地球衝突の可能性

https://news.livedoor.com/article/detail/16920346/ 【地球衝突の可能性ありと予想されたスイフト・タットル彗星はその後どうなった?】  より

毎年のお盆の夜空を賑わせてくれるペルセウス座流星群の母体であるスイフト・タットル彗星は、1862年に発見されたものだが、回帰予想時期の1981年から1982年にかけては結局出現せず、それ以降この彗星は実は行方不明になっていた。

 その後イギリスの天文学者ブライアン・マースデンにより、軌道の再計算が行われ、スイフト・タットル彗星の次回の地球接近時期は1992年と予想された。この情報に基づき世界中で捜索活動が展開されたのである。

 そしてこの彗星の行方を見事突き止めたのが、日本の彗星捜索家として有名な木内鶴彦氏である。1992年の木内氏による再発見により、この彗星のより正確な軌道計算が可能になったのだ。この発見からしばらくしてブライアン・マースデンにより、とんでもない計算結果がもたらされたのである。

 スイフト・タットル彗星が2126年8月14日午前10時35分ごろ(日本時間)、インド洋あたりに衝突すると言うのである。この彗星は直径が20kmもあり、およそ6000万年前に地球に衝突し、恐竜を滅亡させた小惑星に匹敵する。これは、すなわち人類滅亡の恐れがあるということを意味するのである。

 衝突は100年以上先の話だが、人類の文明があと100年足らずで終わってしまうと言うのだから、自分たちが死んでからのことだとタカを括ってもいられない。ただし、この話題は、21世紀以降忘れ去られていた感がある。今日はその後この話がどうなったのかについて、紹介をしておこう。

 最新のNASAからの情報では、2126年8月5日に月と地球の距離の約60倍のところまで接近するとのことで、人類滅亡の危機はどうやら解消されたようである。

 彗星の軌道計算は普通の惑星と比べると極めて難度が高い。その理由は、太陽接近に伴い、彗星本体が温度上昇し、ガスを噴出、これがブレーキの役割を果たすためである。

  ガスがどのくらいの勢いでどのくらいの時間に渡って噴出されるのかは予想が困難なため、軌道計算の精度を上げるには、出来るだけ新しい観測データを積み上げて行くしかない。マースデンの報告に比べて、NASAからの最新情報に大きなズレが生じたのもこのような理由による。

 読者の中には、不安になった人もいるかもしれないが、これで今夜から安心して眠れることだろう。

https://www.zaikei.co.jp/article/20190529/512998.html  【地球への彗星や小惑星の衝突、木星などの巨大惑星が防いできたか】  より

 太陽系外の惑星研究者たちの中には、太陽系に存在している巨大惑星が、地球の生命を宇宙の外敵から守る役目を果たしてきたという仮説の検証を目指す学者もいる。彼らは、木星のような巨大惑星が、地球に小惑星が衝突するのを防ぐ役割を果たしてきたと主張している。

 太陽系では、無数の彗星や小惑星が周回している。その中には地球に衝突する可能性を持った天体もたくさんある。だが人類史上、小惑星や彗星が地球に衝突して多くの生命が絶滅の危機に瀕したという記録は残されていない。つまり少なくとも、文字による記録をたどることができるおよそ1万年前までさかのぼっても、小惑星クラスの比較的大きな天体の地球への衝突はなかったのである。このような状況をもたらしているのが、巨大惑星だというのだ。

 木星のような巨大惑星が彗星や小惑星をその巨大な重力によって引き付け、地球に衝突する可能性をごくわずかなものにしてくれている、というのが彼らの主張だ。実際に木星は1994年にシューメーカー・レビー第9彗星をその巨大な重力で引き付けて自身に衝突させた実績がある。

 当時、木星にいくつもの連続した黒い斑点が写った映像は、世界中の天文ファンだけでなく多くの人々を驚かせた。もし木星が存在していなかったら、地球にはもっと頻繁に小惑星が降り注ぎ、生命の進化どころではない世界になっていた可能性があるという。

 太陽系外の巨大惑星は、その恒星系の形成過程の中で初期は恒星に近い公転軌道をとっていたとしても、やがて同等の大きさの巨大惑星どうしが重力干渉を起こし、重力バランスが崩れて、恒星から離れた場所にはじき出される。木星、土星、海王星などの巨大惑星がすべて、地球と比べて太陽から遠く離れた位置にあるのはこのためである。

 観測技術の進歩により、最近は恒星から離れた位置を回る太陽系外の巨大惑星の公転周期を測定することが可能になってきた。その原理は、恒星が巨大惑星の重力によって位置に揺らぎが生じるのを直接測定することによるものである。この揺らぎの周期がわかれば、巨大惑星の公転周期が推定できるという論法である。

 ちなみに太陽系における外惑星の公転周期は、木星が12年、土星が30年、海王星は164年と地球に比べて極めて長い。近い将来、太陽系外の多くの巨大惑星の公転周期が明らかになり、地球のような知的生命体の進化を手助けしてきたことが証明される日が来るかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る)