病気にならないようにするために

Facebook・篠崎 朗さん投稿記事

あるアメリカ人医師はこういった—なぁ、君ら日本人は不思議な民族だよね。

高いお金を払ってわざわざ人間ドックで病気を探しに行ったり、病気になった後のことには果てしなくお金をつぎ込むのに、病気にならないようにするためにはほとんどお金を使わないんだからね。

今、堰を切ったように現代医療が巨大な利権が絡んだ産業であることが暴露され、反対に隠蔽されていた安価でほんとうに身体に良いものが明らかにされようとしています。

しかし、それも玉石混交、紛い物、ニセモノもあるのでホンモノを見分ける力が必要です。最後は自分の直感力かな?


https://medical.jiji.com/medical/034-0014-08  【疲労回復と睡眠】 より

■疲労とその回復

働きすぎや運動のしすぎは疲労を招きます。また、肉体的な疲労のみならず、仕事や人間関係のストレスからくる精神的な疲労もあります。

疲労は一種の防御反応です。疲労を自覚するからこそ、組織や器官が回復不能になるまで使いすぎることを防いでいるといえます。疲労はさまざまなかたちであらわれます。軽い場合は筋肉の疲れ、目の疲れや腰の痛みなど、部分的な疲労としてあらわれますが、これは休養によって簡単に回復します。

 これに対して、全身的な疲労、精神的な疲労があります。これは動作がにぶくなったり、誤りが多くなったり、意欲がなくなったり、人と話したくない、怒りっぽいなど、心身の調和がみだれた状態となります。これらの全身的な疲労の回復には睡眠がもっとも有効です。

 一晩休んでも疲労が回復しない状態というのがあります。いわゆる過労です。十分眠ったにもかかわらず、朝起きたとき気分が重く、意欲がわかない、食欲がないなどの症状が出現した場合はあきらかに過労です。十分な休養をとるとともに、積極的な疲労の回復を試みましょう。

 疲労の回復には、身体面・精神面の両面が必要です。たとえば、入浴やマッサージ、サウナなどは血行を改善することによって疲労により生じた老廃物を取り除き、また、神経をリラックスさせることによって筋肉疲労を回復させます。軽い運動やぬるい湯に長くつかること、適度の飲酒なども心身の緊張をときほぐし、疲労を回復します。

 疲労回復の手段として、レクリエーションも有効です。1日の仕事のあとで、音楽を聴いたり、スポーツをしたり、適量の酒を飲んで楽しい会話をしたり、あるいは週末には旅行やスポーツをおこなうことは、積極的な疲労回復手段であるといえます。

■十分な睡眠の必要性

 疲労回復のために睡眠は必須です。睡眠によって心身ともに完全な休養状態に入るからです。すなわち、脈拍や呼吸はゆっくりとなり、血管はゆるんで血圧は下がり、筋肉は緊張から解放されます。エネルギーは最低限しか使われず、体温も低くなります。また、中枢神経系も極度の休憩状態になります。この完全な休養状態によって疲労は完全に回復します。

 睡眠には2つの型があります。レム睡眠とノンレム睡眠(深眠)です。

 その違いは脳波や眼球の動きをみることによってわかります。寝入ってから1~1.5時間しますと完全な深い睡眠状態に入ります。これをノンレム睡眠といいます。ところがそれにひき続いて、脳波や眼球運動でみて、昼間目覚めているときと同じような状態を呈する睡眠になります。この睡眠のことを「目が速く動く(rapid eye movement)」という意味でレム(REM)睡眠と呼びます。

 この2つの睡眠の型が一晩の間に2~3回交代します。そのなかで、ノンレム睡眠は疲労の回復には欠かせません。激しい運動をおこなった日の夜には、特にこの睡眠が長く必要になります。

 いっぽう、レム睡眠はこころのはたらきに関係が深い睡眠であり、1日の間に受けた印象を定着させたり、情緒や欲求を正しくあらわすのに不可欠な睡眠です。つまり、1日の間に受けたこころのひずみを回復させる睡眠といえるかもしれません。また、夢はこのレム睡眠の間に見ています。つまり、日常の意識下にひそんでいる欲求などを夢によって解放しているのかもしれません。いずれにしても、レム睡眠はこころの健康にとって大切なものです。

 睡眠は長ければ長いほどよいというわけではありません。長く寝たのに疲労が十分回復しないということがしばしばあります。これは眠りが浅いためです。睡眠による疲労回復は、睡眠の時間と深さをかけあわせた量に関係しています。一般に必要な睡眠時間は年齢で違います。年齢が若い人ほど長く、成人に向かうにつれて短くなります。

 しかし必要な睡眠時間は必ずしも、一般にいわれるような平均的な睡眠時間で決まるものではありません。長い睡眠時間を必要とする人、短くてもよい人など、人によってさまざまです。この睡眠時間の長短は、レム睡眠の長さによって決まるともいわれており、ノンレム睡眠の長さはあまり人によって変わらないようです。

 睡眠が十分であるかどうかを知るには、朝起きたときの気分が大切です。朝自然に目が覚めて、快適な気分で起床でき、朝食に食欲があるようならば、睡眠は十分といえます。

 よく眠るためには、睡眠に適した環境をつくることが重要です。室温をやや高めにし、静かな部屋にすることが必要ですが、このほかに、あまりおなかを減らしたり食べすぎたりするのもよくありません。また、興奮作用をもつお茶やコーヒーを就寝前に飲むのは避け、精神的な安らぎをもつことが必要です。受験勉強などのように、頭を激しく使ったあとには、軽い体操などで頭の興奮をやわらげることも必要でしょう。

 眠れないときに眠らなければならないと考えると、こころにあせりを生じていっそう眠れなくなるものです。こんなときは、数字を数えるなど、ほかの単純なことをおこなうことによって脳のはたらきを切り替え、興奮をやわらげることが必要です。

■睡眠時無呼吸症候群

 睡眠中に10秒以上呼吸がとまる状態を睡眠時無呼吸と呼びますが、最近生活習慣の変化と肥満の増加に伴い睡眠時無呼吸が増加しています。睡眠時無呼吸の原因の多くは内臓肥満に伴って気道(空気の通り道)が狭くなり、仰向けになることにより、その狭くなった気道が舌根でふさがれて起こります。重症の睡眠時無呼吸になると、一晩中呼吸がとまっては再開をくり返すため、睡眠時間が十分であっても眠りが浅くなり睡眠の質が低下します。その結果、昼間の過度の眠気、起床時の爽快感の欠如などさまざまな症状が出現し、このような状態を睡眠時無呼吸症候群と呼びます。さらに重症の睡眠時無呼吸があると、心臓や脳卒中など血管の病気がふえることがわかっています。

 男性でふとり気味で夜間に大きないびきをかいている人、昼間会議などで居眠りをしている人は睡眠時無呼吸の可能性があります。有効な治療法があり、治療することにより熟睡できるようになり生活の質(QOL)が改善し、将来の心臓や血管の病気も予防できる可能性もありますので、疑いのある人はチェックを受けてください。しかし、なによりも重要なことは予防であって、ふとっている人は減量を心掛ける、禁煙、節酒といった生活習慣の注意がもっとも重要です。

https://medical.jiji.com/medical/034-0015-08  【ストレスと健康】 より

ストレスということばは、現代では日常語といってもよいくらい頻繁に使われています。複雑化した組織や人間関係のなかで、多種多様の情報やコンピュータをはじめとする高度な機器に取り囲まれて働く現代人は、ストレスの多い生活を強いられているといえます。生活習慣病や精神・神経系の病気の増加にはこれらのストレスが関係しているといわれています。

■ストレスとは

 ストレスという考えかたを最初に医学の領域に取り入れたのは、カナダのハンス・セリエ教授で1930年ころです。彼は生物学的なストレスを「体外から加えられた各種の有害作用に応じて体内に生じた、障害と防衛反応の総和である」と定義しました。すなわち、からだが有害な刺激(たとえば寒さなどの生物学的なストレスや、人間関係にもとづく精神的なストレスなど)を受けると、生体はそれに反応しますが、そのときの有害刺激をストレッサー、生体の反応(ゆがみ)をストレスと呼んだのです。

 しかし、現在その定義はきわめてあいまいになっており、ストレッサーのことをストレスと呼んでいる場合も少なくありません。すなわち、生体に対して、平均以上の緊張を強いるような負荷を通常はストレスとしている場合が多いようです。

 ストレス刺激にはいろいろなものがあります。厳しい暑さや寒さ、強い光や音など物理的な刺激もそうですし、食物や薬品などの化学物質もストレス刺激となりえます。さらにこのような物理・化学的な刺激ばかりでなく、社会心理的な刺激など、人間のこころやからだのはたらきにゆがみを与えるものはすべてストレス刺激となりえます。

 今日の社会では、むしろ社会心理的な刺激のほうがストレスとして意味をもってきているのかもしれません。現代社会のストレスには、進学や就職の悩み、嫁姑問題などのような家族関係をめぐるストレス、仕事上のあせり・疎外感や職場での人間関係、高度の機器を使わざるをえないことによって生じるテクノストレスなど、枚挙にいとまがありません。

■ストレスで発症しやすい疾患とその症状

 今日の社会ではストレス刺激が多くありますが、それを避ける暇もなく、これによって本格的な病気を発病してしまうこともまれではありません。

 胃潰瘍は典型的なストレスが原因となる疾患です。働きざかりの男性が、たえず仕事に追われイライラし、十分なストレス解消をしないでいると、ある日突然胃がシクシクと痛み、胃潰瘍になります。このほかに不整脈や心臓神経症などの心臓病、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、肥満や糖尿病などの内分泌疾患など、さまざまな病気がストレスに関連して発症し、あるいは悪化します。表に、ストレスにより起こったり悪化しやすい病気をまとめて示しました。これらは現代社会に特徴的な病気であり、これに対処する方法を考えなければなりません。

■ストレスの予防

 ストレスを感じているときは、本来健康を守るべき防衛反応が過剰となった状態です。ですからストレス刺激に長くさらされていると、上記の表に示したような疾患を発症する可能性があります。

 こうした疾患を予防するためには、ほかの病気の場合と同様、できるだけ早く発病の徴候を見つけ、早めに対応することです。そして原因となるストレッサーを取り除き、あるいは減らすことが第一です。

 ただし原因がわかっていても、それを取り除くことは必ずしも容易ではありません。学校や職場を簡単に変更できないことを考えればよくわかります。ですからストレッサーの受けとめかたを変えて、できるだけその影響を少なくするように努力することも必要です。

■ストレス度の高さ

 日常生活のなかで出合う出来事が、どの程度のストレスになるかを調べたホームズらの研究があります。配偶者の死を100点とした場合の日常生活上の出来事の相対的ストレス度を点数で示しています。表からもあきらかなように、配偶者の死はストレス度がもっとも高く、このほかに離婚、別居、結婚、失職、仕事や家族の変化、転職などもストレス度の高い出来事としてあげられています。

 ただし、この表は1960年代のアメリカにおける調査にもとづいており、必ずしも日本人にはあてはまりません。日本人の場合は結婚のストレス度はこれより低く、逆に借金のストレス度が高いとされています。

■ストレスに対処するためには

 現代社会のストレスにじょうずに対処していくためには、ストレス刺激を受けても、それに対応する力(ストレス能力)をより強くしておくことが大切です。ふだんから刺激を避けて、浅いかかわりだけですごしていては、ストレス能力は育ちません。刺激を受けて鍛錬することが大切なのです。

 江戸前期の儒学者である貝原益軒は「子どもには飢えと寒さを与えよ」といいました。これは「子どもは風の子」とか、「かわいい子には旅をさせよ」といったことわざにも通じるもので、ストレス能力の強化が健康につながることを意味しているものと解釈できます。

 しかしいっぽう、日常的に遭遇する精神的なストレスに対してはストレス能力の強化などとばかりもいっていられません。心身状態の自己コントロールをおこない、精神的ストレスに対処するのも一つの方法です。自己コントロールというのは、自分の行動を意識的にコントロールすることです。これには禁酒・禁煙や節食といった行動のほかに、気分やからだの緊張感、内臓の活動状態をコントロールすることによって、不安や緊張をとり、血圧を下げ、あるいは寝つきをよくしたり、肩こりを軽くしたりすることができるのです。

 これをストレスリラクゼーションと呼びます。リラクゼーションとは、文字どおり筋肉を弛緩(しかん)させる方法ですが、これによって血圧が下がり、精神的な健康度がよくなり、あるいはストレスからくる疾病を予防するとして、アメリカではさかんにおこなわれています。

 日常生活の注意としては、十分な睡眠、規則正しいバランスのとれた食生活が、心身両面での健康生活を送るために最低限必要です。心身に不安を感じたとき、まず、自分がなにに対してストレスを感じているか、自分の状態や感情を自覚することが大切です。そしてその後、自分を省みたり、必要ならば変えていくことを考えてみましょう。

 気晴らしも必要です。旅行やハイキングに行く、楽器を演奏したり絵を描く、野菜や花をつくるなど、仕事や家事から離れたり、別の視点から見ることができる機会をもてる時間をつくりましょう。

 スポーツは、日常とは違う環境で集中する時間をもつことがストレス解消につながります。それだけでなく、循環器系、呼吸器系、運動器系や代謝など、からだの機能を保つうえで有効であるという点からも重要です。

■ストレスチェックの義務化について

 最近、精神障害を原因とする労災認定件数が増加しています。このような職場における精神障害による休職などのトラブルには精神的ストレスが引き金になることが多いと考えられます。そこで最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即したかたちで対応し、労働者の安全と健康の確保対策をいっそう充実するため、「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(平成26年法律第82号)が2014(平成26)年6月25日に公布され、2015年12月より「常時50名以上」の全事業場(法人・個人)において年1回のストレスチェックをおこなうことが義務化されました。

 高ストレス者であると判定された人に対して、医師(産業医)による面接指導が勧奨され、事業者は、面接指導の結果、医師の意見を聴いたうえで、必要な場合には、休職、残業禁止、労働時間の短縮、作業の転換など、適切な就業上の措置をし、また、働かせかたや職場環境に問題がある場合は、改善をはかる必要があります。