http://karapaia.com/archives/52148633.html より
海外情報サイト"buzzfeed”で、死や人間の尊厳がテーマとなったドキュメンタリー映画やテレビ番組が「こらえきれずに泣けてくる」作品としてピックアップされていた。いろいろ考えさせられる重い内容だが、どれも実話であり、人間の本質が見え隠れしている。
ネット上ではいとも簡単に「死ね」という文字を冗談半分に書き散らす人が多いが、これらの作品をきちんと鑑賞し、死と真剣に向き合ったら、軽々しくそんな言葉を文字にできなくなること請け合いだ。
興味のある作品があったら、この冬休み、DVDなどを借りて見てみるといいかもしれない。テレビ番組の方もDVD化されているが、日本では発売になっていないものがほとんどなので、YOUTUBEの動画の方を貼っておいた。
1.ハーヴェイ・ミルク(1984年 映画)
米サンフランシスコの政治家で初めてゲイを告白したハーヴェイ・ミルク。彼の生涯を描いたドキュメンタリー映画「ハーヴェイ・ミルク」(The Times of Harvey Milk)、もしくは2008年にアメリカで公開された彼の伝記映画「Milk」は、様々な形で逆境を乗り越えた彼の物語であり、1978年に暗殺されたミルクの痛ましい死の記録でもある。
2.ブラザーズ・キーパー(1992年 映画)
「ブラザーズ・キーパー」(Brother’s Keeper)には"兄弟のお守り役"という意味がある。ウィリアム・ワードの死は未解決のままだ。安らかな死を迎えるように、と兄弟であるデルバートに窒息死させられたのか、または行き過ぎた欲望の結果だったのか?いずれにせよここでは、無学な田舎者だとみなされて却下された家族の訴えだけでなく、その裁判を取り巻くメディアの過剰な反応にも鋭く焦点が絞られている。
3.シルバーレイク・ライフ:ここからの眺め (1993年 DVD)
「シルバーレイク・ライフ:ここからの眺め」(Silverlake Life: The View From Here)は、ハンディカメラで撮影されたドキュメンタリー番組。これは長年パートナーだったトム・ジョリンとマーク・マッシが、2人に残された最期の数ヶ月を共有するビデオダイアリーだ。そのビデオには共にAIDSの合併症に倒れ、確実に訪れる死の現実に向き合いながらも、日々の仕事を必死にこなす彼らの様子が写っている。
4.チルドレン・アンダーグラウンド(2001年 映画)
ルーマニアには2万人のストリートチルドレンがいる。チルドレン・アンダーグラウンド(Children Underground)はそのうちの5人を追跡したドキュメンタリー映画。彼らはブカレストの地下鉄の駅で暮らし、物乞いや窃盗で食べ物を手に入れる。だがもっと深刻なのは、この子供たちが自分達の悲惨な境遇から逃避するために吸引するとハイな気分になれるペンキの缶を入手することだ。
5.My Flesh and Blood(2003年 テレビ番組)
スーザン・トムは、肉体的または精神的に障害を持ち、特別なケアを必要とする子供達を育てるというひたむきな人生を送る。このドキュメンタリーはそういった彼女の日々に焦点を当てている。彼女は末期の病を抱える子供を含めた11人を世話しているが、その中の一人に自分が大人になる日が来ないことすら知らずにいる末期患者がいた。
6.ダーウィンの悪夢(2004年 映画)
このドキュメンタリー映画は、アフリカのビクトリア湖に放したナイルパーチが招いた壊滅的な結末を描いたもの。初めは周囲の自然環境にとどまっていたその被害は、まもなくその湖周辺で生まれ育ち、湖で生計を立てていた人々にまで及ぶ。この作品は、生きるために内蔵が出て腐敗した魚の死骸を食べる地元の住民達、そして悲惨な環境の中、ドラッグに溺れて行く彼らの子供達や売春婦の姿をとらえている。
7.ブリッジ(2006年 映画)
ゴールデン・ゲートブリッジから飛び降りる人々の自殺の場面を撮ったこの作品は議論を呼んだ。その自殺者の家族にインタビューした人物はエリック・スティール監督本人だった。しかし、結果的には深刻な問題を抱えていた人々の最期の瞬間が心に焼き付いて離れない映画に仕上がっている。
8.殺人という行為(2012年 映画)
インドネシアの暗殺部隊の元メンバーが、かつて行った犯罪行為を再演した試験的なドキュメンタリー。その中で彼らが犠牲者役になるときもあった。特にその犠牲者の気持ちになるよう強いられた際に、彼らのうち少なくとも一人は自分が行った事を再現すること苦痛を感じていた。彼らにとってこれら全てが、過去に犯した行為を思い出し、その現実に直面する辛い作業だったのた。
9.ブルガリアの捨てられた子供たち(2007年 テレビ番組)
ブルガリアにある精神的、または肉体的な障害を抱える75人の子供達の養護施設を撮ったドキュメンタリー。中には障害ではなく単純に口をきけない子供もいる。なぜなら彼らは口のきき方を教わったことがないからだ。一方で前後に体を揺り動かす子供達もいる。それは彼らが知っている唯一の暇のつぶし方だからだ。このドキュメンタリー番組はYOUTUBEで全編が公開されている。タイトルはBulgaria's Abandoned Children(閲覧注意)。
10.ザカリーに捧ぐ(2008年 映画)
冒頭は死者を悼む哀歌、それはやがて"真の意味での犯罪"の物語へとシフトして、打ちのめされそうな衝撃を与えると同時に強く惹きつける。この作品については予備知識が無いほうがいい。物語の中心となる人物は、"父親を知らずにこの世に生まれ、今後も決して知ることがない男の子。そんな小さな彼に、その父親を紹介する映像を作り始める"といったあらすじを知っていれば充分だ。だが進むにつれ、物語はさらに悲惨な方向へ向かってゆく。
11.ヤング@ハート(2008年 映画)
平均年齢80歳のお年寄り合唱団のドキュメンタリー。地元の町で行われる大きなコンサートを控える中で、二人の団員が相次いで亡くなってしまう。これを観てしまった人はコールドプレイの「フィックス・ユー(Fix You)」を以前のように聴くことはできなくなるだろう。
12.レストレポ~アフガニスタンで戦う兵士たちの記録~(2010年 映画)
この映画はただ悲しいだけでなく、最もストレスがたまるドキュメンタリーの一つでもある。他のどんな映画よりも観客を戦場にいる気分にさせ、その小隊に迫る危険を感じさせる。そしてこれを観ることは、Restrepo-その戦闘の中で初めに戦死した衛生兵の名であり、この映画のタイトルでもある-を失った彼らの悲しみを体験することでもあるのだ。
13.ハウ・トゥ・ダイ・イン・オレゴン(2011年 映画)
1994年、オレゴンは内科医の補助による自殺が許された米国内初の州になった。ドキュメンタリーでは、これを利用して尊厳死を選択した末期患者を追う一方、その尊厳死法を説明し、この新しい法の地域拡大をはかる。
14.テリー・プラチェット:死の選択(2011年 テレビ番組)
アルツハイマー型認知症と診断された作家のテリー・プラチェットは、退行症状を伴う患者達と面会する。その中で彼は運動ニューロンの疾患を抱える男性ピーター・スメドレーに目を留める。ピーターはスイスにある自殺補助団体、"ディグニタス"へ向うという。それは彼自身が選んだ生涯を終える最後の旅なのだ。
15.阻まれた少年(2012年 テレビ番組)
エヴァン・ペリーは幼い頃からうつ病を患い、自殺傾向があった。これは彼の両親が自ら監督兼カメラマンとなり、劇的な治療法が無く、終わることのないエヴァンの精神的な苦悩を和らげようとする自分達の試み、そして15歳の息子の最終的な自殺-を考察するために記録した映像だ。
0コメント