麻茜  石榴熟れ唐三彩を飾る宿 大橋克巳

柘榴割れ明日香まことに静かなり 泉田秋硯

ワシコフの落せし柘榴かも知れず 塩路隆子 生は死の入口石榴まつさかり 寺田千代子

葬りや石榴朝日の中にあり 高尾豊子  てつぺんに石榴割れゐる逢魔どき 當麻幸子

白紙に石榴置きたり盲縞  雨村敏子  取れそうな実石榴五つ線路際  竹中一花


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