横循環と縦循環

Facebook・岡本 よりたかさん投稿記事 「経験と知識」(横循環と縦循環).

無肥料栽培の農業指導をしていて感じるのだけど、自給したくても自給にならない。農で暮らしを立てたいと思っても収入にならない。

そんな思いで、心が折れそうになっている人は多い。

言葉ではなかなか説明できないが、無肥料でやってみようと思った動機の裏に、必ず強い理由があるはずである。

よく考えてみれば、一年前の自分と今の自分の、畑への取り組み方、観察の仕方、感謝や苛立ちの仕方、そして農に対する考え方は変わっている。

変わっているならば、それは間違いなく前に進んでいるということでもある。

経験はある程度積み上がらないと、知識にはならない。試行錯誤を繰り返しているということは、その経験をデータベース化している段階。

この先、本気で限界を感じ、肩の力をスッと抜く瞬間が来るが、その瞬間が経験が知識に変わるタイミングなのだろう。

経験が知識に変われば、積み重ねてきたデータベース上を検索し、最も適した手段を導き出すことができるようになる。

今、諦めたら、結局、知識にはならない。

僕も多くのアドバイスはできないが、一つのだけ栽培について書くなら、横循環と縦循環という自然界の仕組みを理解すること。

縦循環とは何か。横循環とは何か。

自然界は必ず循環している。それが有機物であれ無機物であれ。循環があるから、今の命を生み出すことができる。

横循環とは、自然界の法則である。山からミネラルが流れてきて、野山の草や樹木がそれを利用する。利用されなかったミネラルは更に流れて海に到達し、海の生物が利用する。

このミネラルは数億年という年月を経て、海の隆起という現象で山に戻る。

このミネラルの循環とも言える自然界の仕組みを、草や枯葉を使って利用すること。それが横循環である。

縦循環とは、生物界の法則である。その地に育った植物などの生物は種を作り出してから、その地で朽ちる。横循環のミネラルを吸収したら、その身体と大量の種を朽ちさせて地表面に残す。

そのミネラルを子孫である作物に利用させること。これが縦循環である。

この両方がバランスよく、かつ滞りなく行われていることが、絶対的に必要なのである。

実はこれらが上手くできていない場合が多い。無意識のうちに、循環を止めてしまっているものなのである。

難しい局面ではあるのだが、この先、自らの手で食料を生み出す必要を感じる人は多くなるだろう。

だからこそ、早く経験を積み始めた方がいいと思う。経験が知識に変わるまでには、それなりの時間がかかるのだから。

そしてその知識は、縦循環として次の世代に引き継がれていく。


https://tenbou.nies.go.jp/learning/note/theme1_3.html 【大気と水の循環】

地球上では、太陽エネルギーをエネルギー源として、大気や水が絶え間なく循環している。こうした循環で熱や物質が移動することにより、1つのまとまった「システム」として地球環境のバランスが保たれている。

大気大循環 ~熱を運び、雨や風をもたらす大気の流れ~

 赤道と北極・南極とを比べると、赤道の方が太陽の高度が高く、日差しも強い。そのため、赤道の方が地表面に届く太陽エネルギーは大きくなり、気温も高くなる。こうして生じる温度差を少なくするため、赤道から高緯度地域に向けて熱を運ぶ大気の流れが生じる。これが大気大循環の基本である。

 ただし、実際の大気大循環では、地球の自転の影響(コリオリ力)を受けて、大気の流れは少し複雑になり、緯度方向に3つの循環に分かれる。つまり、北半球、南半球それぞれの低緯度(約30°以下)で見られる「ハドレー循環」、高緯度(約60°以上)の「極循環」、そして、その間の中緯度の「フェレル循環」である。これらの循環によって、地表面では、低緯度で「貿易風」、極地で「極偏東風」と呼ばれる東寄りの風が生じる。また、コリオリ力の強い中緯度では循環が明確ではなく、大きく蛇行した西寄りの風「偏西風」が吹く。

 大気大循環は熱や水蒸気の移動をともなうため、地球規模の気温や降水量の分布に大きな影響を及ぼす。また、熱帯性低気圧や前線などが定常的に発生する要因にもなっている。

海洋大循環 ~コンベヤーベルト理論と海洋水の流れ~

 海洋における水の流れは、海面を吹く風の働きによって生じる「風成循環」と、水温や塩分濃度からくる密度の違いによって生じる「熱塩循環」とに分けられる。

 このうち風成循環は、深さ数百m程度までの表層の流れ(表層流)であり、日本近海の「黒潮」「親潮」と呼ばれる海流も、北太平洋をめぐる風成循環の一部といえる。

 一方、熱塩循環は、数百m以深の深層の流れ(深層流)であり、秒速1cm程度で極めてゆっくり流れながら、平均1,000年(最長2,000年)程度の時間をかけて全海洋を循環すると考えられている。一般に、海洋の表面水温は北極や南極に近い高緯度地域で低温となり、塩分濃度は大西洋の方が太平洋よりも高いことがわかっている。そのため、低温で塩分の高い水、つまり密度が高く“重い”海水は、北大西洋のグリーンランド沖などに多く分布し、そこで表層から深層への強い沈み込みが発生すると考えられている。

 こうした海洋大循環は、膨大な量の水や熱、各種の化学物質を輸送する役割を果たすとともに、長期的な気候変動にも影響を及ぼすといわれている。地球温暖化によって、海水温の上昇や、氷河・氷床の融解による塩分濃度の低下が進むと、海洋大循環が変化し、地球の気候が大きく変化する可能性が懸念されている。

地表面からの熱放射 ~リモートセンシングで見る海面水温の分布~

 地表面に届く太陽エネルギーの大部分は、熱として地表面に吸収される。そして、暖められた地表面から再び、赤外線として大気中に熱が放出される。これを熱放射という。

 下の図は、地球上の海面から放出される熱(赤外線)の大きさを人工衛星で観測し、そのデータをもとに地球規模の海面水温を推定した結果である。図をながめると、水温は東西方向にほぼ一様に分布し、赤道域から極域に行くほど低温になることが読み取れる。また、東太平洋の赤道域(南米のペルー沖)は、周囲よりも水温が低くなっている。これは、その周辺を吹く貿易風によって海洋深層から冷たい水が湧き上がるためである。この貿易風が弱まり、冷たい水の湧き上がりが少なくなると、世界各地に異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」が生じるといわれている。

 このような海洋・気象状態をはじめ、森林や砂漠の現状などを広域的に観測するために、リモートセンシングという技術が活用されている。リモートセンシングとは、人工衛星などに搭載したセンサー(測定器)を用いて、対象物が反射・放射する電磁波を遠隔(remote)から計測(sensing)することにより、物体の形状や性質などを識別する技術であり、土地の管理や災害監視などにも役立っている。

熱赤外リモートセンシングをもとに推定した地球規模の海面水温分布(1996年12月の月平均)

提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

エルニーニョ/ラニーニャ現象 ~「神の子」による地球規模の気候影響~

 太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が半年から1年半ほど続く現象を「エルニーニョ現象」と呼んでいる。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象は「ラニーニャ現象」と呼ばれる。なお、“エルニーニョ”はスペイン語で「男の子(神の子)」、“ラニーニャ”は「女の子」という意味である。

 通常、太平洋のペルー沖では、海面付近の暖かい水が、貿易風によって西側に吹き寄せられるため、海洋深層の冷たい水が海面に湧き上がりやすく、周囲よりも水温が低くなっている。そのため、貿易風が弱まると海面水温が通常より高くなり(エルニーニョ現象)、貿易風が強まると海面水温が通常より低くなる(ラニーニャ現象)。

 これらの現象が発生すると、太平洋全域の海水温分布が変化し、これが気圧配置に影響を及ぼし、世界各地でさまざまな気候影響が現れる。日本ではエルニーニョ現象の発生時に冷夏や暖冬になりやすく、また夏と冬に多雨となる傾向がみられる。ヨーロッパ南部での夏の多雨による河川の氾濫や、アフリカでの小雨による干ばつなど、エルニーニョの気温や降水量への影響は人間生活にも大きな影響を与える。


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