50代の男性。人あたりがよく、いつも笑顔。社会的にも多くの評価を得てきた彼が 不全感に苦しみ 心が空っぽだと嘆きます。
彼のコミュニケーションの仕方は 即応答。
講演を聴くときも 見事に反応します。
しかも カウンセリング技術で言う いわゆる「オウム返し(照り返し)」を駆使します。
相槌も上手にしまくり!!
相手の話の内容を素早く掴み 応答してしまうので 演者のが話の腰をおられてしまいかねない有様です。
たまりかねて「会話はよく キャッチボールに例えられますね。〇〇さんの話し方は ピンポンのように感じてしまいます。」
「自分の言ったことが跳ね返されて帰ってくると受け止められた感じになれません。」
「心のエネルギーが外にばかり向いて 自分の内側に無関心な感じがしてしまいます。」
「不登校が問題視された頃いい子が危ないと言われました。
良い子とは 周りの大人にとって都合のいい子を指すからですね。
自分を生きることを諦めた子かもしれません。」
「○○さんにそんないい子を感じてしまいます。」と伝えました。
彼は涙ぐみ「幼い時から 大人の評価を受けることばかり 頑張ってきたこと『90点取れば なぜ100点取れなかったか?』と叱責され、頑張って頑張って生きるしかなかったこと、など、生育歴にまで 話が及んでしまいました。
子どもは親から自分が愛してもらえない、認めてもらえないのは自分がダメな子だからと勝手に思ってしまいます。
30代の女性A.さん。長い間、母親の期待に応え、母親を慰める役をやってきました。
彼女が高校1年生のときに両親は離婚し、それから母親との二人暮らしが始まりました。
母親は、「あなたが幸せになるためだったら、お母さんはいくらでも頑張るからね」とも言うようになりました。
母親の期待が重くて、何度か反抗しましたが、、口論の後、母親は涙を浮かべながら、「お母さんはあなたの幸せのために自分の人生をささげてきたのに、あなたはお母さんを見捨てるの?あまりに恩知らずじゃないの?お母さんのこれまでの人生はなんだったの?」とさえいいます。
「離婚してからの母は、経済的な不安を抱えながらも働いて私を養ってくれていたので、
そんな母を悲しませてはいけないという気持ちを振り払うことができませんでした。」とAさんは話します。
母に取り込まれ、操られてきた自分を許し、慈しむにはどうすればよいのでしょう?
東京で生まれたBさんは三歳の時に宮城県に疎開、終戦後も宮城県にとどまり、ミッションスクールに学びます。
彼は勉強に運動にと一生懸命励み、常に学校では中心的存在でした。
しかし、Bさんの心はいつも寂しく、虚ろだったと言います。
人生に失望していたのだとBさんは言うのです。
不仲だった両親は喧嘩が絶えず、幼いBさんの目の前で毎日のように怒鳴り合っていたといいます。
「あなたの父さんと見合い結婚したけど、すぐに愛想がつきて離婚しようと思ったのに、あなたがお腹にいたせいで離婚できなかったのよ!」母親の心無い言葉に、自分はこの世に生まれてくるべき人間ではなかったのだと思うようになりました。
哀しみはそればかりではなく、13歳の時、祖母と二人きりの夜に隣の部屋で祖母が首を吊って死に、それからほどなく、祖父も自殺してしまったのです。
Bさんは表面では快活な優等生を演じながら、心の中の強烈な虚無感に苛まれる青春時代を送ることになりました。
こんな傷ついたままの自分(インナーチャイルド)はどのように癒されるのでしょう?
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