木天蓼(もくてんりょう)

http://www.e-yakusou.com/yakusou/790.htm 【マタタビ ( マタタビ科マタタビ属:落葉蔓性低木:花期 6~7月)】  より

薬効

冷え症 神経痛(しんけいつう) リューマチ 小便不利 腰痛 胃がん          

分布生育場所

科名:マタタビ科/属名:マタタビ属

和名:木天蓼(もくてんりょう)/学名:Actinidia polygama

日本全土の山地に自生する雌雄雑居性の落葉つる性植物。

朝鮮、中国、ウスリーに分布

見分け方・特徴

マタタビは、山地の山沿いなどに多く自生していて、若枝は蔓状に長くのびて、ゆるく周囲のものにからみつき、色は褐色をしています。

マタタビの葉は有柄で互生して、2~7センチの長柄があり、形は卵形から楕円形で、先は尖り、基の方は円形をしています。

葉の大きさは長さ6~12センチ葉質は薄く、葉縁は鋸歯状をしています。開花するころになりますと、とくに枝先の葉は表面が、ろうのような物質でおおわれており、部分的に白くなります。そのため遠くからもよく目立って見えます。

花は、夏に、雄株の葉腋から梅の花に似た、白い雄花の五弁花が2~3個垂れ下がって咲きます。

雌株には、花弁の無い雌花か、まれに白色五弁花の両性花を1個下向きにつける。

果実は長楕円形で、先は尖って長さ2.5~3センチ、8~9月に黄緑色に熟します。表面は平滑で噛むと辛い味がします。

採集と調整

マタタビのつぼみの頃か、花の開く直前に「マタタビアブラムシ」という小さな昆虫が、花の子房(しぼう)に産卵すると、花後正常の形をした果実とはならずいわゆる虫こぶのようになります。

これを、生薬の木天蓼(もくてんりょう)と呼んで生薬として用います。

この虫こぶは秋に採取して、熱湯又は短期間蒸してから、天日で充分乾燥させて保存します。

マタタビの蔓(つる)を乾燥したものは、生薬で天木蔓(てんもくつる)といい、虫こぶでない実を乾燥したものは生薬で天木実(てんもくじつ)といいます。

薬効・用い方

有効成分は、マタタビ酸、マタタビラクトン、アクチニジン(鎮静)、ポリガモール(利尿)

木天蓼(もくてんりょう)は、体を温めて血行をよくして、強心、利尿の効き目があります。

冷え性、神経痛、リューマチ、腰痛などに、木天蓼10~15グラムを、0.6リットルの水で煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、1日3回に分けて食間に服用します。

また、マタタビの乾燥した茎葉根・天木蔓(てんもくつる)も同じ効き目があるとされてるので、これも木天蓼(もくてんりょう)と同様に1日量を10~15グラムとして煎じて用います。

猫の病気には、木天蓼(もくてんりょう)の粉末を餌に混ぜて与えると良いとされます。

マタタビ酒:木天蓼(もくてんりょう)200グラムとホワイトリカー1.8リットルにグラニュー糖かハチミツを適量加えて約三ヶ月冷暗所に漬け込みます。布でこしてから1回量0.15グラムを毎日朝夕2回に分けて服用すると、冷え性、神経痛、リューマチなどに効き目があり、利尿、強心の効果を表します。

塩漬け:若い果実を塩で漬け込んで食べる。滋養強壮・冷え性に。

浴湯料:乾燥した茎葉を袋にいれる。保温、疲労回復、腰痛、熟睡安眠に。

若葉、花をつみ、多めに塩をいれて熱湯でゆででから、水にさらして、おひたし、あえものなどに調理する。

中国では、マタタビど同属のサルナシの根を藤梨根といって、抗がん植物として用いていますが、マタタビの根についてはまだ解っていません。

胃がん、直腸がんの治療には、サルナシの根75グラムに水1リットルを加えて煎じて、約3分の1量まで、とろ火で煮詰めます。それを、1日2回に分けて食間に服用して、2週間続けて、1週間休みます、再度服用します。4通り服用して経過をみますが、服用期間中はショウガ、ネギなどの刺激のある食物は避けるようにします。

悪心(おしん)や嘔吐(おうと)がある場合は数日服用を中止してから、再度服用をするようにします。

その他にも、肝臓がん、子宮がん、肺がん、乳腺ガンなどの治療にもサルナシの根を配合した処方が用いられています。

その他

名の由来は、アイヌ語で呼ばれる、マタタンプが転訛(てんか)して、マタタビになったという

また、古名では、和多々比(わたたび)と呼び、ワタタビが転訛して、マタタビの名になったという説もある

古くから、猫にマタタビと言いますが、実際に猫がマタタビにじゃれる様子は異常なほどすごく、名前の由来は、長旅に疲れた旅人が、マタタビの果実を食べたら元気が出て、「また旅」をしたということから名づけられたというマタタビ語源説があります。