無人島ゲーム

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/edu/kyouzai/handbook/html/h20102_2.html  より

1. ねらい

無人島ゲーム イメージ図

子どもたちは、身の回りに何でもあり、何でも手に入る社会でくらしています。くらしになくてはならないものは何か、あればいいものは何か、気づかずにいます。しかし一方で、開発途上国・地域の子どもたちには、食べ物や保健・医療、教育など、人間のくらしにとって必要不可欠なものが不足していることが多いのです。

このゲームは、「何もない無人島」にくらすとして何が必要か話し合い、探ることによって、「人間にとって必要なものは何か」を発見し、私たちの豊かなくらしの中味や開発途上国・地域の子どもたちの現状に気づいていこうとするものです。

2. 進め方

4、5人のグループに分かれる。

無人島の絵や写真を示し、「この島にグループの人たちが長期間くらすことになりました。島には海、小川、森、動植物などのほかは何もありません。みんなで相談して、日本から持っていくもの10個を決めてください」と告げる。

まず初めに、一人ひとりが自分ならこんなものを持っていくだろうと思うものをリストアップする。

次に、グループで持っていくものを10個にしぼる。各個人でリストしたものには共通するものがあるだろう。

さらに、リストアップした10個を、「必要不可欠なもの(needs)」と「あればいいもの(wants)」に分類するように伝える。

教室であれば黒板に、グループでリストアップし、二つに分類したもの10個を書き出してみる。

実際にやってみると面白いものが出てくる。

3. ふりかえり

「必要不可欠なもの(needs)」は、衣食住、医療をはじめ人間の生活にとって基本的なもので、教育とあわせてベーシック・ヒューマン・ニーズ (BHN)と呼ばれています。これらは、開発途上国・地域の人々が本当に必要としているものであり、そこから開発や支援のあり方を考えるきっかけになります。

「あればいいもの(wants)」は、遊びや教養、通信や交通の手段となるもの。冗談かもしれませんが、コンビニや自動販売機といったものも出てくることもあります。これらは、ほとんどが維持管理するためには電気(バッテリー)を必要とするもので、私たちの便利なくらしを支えているものです。そこから、先進工業国・地域の私たちが、多くのエネルギーを消費している生活に気づくことができます。

両者を比較することで、先進工業国・地域と開発途上国・地域の間にある違いなどに気づくことができます。

4. 時間

ゲーム自体は、ふりかえりも含めて50分(1コマ)で可能ですが、開発途上国・地域の現状をデータやビデオ映像、スライドなどで検証する場合は、100分(2コマ)でもいいでしょう。

5. 身につく力

活動そのものは一種の空想ゲームですが、持ち物をリストアップしていく過程で、話し合いや判断する力が身につきます。さらに、私たち(先進工業国・地域)の豊かな日常生活や、遠い開発途上国・地域のくらしとの違いに気づくことによって、課題や問題を発見していく力や見方・考え方が身につきます。

必要不可欠なもの

食べ物(米や小麦、とうもろこしなどの穀物)や穀物・野菜などの種

水および安全な飲み水にするための道具(ろ過器など)

ナベ、ヤカン、お皿などの食器類

ナイフ、オノ、ノコギリ、猟銃、釣りざお、ボート、網などの採集狩猟用あるいは大工用道具

レンズ、虫眼鏡など火を得るための道具

医薬品あるいは薬草図鑑など保健・医療に関するもの

あればいいもの

サッカーボールなどの遊び道具、ギター、笛などの楽器

聖書や百科事典のような書物

望遠鏡やマウンテンバイク、ラジオなどの通信交通手段

冷蔵庫、洗濯機、携帯電話、テレビ、パソコンなどの電化製品

コズミックホリステック医療・教育企画