香りの効果とは

https://www.mottainaihonpo.com/kaitori/contents/cat07/045-kaori-kouka.html  【【香りの効果とは】秘められた香りのパワー、どれを選ぶ?】  より

バラ、ラベンダー、金木犀やグレープフルーツ、コーヒー、スパイスなどの香り。誰でも自分の好きな香りってありますよね。実は香りには驚くような効果があるんです!香りの種類とその効果、香りの楽しみ方など分かりやすく解説します。ぜひあなたの生活にも香りを取り入れてみて!

目には見えない、不思議なもの~香りと脳の秘密とは?

焼き鳥屋の前、庭先の金木犀、淹れたてのコーヒー、植物園のユリやバラ…。目を閉じて情景を思い浮かべると、同時に香りまで感じられる気がしませんか?ふと良い香りがした時、思わず立ち止まって香りを嗅いでしまう、そんなこともありますよね。

香りは〔匂い〕・〔臭い〕などと、さまざまな表現があるように、多くの人が好む良い香りや、その反対の悪臭、また「他の人は嫌がるけど自分は好きな香り」など、無数に感じられるものです。

実は、「香り=嗅覚」は、

  人間の五感の中で唯一、直接“大脳辺縁系”に働きかけるもの

なのです。

この“大脳辺縁系”というのは人間の本能や感情を支配している部分で、その中に“海馬(かいば)”と呼ばれる記憶を司る部位があり、香りの情報はダイレクトに海馬へ届きます。そのため香りの記憶は鮮烈に残りやすいのです。

このことから、嗅覚は五感の中で最も人間の本能的な感覚とも言われています。昔、人間は口にする食糧が腐っていないか、毒がないか、また周囲の環境は安全か危険か、などを嗅覚を頼りに判断していたのかもしれませんね。

ちなみに、視覚や聴覚などは“大脳新皮質”という、論理的思考や言語機能を支配している部分を経由してから“大脳辺縁系”へ届きます。何気なく嗅いでいる香りが本能に結びついているものだとは…!人間の脳のメカニズムって不思議で興味深いですよね。

?アロマと香は違う?

“アロマ”という言葉もよく聞きますが、言葉の意味としては“香り”と同じ意味になります。ただ、アロマオイルと呼ばれる香料については、基本的に100%天然の動植物から採取されたものを指すことが多いです。それに対して、香水は合成人工香料で作られているものがほとんどです。

(※アロマオイルとして販売されているものの中に100%天然ではないものや値段が安価で粗悪品が混じっていることもあるので、ご注意を!)

香りの種類について~7つの分類

様々な種類の花々

香りと一言で言っても、花や植物・スパイスなどさまざまな種類があります。まず初めに、基本的な香りの分類を知っておきましょう。

フローラル系

甘く優雅で華やかな、文字通り花々をイメージさせる香り。

   例)ローズ、ジャスミン、ラベンダー、ゼラニウム

柑橘系

オレンジやグレープフルーツなど柑橘系のナチュラルな香り。

   例)オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ベルガモット

エキゾチック(オリエンタル)系

東洋の神秘的、エキゾチックなイメージの、重厚な甘さがある香り。

   例)イランイラン、サンダルウッド、マヌカ、パチュリ

スパイス系

アジアやインドの料理をイメージさせる、刺激的な香辛料のスパイシーな香り。

   例)シナモン、クローブ、コリアンダー、ブラックペッパー

ハーブ系

ハーブから抽出された、爽快な香り。古代から薬草としての使用もあり。

   例)ユーカリ、バジル、ローズマリー、セージ、タイム、フェンネル

樹木系

森林の中にいるような、樹木をイメージさせる香り。

   例)ティーツリー、サイプレス、ローズウッド、シダーウッド、ヒノキ

樹脂系

木の樹脂から採取する香料で、高粘度で重厚な甘めの香りが特徴。

   例)フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ

こうしてみると、何気なく嗅いでいる香りも、意外と細かく分類されてますよね。あなたも知っている香りはありましたか?また「どんな香りなのかな?」と興味を持ったものがあったなら、アロマオイルを取り扱っているお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。実際にどのような香りがあるのか確認してみると、より理解が深まるのでおすすめですよ。

基本的な香りの効果について

では、ここからは香りの持つ効果について説明していきたいと思います。 あなたの好きな香りにはどんな効果があるでしょうか?また、得たい効果から香りを選ぶのも良いですよね。ぜひ香り選びの参考にしてみて下さい。

▶ イライラ、ストレスを解消したい

  ➡ イランイラン、ローズ、ラベンダー、レモン、ベルガモット、カモミール

▶ ぐっすり安眠したい

  ➡ ラベンダー、オレンジ、ベルガモット、ネロリ

▶ 情緒不安定を落ち着けたい

  ➡ ゼラニウム、ネロリ、ティーツリー、マンダリン

▶ 元気を出したい

  ➡ タイム、ジャスミン、グレープフルーツ

▶ リフレッシュしたい

  ➡ ペパーミント、レモン、グレープフルーツ

▶ 集中力を高めたい

  ➡ ユーカリ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ

▶ 記憶力を高めたい

  ➡ ローズマリー

▶ 冷静になりたい

  ➡ ヒノキ、カモミール

▶ 瞑想にふけりたい

  ➡ サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド

身近な香りにも効果はある?

先ほど紹介した香りの中には、名前すら聞いたことないような、あまり身近に感じられないものもあったかもしれません。次は、身近な普段の生活の中で感じられる香りについて、その効果などを紹介していきたいと思います。

金木犀(きんもくせい)

秋頃に独特の甘い香りを放つ、オレンジ色の花の庭木。金木犀を植えている家の横を通ると辺り一面に香りが漂っていて強く記憶に残りますよね。

   → リラックス効果(イライラの軽減)、ダイエット効果(食欲の抑制)

すずらん

誰もが思い浮かべることのできる、小さくて可憐な白い花。“すずらん”という名前は、まるで鈴のような見た目から付いたそうです。控え目な佇まいのすずらんが放つ爽やかで自然なフローラルの香り。昔からすずらんの香りは人々を魅了し、なんとバラ・ジャスミンと並んで“三大芳香花”と呼ばれているんです。

   → 集中力を高める(作業ミス軽減)、疲労感の軽減

ヒノキ

古代から建材としても重宝されてきたヒノキ。現在でも資材として最高品質と言われています。その香り、と言ってもピンとこない人もいるかもしれませんが、アロマの世界ではヒノキは様々な効果を得られる貴重な香料でもあるんです。森林浴を思い起こさせるヒノキの香りは、人の体と心にスッと馴染む自然からの贈り物です。

   → 抗菌作用、消臭効果、リラックス効果、リフレッシュ効果

コーヒー

コーヒーの香りが嫌い、という人はあまりいないのではないでしょうか。とくにコーヒー好きの人なら、カフェに入った瞬間やドリップした瞬間に立ち昇る香りを胸いっぱいに吸い込むだけでウットリしてしまいますよね。

   → リラックス効果、集中力を高める

バニラ

お菓子作りでバニラエッセンスを使ったことがある人なら、あの魅力的な甘い香りはよく知っていますよね。バニラが入るだけでお菓子の風味が格段にアップするもの。あのバニラの香りのもとは、実は植物なんです。バニラの種子(バニラビーンズ)から香りを抽出しています。

   → リラックス効果、ネガティブ感情の軽減

アロマグッズやアロマオイルなど特別なものを揃えなくても、身近にあるもので香りを楽しむこともできます。「イライラする」ときや、「ちょっと疲れたな」と思ったときにはぜひ、身の回りにある良い香りで穏やかな気持ちを取り戻してみて下さい。

こんなにいろいろある!香りの楽しみ方

ラベンダーのアロマキャンドル、バスソルト、せっけん

これまで、香りの種類や効果について説明してきましたが、「香りってどのように生活に取り入れていけば良いの?」と思った人も少なくないはずです。そんな人のために、ここではいろいろな香りの楽しみ方をご紹介しますので、自分に合った楽しみ方を見つけてくださいね!

【身に着けるもの】

香水・コロン

香料をアルコールなどに溶かして作られるものがほとんど。目的に合わせ体や衣服につけ、つける場所や量を変えて香りを楽しめます。今やファッションの一部ともいえますが、つけすぎると周りに迷惑となる場合もあるので気を付けましょう。

練り香水

香料をワックスなどに練り込んで固めたもの。普通の香水よりも香りは控えめで、肌が弱い人やアルコールアレルギーの人でも使用可能です。液体よりも扱いやすいという声も。

ボディクリーム ハンドクリーム

肌を保湿するためのクリーム。乾燥が気になるときや、お風呂上りに自分が好きな香りのボディクリームを使うとスキンケアしながらリラックスできて一石二鳥!

寝ぐせ直しウォーター

寝ぐせ直しといえど、種類はさまざま。コラーゲンやヒアルロン酸、はちみつなどの保湿成分に優れたものや、UVカット、トリートメント効果のあるものも。効果はもちろん、好みの香りのものを選んでみてください。

シャンプー ボディソープ

いい香りがする髪の毛が好きという人も多いのではないでしょうか。最近では使用感も良くいい香りがすると高評価なシャンプーやボディーソープが増えています。毎日使うものなので好きな香りを使って自分の気分も上げましょう!

入浴剤

浴槽に好みの香りの入浴剤を入れて癒し効果UP!リラックスし過ぎてお風呂で寝てしまわないように注意して下さい!お風呂上り、寝るまで効果が続くものは安眠効果も得られるのでおすすめです。

口臭予防タブレット

男性・女性問わず気にしている人も多い口臭。口臭予防タブレットを使用すれば、生薬や植物由来成分のすっきりしたミント味で口内環境を整えてさわやかな香りの息に!

【部屋、衣類などに使うもの】

アロマディフューザー

火を使わずにアロマの香りをお部屋に拡散させることができる製品。アロボというメーカーの製品には空気清浄機能も!ライトやタイマー、加湿…と多機能でいろいろなシーンで活躍すること間違いなし。

アロマキャンドル

こちらも癒しの代表とも言えるアイテム。アロマキャンドルの炎のゆらぎと良い香りの両方からリラクゼーション効果を感じられるはずです。インテリアとしても◎

お香

火を使って焚くので、香りを楽しむ以外にも煙で部屋を浄化する効果があるとも言われています。本格的な香り以外にもお花やハーブの香りのものもあり、ちょっと気分転換したい、というときにももってこいです。

ポプリ

花や葉っぱを乾燥させてエッセンシャルオイルなどと混ぜ合わせ瓶に入れたもの。ガラスの瓶から見える花の綺麗な色は見た目にも美しく、インテリアにもピッタリ!小さな巾着に入れて持ち運ぶのもおすすめ。

ルームスプレー

リネンウォーター

エッセンシャルオイル、精製水を混ぜ合わせスプレーボトルに入れたもの。お部屋の空間や布製品(カーテンやクッション)にシュッとスプレーして香りを楽しみます。来客予定があるときなどに使っても◎

ファブリックミスト

こちらも衣類・ファブリックにスプレーして使用。抗菌剤などが含まれているのでしっかり除菌・消臭したい方へおすすめ。衣類のシワをとったり、静電気も防止。お出かけ前にスプレーして香水代わりに使う人もいます。

芳香剤

“スプレータイプ”と“置き型タイプ”があり、とにかく手軽でコスパも抜群。香りの種類も多く、お部屋用・トイレ用・車用など細かくシーン別に発売されているので、気に入った香りがあれば揃えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

「香り」と一言で言ってもその種類や効果は多種多様です。良い香りは、嗅ぐだけで気持ちが落ち着いたり、やる気が出てきたりと驚くほど気分転換できますよね。「香り」を感じる嗅覚は視覚や聴覚と違って本能に直接作用するので、心や体に働きかける効果は絶大。「香り」自体は目に見えるものではありませんが、効果的に使用すれば集中力を高めたり、安眠、リラックスできる…などといいことづくめです。まずは自分が好きだと感じる香りから試してみてはいかがでしょうか。ぜひ、日々の暮らしに「香り」を取り入れてみて下さいね。