南山大学は,平成18年度岡崎市教育委員会から「人間力向上のための学校教育の具体的方策」という課題で,3年間の研究委嘱を受けました。研究紀要より
1)単元概要
本校では総合的な学習の時間の中で職場見学(1 年生),職場体験(2 年生),職場訪問(3 年生 5 月)を行っている。これらのキャリア学習を終え,自らの将来を見据えて進路を考えていく3年生で,改めて自分の夢を明確にし,過去・現在・未来をつないでいく前向きな生き方と生き方を支えるキャリアについて考えさ
せる。そこで3年生では,夢実現に向けて主体的に取り組む自立力の育成のしめくくりとして,自分の将来像をしっかり見据えた「ライフマップ」の制作を行う。
過去の自分をふりかえり,その時の夢と今の自分・今の夢を照らし合わせることで,過去からつながる未来を考えさせる。
そして,過去からつながる未来の夢を描くことで夢実現の意欲を高める。さらにこれまでに学んだことを整理し,夢とのつながりを考える。さらに夢実現の目標を考えることが,進路を主体的に選択する力を支えていく。ライフマップは,これらの要素を凝縮したものである。
ライフマップの制作段階では,一人一人が満足し,納得できる作品にするために,過去をふりかえったり,未来を想像したり,職業について調べたりする時間を十分に確保する。そして完成後には学級でライフマップの発表会を行う。それをグループや学級という集団の中で認め合い,励まし合うことを通して夢実現の意欲を高めさせる。
ライフマップ制作 学習計画〔11 時間完了〕
◇「過去の自分にタイムスリップ」………1時間
◇「未来の自分にタイムスリップ」………1時間
◇「夢の現実に必要なものは何だろう」…1時間
◇「ライフマップを作ろう」………………3時間
◇「アドバイスを聞いて努力目標を完成させよう」…1時間
◇「ライフマップを完成させよう」………2時間
◇「ライフマップの発表会を開こう」……2時間
2)継続観察生徒 授業の変容
アドバイスを聞いて努力目標を完成させよう
人間関係力中位のM子は,お菓子職人が夢であり,努力目標がまだ明確ではなかった。アドバイスをもらうことで,努力目標を定めることができた。人間関係力上位のK男は,プロバスケットボール選手という夢を持ち,実現のための目標も明確であった。友達にアドバイスすることで,目標に対する視野をさらに広めることができた。
3)継続観察生徒 単元での変容
ライフマップを完成させよう
グループ発表を終え,夢実現のための努力目標が明確になったので,項目④の目標部分を書き込み,ライフマップを完成させる活動を行った。S子は,ライフマップを作ったことで,しだいに夢が固まりはじめ,完成後には教師か心理カウンセラーになりたいと夢を明確にすることができた。
ライフマップ発表会を開こう(10/11 時限)
単元の最後は,全体発表会を開いた。
ライフマップを使って夢をみんなに伝えた。S子はクラスの仲間の夢や努力目標を知ることで,その夢を応援する気持ちも芽生えたようであった。発表者と聞く側の生徒が共に学ぶことができた。
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