http://blog.livedoor.jp/haikunoiriguti/ 【星野立子を鑑賞】
長いことブログをアップしていなかった。
4月からNHK俳句の選者が変わるのが楽しみである。
西村和子さんはどんなお話しをして下さるのかしら。
さて、今まで記録ばかりしてきたが、これからは自分の鑑賞を少しづつしたためたいと思う。
最初に星野立子の作品
1903年(明治36年)生まれ 高濱虚子の次女、主宰誌「玉藻」を創刊。
中村汀女・橋本多香子、三橋鷹女と共に四Tと称された。
囀をこぼさじと抱く大樹かな 昭和14年作。立子38歳。 少女のような感性の句である。囀なので季節は春。この大樹は落葉樹ではなく常緑の大木樫の木なのでしょうか。
樫の木の葉がこんもりと茂っている中で安心して鳥が恋の囀をしている。大樹は、囀りを大切にこぼさないようにそっと包み、恋を応援しているのだ。この句から連想された物語は私の大好きな『秘密の花園』である。
木々や花のあふれる園で、こまどりが囀っている。季節は夏になってしまうが、葉っぱがハートの形をした桂の木が「囀」には似合っているような気がする。
立子も『秘密の花園』を読んで、少女小説の世界も楽しんでいたに違いない。
清らかな感性の立子の句にこのごろ惹かれている。
http://blog.livedoor.jp/haikunoiriguti/archives/1070444130.html 【NHK俳句に学ぶ「春暁」宇多喜代子先生】 より
●選者:宇多喜代子さん ●司会:小林聡美さん(俳優)(むかご)第1週の司会のみ小林聡美さんに替わった。ゲストはいないそうである。番組に変化が出て新鮮。俳人の宇多喜代子さんは、人としても好きな方である。
●宇多さんは、「くらし歳時記」がテーマ 「二十四節気」「二至二分四立」立春から始まる。「清明」「穀雨」15日ごと変わる。
●清少納言『枕の草子』 春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは 少しあかりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる
●兼題:「春暁」または自由 春暁は昔、朝ではなく夜の続きだった。のそのそと春あけぼのの象の耳 (宇田喜代子)
○一席
春暁や朝刊はまだ柔らかく (川口小夜子さん)選者:朝、新聞を手にした感じがでている。
○二席
春暁の山川情をふくらます (大和田博道さん)選者:私は漢語が好きなので、 山川を「やまかわ」ではなく、「さんせん」と、読みたい。
○三席
春暁の光芒現るる室戸沖 (関玉木さん)現(あ)る 選者:見えるものが現れた時は「現るる」形のないものの場合は「表るる」
http://blog.livedoor.jp/haikunoiriguti/archives/1070919675.html 【NHK俳句に学ぶ「新茶」】 より
●選者:岸本直毅さん 蟻は皆うごく静かな蚯蚓の死
●ゲスト:井田寛子さん(気象予報士)
●写生って何?
俳句は大きいものをみる句と小さいものを見る句がある。
五月雨をあつめて早し最上川(松尾芭蕉) 灰汁桶の澄みて溢るヽ五月雨 (西山泊雲)灰汁桶(あくおけ)
●兼題:「新茶」または自由 この国や今し飛び交ふ新茶の荷 (波多野爽波)
○一席
十七の三女淹れたる新茶かな (新海章一さん) 選者:十七歳という年齢三女だとわかる。ドラマの背景、家族の状況がわかる。(七十の妹が掃く落ち葉かな 田畑比古)
○二席
新茶汲む金平糖の可愛くて (鍛冶ひで子さん)選者:お茶うけと、説明がなくて金平糖とずばり言ったのがいい。
○三席
届きたる新茶の筒を鳴らしけり (小泉浪士さん)選者:「鳴らしけり」が、いい。フタをスポンと鳴らす音や茶筒を持ってサラサラと鳴らしたり。
※むかごの好きな句
病む妻の急須ふるへる新茶かな (渡辺実さん)「急須ふるへる」が、客観的な表現でいい。
●俳人養成所
添削前:新茶添へ見合ひ写真のとどきけり 添削後:新茶添へ見合ひの写真届とどきけり
前:富士映る忍野の水で新茶かな 後:富士映る忍野の水や新茶汲む
前:車窓から飛び込む萌黄新茶かな (寛子) 後:萌黄なる茶畑が目に飛びこんで
前:新茶飲むただただ笑ひただ笑ふ 後:新茶飲むただただ笑ふばかりなり
前:銀色の封切りたての新茶かな (葉子) 後:銀色の封を切りたる新茶かな
焼き立て、もぎたてなどの言葉は浮く
前:「古茶やけんど」と淹れる住職味深し 後:住職の「古茶やけんど」と淹れてくれ
前:缶の底ポンと鼓て新茶くる 後:缶の底ポンと打つなり新茶くる
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