異常気象

https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20200729-00190485/ 【日本だけじゃない「梅雨の大雨」 北朝鮮で炭鉱事故、韓国では冠水】  より

「梅雨」は北東アジア共通の現象で、中国ではメイユ、韓国ではチャンマと読まれます。

今年の梅雨は「令和2年7月豪雨」や28日(火)に発生した東北・新潟の大雨など、記録的な大雨が観測されています。一方、同じ梅雨前線がかかる朝鮮半島でも、大雨で災害が起きているようです。

チャンマで災害―韓国

朝鮮半島では、23日(木)から24日(金)にかけて梅雨前線と低気圧が通過し、大雨が降りました。

韓国第二の都市・釜山(プサン)では、1920年以降で第10位の記録となる、1時間80ミリの雨が降り、36時間では202ミリに達しました。多数の家屋が浸水したほか、冠水した車から3人が遺体で発見されたと伝えられています。

また自動車メーカー大手ヒュンダイの主工場がある蔚山(ウルサン)でも218ミリの雨が降りました。増水した川に流され、1人が死亡したとのことです。首都ソウルなどでも大雨が降って、高速道路が一時閉鎖されました。

気象局によると、23日(木)からの長雨で800ミリの雨が降ったところもあるようです。

大雨で炭鉱崩れるー北朝鮮

同じ前線と低気圧により、北朝鮮・開城(ケソン)では、2日間で108ミリの大雨が降りました。

この大雨が原因で、北朝鮮北部の安州の炭鉱で死亡事故が発生したと、デイリーNKは伝えています。

記事によると、坑道が浸水し崩れたため、労働者12人が閉じ込められたようです。事故が起きた坑道は、梅雨期に度々浸水の被害に見舞われます。鉱山を運営する会社は「大雨の懸念はあったものの、生産の遅れから操業を停止できなかった」などと発表していることから、人災の側面も大きかったと考えられます。

メイユで数十年来の大洪水―中国

他方、中国の梅雨も、長江流域を中心に過去に例を見ない大雨が降っています。

6月からの長江流域の平均降水量は、観測開始以来最大となり、1998年以来最悪とされる洪水が発生しています。湖北省にある三峡ダムでは、決壊のおそれが国内外で囁かれていて、ダムの下流に住む4億人の命が危険にさらされています。

なお1998年の梅雨期には、60日間にわたって長江流域で雨が降り、3,004人が死亡、中国の人口の5分の1に当たる2億2千万人が影響を受けました。

「陰々と降る小雨」

今から約1,000年前のこと。唐の詩人・杜甫は「梅雨」と題した詩の中で、雨の情景をこう詠みました。

「湛湛長江去/冥冥細雨来(長江は水をたんたんとたたえて流れゆき、空からは陰々と小雨が降ってくる)」。

今年の雨は、事情が違うようです。


https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20200729-00190617/  【イラク首都で史上最高「51.8℃」 ふたたび記録更新も】  より

人間が耐えられる最高気温はどのくらいでしょう。ある記事には、こう書いてあります。

「39℃で心臓発作のリスクが生じ、40℃で大脳に危険が及んで、41℃で生命は危機に見舞われる。」

その命を脅かす41℃をはるかに超える高温が、今週中東イラクなどで観測されています。

イラクの首都バグダッドでは27日(月)、最高気温が50.6℃まで上昇しました。さらに28日(火)には51.8℃まで上がって、同市の観測史上最高気温を記録しています。この時期の平均は44℃ですから、それを7℃以上も上回る異常な暑さに見舞われたのです。

そのほか同国アマラでは27日(月)に52.0℃を記録しました。

なお、イラク国内のこれまでの最高気温記録は、2016年7月22日にバスラで観測された53.8℃です。

電力不足の最中の熱波

冷房が必須の状況ですが、残念ながらイラクはそのような状態にはありません。

国連などによる経済制裁の影響で、ここ数十年間にわたり電力事情がひっ迫しています。バグダッドでは一日で12時間しか電力が供給されない状態なのだそうです。

そうした中で極暑が襲い、電力不足はさらに深刻化しています。氷の需要も増えていますが、価格が高騰しており、命の危険が極めて高い状況です。

高温はいつまで

この暑さはいつまで続くのでしょうか。

バグダッドの29日(水)の予想最高気温は51℃で、再び記録が更新される可能性も否定できません。現在イラク上空に高気圧が居座っていることが熱波の主な原因です。

ただ週の後半からは低気圧が近づくため、気温が下がって、31日(金)あたりからは40℃半ばの気温で推移する見込みです。

中東の最高気温記録

中東は世界でもっとも暑い地域です。

2016年にはクウェートのミトリーバで53.9℃(※)を記録し、これが世界第2位の最高気温である可能性が出ています。

というのも、現在、世界最高気温記録として登録されているのは、米カリフォルニア州デスバレーの56.7℃(1913年)ですが、この数値の真偽が疑われているためです。もしこの記録が取り消されれば、2013年にデスバレーで観測された54.0℃に続き、世界2位の記録となります。

それだけではありません。気温と湿度から計算した体感温度の最高値も、中東で記録されています。

体感温度には公式な記録がないのですが、気候歴史家のクリストファー=バート氏の著書によれば、2003年サウジアラビアのダーランで体感温度が81℃まで上がったのが、世界最高ではないかということです。

数十年後には60℃突破も

中東の気温は今後も上昇の一途をたどるおそれがあります。

今世紀中頃までにクウェート市やアラブ首長国連邦のアル・アインなどで、気温が60℃に達する恐れがあるほか、2100年までには一部で人が住めなくなるかもしれない、などとも予測されているほどなのです。

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