Facebook・小早川 智さん投稿記事 エゴロジーからエコロジーに!!(^-^)/
新型コロナからの再生はグリーンリカバリーで。ヒントはオランダ・アムステルダム採用の「ドーナツ経済学」に | Circular Economy Hub - サーキュラーエコノミーハブ https://cehub.jp/insight/green-recovery-wef/
【新型コロナからの再生はグリーンリカバリーで。ヒントはオランダ・アムステルダム採用の「ドーナツ経済学」に】
新型コロナからの再生はグリーンリカバリーで。ヒントはオランダ・アムステルダム採用の「ドーナツ経済学」に
世界経済フォーラム(WEF)はこのほど、「新型コロナウイルスによるリスク見通し(COVID-19 Risks Outlook: A Preliminary Mapping and Its Implications)」と題したレポートを公表。この中で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が引き起こした危機によって、気候変動対策やサステナビリティへの取り組みが犠牲になり得るとの危機感を表した。一方で、経済復興の過程で気候変動やサステナビリティに配慮する「グリーンリカバリー」を取り入れることで、産業構造を転換させながら、レジリエントな「より良き社会」を構築する機会にできるとの認識を示している。
新型コロナはサステナビリティ後退のリスク要因
レポートでは、新型コロナウイルス危機に伴って、下記4つの領域でリスクが生じると予測した。
・産業構造の転換を含む経済システムの転換
・サステナビリティの後退
・失業の増大などによる社会的分断の加速
・サイバー攻撃やプライバシー侵害などによるテクノロジー依存の弊害
このうち、サステナビリティの後退をめぐっては、テレワークの定着や移動・旅行頻度の低下をはじめとする新型コロナウイルスの流行で生じた新たな働き方やライフスタイルへの変化に応じて、環境への負荷が低減することが期待される。
その一方で、公衆衛生や経済再生が優先されるあまり、資源多消費型の産業に補助金がつぎ込まれるといった形で、サステナビリティの原則を無視した経済再生が図られれば、低炭素化が阻害される。例えば、深刻な打撃を受けている運輸部門のCO2排出量は世界の全排出量の約4分の1を占める。移動の需要は今後一定程度の回復が見込まれるものの、温室効果ガスの排出量が元に戻ることが懸念される。パリ協定の1.5℃目標達成のためには、2030年までに温室効果ガスを年間7.6%削減されなければならない。
また、人体が大気汚染物質に長期間暴露されると、新型コロナによる死亡率を15%高める可能性があるという最新の調査結果も発表され、移動を含めた経済活動の再開が健康に対する懸念を増大させる。
こうした背景から、2030年を目標としているSDGs(国連持続可能な開発目標)の達成に深刻な打撃を与える可能性がある、とレポートは指摘している。
欧州では、欧州グリーンディールのアプローチで、特にテクノロジーとサーキュラーエコノミーに重点をおきながら新型コロナウイルスからの経済再生を図ろうとする向きはある。しかし、欧州の中でさえも、環境にネガティブな影響をもたらす業界(航空業界が代表的だが)に対して信用保証や補助金を出すような動きがあり、サステナビリティの実現に向けた国際協調の枠組みの足並みを乱しかねない。よりレジリエンスのある社会基盤を構築する必要が生じているにもかかわらず、新型コロナウイルス対策で巨額の財政出勤を行った影響で、気候変動や生物多様性保全に対する予算削減圧力も働きやすくなりがちだ。
このためレポートは、気候変動や生物多様性の崩壊が感染症の広がりを招いているとされる中にあって、サステナビリティに取り組まなければパンデミックに直面する頻度が高まるという悪循環が避けられない、とも指摘する。これでは、サステナビリティへの配慮に欠けた「ブラウンリカバリー」になってしまう。
グリーンリカバリーを支える「ドーナツ経済学」とは
これに対して、サステナビリティに配慮する「グリーンリカバリー」を取り入れれば、産業構造を転換させながら「より良き社会」を構築する機会にできる。現に、G20市民の65%がグリーンリカバリーに賛成しているとの調査結果が出ている。新型コロナウイルスからの再生局面では、サステナビリティへの取り組みを、これまでのように「あればなお良いもの」と位置づけるだけでは、国民から批判を受けるかもしれない。
グリーンリカバリーを具体化する上では、英国の経済学者ケイト・ラワース氏が提唱する「ドーナツ経済学」が参考になる。地球環境が許容できる範囲の中でバランスを保ちながら、人々の社会、経済ニーズを満たすことを求めているドーナツ経済学は、サーキュラーエコノミーを取り入れた都市計画を策定したオランダ・アムステルダムで実践されようとしており、図らずも新型コロナウイルス禍に見舞われた世界にとっても再生への道しるべになる可能性が出てきた。
グリーンリカバリーでSDGs達成を加速させよ
新型コロナウイルスからの経済再生にグリーンリカバリーを取り入れれば、社会的平等とサーキュラーエコノミーを含めた環境のサステナビリティを定着させるチャンスになる。SDGsの達成を加速させることにつなげることもできるのだ。
グリーンリカバリーの考え方や、その具体化に向けた理論的支柱ともいえるドーナツ経済学は、新型コロナからの再生、さらにはその先の持続可能な世界の都市政策に先んずる形で、環境・経済・社会のバランスを保った政策となる可能性を秘めている。
https://cehub.jp/news/scotland-link-survey/?fbclid=IwAR17D_Uzt-5TeRnwy0R4h9PNVGaw2G5H1W42mhsfXM6jx3h6k8QaAvrlXUQ【スコットランドの住民は、サーキュラーエコノミーを望んでいる。】 環境世論調査 より
スコットランドの環境団体組織LINKは6月9日、スコットランドの住民は環境負荷の少ないサーキュラーエコノミーを望んでいるとする世論調査の結果を発表した。スコットランド政府は現在、コロナ危機後の経済復興策を検討しているが、この世論調査結果が政策に影響を与える可能性がある。
団体組織LINKの一社であるSurvation社が実施した環境世論調査(回答数1,027)によれば、回答者の87%が「スコットランドでは、原料をより賢明に使用し、廃棄物を少なくすべきである」という声明に同意し、78%が「行政府は、原材料の使用量を削減する方法に関する目標と計画を導入する必要がある」という声明に同意した。
また、回答の91%は、「修理が簡単で、部品は再利用可能な製品が望ましい」としており、83%は、「スーパーマーケットが自社の廃棄物レベルを発表する」こと、77%が「サプライチェーンの廃棄物を公に報告する」ことを支持した。
スコットランド環境団体組織LINKのサーキュラーエコノミー・リーダーであるフィービー・コクランリンク氏は、「スコットランド住民は、廃棄物を最小限に抑え、住民と地球の持続可能性に有益な活動を行うことを望んでいる。サーキュラーエコノミーへの動きは、気候変動の義務を果たし、レジリエントな経済を確保するために重要だ。」と述べた。
コロナ危機後、国際機関は各国政府に対してグリーン・リカバリーを目指すよう促しているが、スコットランドのように地域住民からの要望は、グリーン・リカバリーの柱としてサーキュラーエコノミーへの移行を進めていくうえで強い推進力となるだろう。
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