https://makild.exblog.jp/16934453/ 【「ヤマタノオロチ」 「八」の意味と「ヤマタ」の意味】 より
今日は、二つの新たな謎について書きたいと思いますが、少し長くなりそうですので、別々の記事で書きたいと思います。
まずは、先日のヤマタノオロチについて、前回から新たに私なりに考えた 「ヤマタ」 の意味について書いてみたいと思います。
前回の記事を合わせて、ご覧いただけると嬉しいです。
ヤマタノオロチとスサノオ命そして草薙剣の魂
前回は「ヤマタ はアマテラスとスサノオのの誓約のさいに誕生した神々を例にしてお話しました。また「オロチ」は「遠知姫」と習合させました。
この考えは、どちらも変わっていないのですが、さらに、この「ヤマタ」がどうして、八柱の神と同じなのかについて、考えてみたいと思います。
前回の ヤマタノオロチの最後の部分で「8」の数字の意味がわかればもっと深い意味がわかるのではないと書きましたが、やはり「8」には、思っていた以上に 複雑な意味があるようです。
まだ、全て理解したわけではありませんが、ヤマタノオロチがどうして、8つの頭と8本の尾が必要で、更に、これを退治するさいに、八塩折之酒と8つの垣と8つの門がひつようだったのか。。。。
ここまで、8にこだわる必要があるのかと、思うほど、このお話の中には「8」という数字が並びます。私は、どうしてもこの「8」に意味があるのだと思っていました。
でも、今まで、漠然としかその意味がわかりませんでしたが、先日と届いた「八の暗号」 の中に、思ったとおり、その意味に繋がる、天智天皇が考えた「8」の意味、そして、日本の古来の「8」の意味が書かれてありました。
この本の「8」の 意味と、古事記の解釈や、天智天皇が造ろうとした、新しいヤマトの意味に対する考えは、私とは全く違うものでしたが、この「8」の根源の意味は、たぶん、これから、さまざまなものを解いていく上で、かかわってくるものだと思います。
古事記は「8」の 日本古来からの聖数としての意味と、中国から伝わってきたと思われる 「八卦」の考えを見事に習合させていました。
日本は、古代、数を数える時に、「ひ、ふ、み、よ、いつ、む、や、」と数えていました。
「ひふみ式」で読むと、8=「や」そして「や」は「弥(や)」に通じる数字となります。
「弥」とは「弥栄」の「や」といい、完全、無限、大きいなど、数の中で、最高の数字ということになります。
また「や」を、発音してみると「や=8」だけが、口を大きくあけて読む数となります。
日本人は古代から、言霊を信じると言われ、今の時代でも、多くの人が、「言ったことは、現実になるから、悪いことばは使わないように」と幸せなれる本などで、書いていますが、この考えは、古き時代から、日本ではとても重要な教えでした。
また万葉集の中では「日本は言霊の幸はふ国」とうたわれています。今の時代では考えられませんが、日本は言霊国、ことばが幸せをもたらすと考えていたのです。
ですから、口を一番大きくあけて読む、「や」という言葉の中には、より強い言霊の威力があると考えられていたといいます。
だから、古代から「8」は聖なる数字。神と通じ、その思いが一番強く届き、そして、幸せをもたらす数字だったのです。
でも、天智天皇が考えた「8」の意味はこの古代からの意味にさらに「八卦」を習合させたのです。
八卦(はっけ、はっか)は、古代中国から伝わる易で八つの図柄で表されます。
卦は爻と呼ばれる記号を3つ組み合わた三爻によりできたもので、爻には─陽(剛)と--陰(柔)の2種類があり、組み合わせにより八卦ができるとされます。
そして、八卦は伏羲が天地自然に象って作ったという伝説があり、卦の形はさまざまな事物事象を表しているとされます。
どんなものに表されたかというと、「自然」「性情」「家族」「身体」「方位」です。
これは、後でお話する内容にも、繋がってくる、基本となる八卦の形です。
古事記は、この二つの「八」の意味が習合し、またもしかしたら、これが原点となりさらなる思想が重なり、できた物語だと思います。
この二つの原点は、この「八の暗号」にも書かれてありますが、ここからは私独自の考えになります。
というのも、この著者の方は、「封印された女神」の存在には全くきづいていないからです。
原点とする考えは同じでも、視点が変われば、解釈の仕方も少し変わってくるということに改めて気づきました。もちろん共感できる部分も、沢山あります。でも、到着地点が全く違うため、暗号の解き方が私とは全く違います。
「同じものでも、見方が変われば、違うものに見える。」ということが、よくわかりました。ですから、どちらが、本当かなんてことはわかりませんし、またそれは、相手を否定することでもありません。ただ、自分なりに、こうでもない、あ~でもないと考えていくことが楽しくて、いろいろな考えがあるからこそ、新たな発見もあるんだと思っています。
では、私の「ヤマタノオロチと八」の今の考えですが、八卦には、「太極」を原点とした考えかたがあります。
八卦の順序には「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」と「乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌」の2通りがある。前者を「伏羲八卦次序」、後者を「文王八卦次序」といいます。
この「太極」を原点とした考えかたは、前者のを「伏羲八卦次序」になります。
「太極」とは、中国の思想で、万物の根源であり、ここから陰陽の二元が生ずるとする考え方です。
また、太極は、道家の生成論として用いられた「太一」と類似されます。
「太一」とは、古代中国における宇宙の根元を表す哲学的概念、また、天の中心に位置する星官(星座)またはその神格を意味します。
天智天皇の考えた「八卦」とは、この「太一」の概念をさらに習合させたものとなっているようです。
「太一」は、道家の生成論として用いられた考えですが、これが、陰陽思想とも結び付けられるようになります。
ヤマタノオロチの意味の中には、これら全ての意味が習合されているのです。
「太極」「太一」ともに、宇宙の根源、万物の根源を意味しますが、この根源は「八卦」 は◆「太極から陰陽両儀が生まれ、陰と陽それぞれから新しい陰陽が生じることによって新しい陰陽が生じる」と考えられていたのです。そして、◆「太極」「太一」=宇宙の根源
◆「太一」=「天の中心に位置する星官(星座)、またはその神格」=「北極神」=「天皇大帝」=「天皇」「北極神」については、また後日、ふれてみたいと思いますが、
これに、日本古来の「8(や)」の意味を習合させ、「1」=「8」であり、また「1」は 陰陽を合わせることで、新しい「8」となる。
アマテラスとスサノオの誓約のさいに誕生した 「八柱の神」も、陰と陽を合わせることにより、生まれた「8」だったのです。そして、さらに、これを「3」と「5」にわけた理由は、これは、また後日、詳しく書いてみたいと思います。
そして、ヤマタノオロチ「悪(陰)の龍(姫の魂)また、八俣=「八の原点」=「(旧)やまと」を「八塩折之酒の酒」=(陽)を飲ませ、「8つの垣、8つの門」=陽を作って、「自らの魂」(陰)を自らの手で切り刻んだ。
こうすることにより、「旧やまとの「陽の酒、門、垣」で合わせ、さらに 姫の陰の魂、スサノオ自らの陰の魂の両方を切り刻み、その中から出てきた「草薙剣(陰の魂)」をアマテラスに渡すことによって「陰と陽」は一つになり、新たな「魂」の誕生を意味するとともに、その実権を、譲ったことにもなった。
八卦の大きな意味と万物には全て「陰と陽」があり、それを合わせることにより、新しい魂が生まれるといった独特な思想が、古事記の中には、あちらこちらにちりばめれているのではないかと思うのです。
どうして、わざわざ、何度も、「大山積神」と「アマテラス」の子孫を、結びつけるのか、その意味がこれでやっとわかってきた気がします。
また「大山積神」の原点も、この作業をしなければ、本当の「大山積神」になれなかったかもしれません。
名前は変えても「大山積神の魂は(陰であり、旧ヤマトの神)」は 瀬織津姫だったから。
古事記は、この「八」の意味を中心に、もしかしら、もっと多くの思想が合わさっているのかもしれません。
現代でいう「大学教授」のような、歴史や、古代文明、古代宗教のスペシャリストたちが、集まり、その知恵を結集させて、作り上げた、ある意味、史上最大の「古代文明の習合物語」と言えるかも。
これから、少しづつ、古代のあらゆる思想、あらゆる文明、そして、さまざまな「八」の意味を考えて、歴史の謎を、といていけたらいいなと思います。
ただ、冒頭にも書きましたように、視点が変われば、物事の解釈は驚くほどに違います。
だから、どれが本当かなんてわからないかもしれません。
でも、間違いながら、悩みながら、一つづつ、前に進んでいくことが、きっと何かに繋がるんだろうなとおもいます。
そして、その中から、それ以上に、もっと大きなことを学んでいけるのかもしれません。
0コメント