自己肯定感を高める7つの方法

https://life-and-mind.com/self-image-7-944  より

気づき、受け入れ、許可する3つのステップ

まずは、自分がどんなことでダメだと思っているか、見つけてください。表現を変えてお伝えすると「どんなことでダメだ」と、思い込んでいることに気づいていください。

やり方としては、以下のステップで紙に書き出します。

ステップ1

まずは自分がダメだと思っていることを文字で書き出します。大切なポイントは「私は」「僕は」「自分は」「俺は」といったあなた自身がしっくりくる第一人称の言葉を使って以下のように書き出します。

私は仕事ができない人間だ

私は異性にはモテない。魅力がない

自分は愛されない

自分は何をやっても失敗する

私はみんなのお荷物だ

ステップ2

先に書きだした否定的でネガティブな文言に対して、「と、今は思い込んでいる」または「と、今は感じている」という言葉を追記します。例えば以下のような文章です。

「私は仕事ができない人間だ」と、今は思い込んでいる

「私は異性にはモテない。魅力がない」と、今は思い込んでいる

「自分は愛されない」と、今は思い込んでいる

「自分は何をやっても失敗する」と、今は感じている

「僕はみんなのお荷物だ」と、今は感じている

繰り返しになりますが、大切なことは断定した表現をした後に「と、今は思い込んでいる」、または「と、今は感じている」といった言葉を追加して書き出す点です。

実際に書きだしてみるとわかりますが、制限となる思い込みに疑問が起きる感覚であったり、「今は」という言葉の影響で、将来は改善されるような期待のような感覚が生じてくるのを感じてください。

ステップ3

「許可する」言葉に変える。

私たちは「あれはダメ」「これはダメ」とさまざまな体験で、心の中にいろんな制限がついています。

ステップ2で、その制限を緩和させ、新しい希望を見出す「◯◯してもよい」という言葉に変えていきます。以下の例を参考にしてください。

私は仕事ができない人間だ

⇒ 「仕事ができる私になってもよい」

私は異性にはモテない。魅力がない

⇒ 「魅力を探し始めてもよい」「魅力を認めてもよい」「そして異性にモテてもよい」

自分は愛されない

⇒ 「自分は愛されてもいい」「人の好意を受け取ってもいい」

自分は何をやっても失敗する

⇒ 「自分は何かにチャレンジしてもよい」「失敗したとしても一歩を始めてもよい」

私はみんなのお荷物だ

⇒ 「私は誰かのために何かをしてもいい」「社会の役に立ってもいい」

幼い子を励まし、応援するような言葉を作ってください。このステップはあなたの制限となった傷ついた心を癒やしていくアプローチになります。

この3つのステップは、まずどんな否定的な思いをもっているのかに気づき、事実ではなく思い込みであることを受け入れ、最初の一歩を見出していくためのステップです。

ある人にとってはこのステップだけでも強力なアプローチとなり、自己肯定感を健全にしていくことができます。

NLPのリフレーミングで、あなたの短所をクリアにする

NLP(注1)のリフレーミングとは、枠組みを変えて物事を認識することを言います。

例えば、声が大きい知人と電車の中でおしゃべりすると周囲に迷惑がかかってしまいますが、地震や火事などの災害時には、その声の大きさは周囲の人の安全にも貢献できる要素となり、その人にとっての長所になります。

そのことそのものは変わらないのですが、状況や場面といった枠組みが変わると、その要素や特徴は短所から長所になる、というものです。

ここでご紹介するのは、このことを活用してあなたが思い込んでいる短所をリフレーミングする方法です。例えば、「飽きっぽい」という特徴は、「切り替えがはやい」「フットワークがかるい」「順応性が高い」といった長所のような表現ができます。

このように短所と感じている特徴を書き出し、リフレーミングしてください。

怒りっぽい

のろま

意思が弱い

例えばそういったことが挙がれば、

怒りっぽい

⇒ 情熱的、正義感が強い、感情表現豊か、人間味がある

のろま

⇒ おちついている、人に安心感を与える、動じない自分

せっかち

⇒ すぐ動ける人、行動的、決断力がある

こんな表現ができるでしょう。もし自分でリフレーミングできないようなら、知人に自分のことだと言わずに次の質問をしてください。

「◯◯な人って、ポジティブな意味で表現するとどうなるかな?」

◯◯の部分は、あなたが短所だと思い込んでいる特徴を入れてください

注1:NLP(神経言語プログラミング)は、フリッツ・パールズを始めとした3人の天才セラピストの卓越した技術や技法をもとに、体系化された心理学、コミュニケーションのスキルです。私たちが日常で取り入れやすいことが特徴で、現在も常に新しい手法が開発されている最新の心理学です。

「受けとる」練習をしていく

ここでいう「受けとる」とは他者からの言動の中で、あなたのために「してくれたこと」を数えていくことを言います。

自己肯定感が低い人は、他人から「してもらったこと」より、「してくれなかったこと」を数えて生きており、自己肯定感が高い人は、「してもらったこと」をしっかり受け取り、感謝の気持ちをもちながら生きています。

これは建設な自己評価をもつための内観(ないかん)と呼ばれる概念の一つですが、自己肯定感が低い人は「してくれなかったこと」で感じた憎しみや恨み、悲しみや寂しさを持ちながら生きているとされています。つまり、依存や被害者意識と呼ばれる状態です。

自己肯定感を高くしたければ、当然とか、常識とか、当たり前という意識を置いて、「してくれたこと」に焦点を当てて「ありがたい」「うれしい」「よかった」といった肯定的な感情や気分を手にしてください。

具体的には以下の項目をその日の夜に日記のようにリスト化していくといいでしょう。

周囲の人からしてもらったこと

感謝したいこと(自分や家族の健康など)

うれしかったこと(褒められたことなど)

自分でほめてあげたいこと(達成したこと、頑張ったことなど)

恵まれていると思ったこと

自分の長所かな?と思えたこと など

焦点を質問で変える

「昨日の夕食は何を食べましたか?」

そう聞かれて、朝食のことを考える人はいません。ほとんどの人が夕食のことに意識を巡らせ、質問に答えようと脳が自動的に働いてくれます。

このように私たちは何気ない問いかけで思考を巡らせており、「どうして自分はできないんだ」「なんで自分ばかりうまくいかないんだ」といった何気ない言葉に私たちの脳は反応します。

「どうしてうまくいかないんだろう?」「なぜ自分ばかり失敗するんだろう?」と問いかけていると、脳はその原因を探し始めます。実はこの質問は、健全な自己肯定感を持っている人は冷静に対処できますが、低いままですと、「やっぱり自分はダメだから」と否定的な方向に思考がいってしまうのでオススメできません。

オススメしたいのは、「どうしたらうまくいくだろうか?」「どうしたらできるようになるだろうか?」といった自動的に脳が建設的な答えを導き出すような問いかけです。

自動的に建設な答えがでてくる質問をどんどんあなたに投げかけてください。私たちの脳はインターネットでキーワード検索すれば必要な情報を収集するように、その答えやヒントを探し始めます。この他、

このことがうまくいく理由があるとしたらどんなことがあるだろう

楽しみながらどんどん進めていくにはどんな事ができるだろう

このことがうまくいったら誰が喜んでくれるだろう

今、感謝できること、感謝したい人がいるとしたらそれは誰だろう

今夢中になるものがあるとしたら、それはなんだろう

といった問いかけも活用してください。

スモールウィンの積み重ねで自己肯定感を高める

スモールウィンとは、小さな成功のことです。「偉業は小さなことの積み重ねである」という言葉があるように小さな一歩で自己肯定感を建設にし、確かな自信を作ってください。

講演や研修活動をする原田隆史さんは、荒れた中学校の教師として赴任後立て直し、陸上の全国大会で7年間で13回の日本一に生徒を導いた実績をもつ、いわゆるスゴイ先生です。その指導法の中にもこのことは取り入れられています。

心をきれいに、強くするには小さな習慣を決めて毎日続けることです。たとえば、「ゴミ出しをする」「近所の清掃をする」「20分ウォーキングする」といったところでしょうか。小さな生活習慣でも、毎日続けていると、「自分もやればできる」という自己肯定感が高まり、自信がつくものです。そして、この小さな成功体験を積み重ねると、セルフイメージが改善されます。それが、大きなことを成し遂げるパワーにつながるのです。

あなたにとってのスモールウィンは何か。ぜひ取り組んでみてください。毎日できることがポイントです。

力づけのアファーメーションやイメージを活用する

アファーメーションとは、建設的な言葉を言ったり、書いたり、つぶやいたり、読んだりすることです。先にご紹介した言葉のように

自分はできる

自分は人を信じて自分も信じている

自分は愛されている

自分は幸せになる価値がある

自分は人に貢献できる

といった建設的で積極的な言葉を断定的な表現、また許可型の表現を何度も自分に唱え、書き出し、読んだり、壁などに貼って眺めてていきます。

※否定的な自己肯定感をもったままだと逆効果になる場合があります。違和感や抵抗感がある場合は、4−1で紹介した「3つのステップ」に取り組んでください。

イメージのポイントは、目標を達成した自分や建設的な自己肯定感を感じ、仕事や人生を楽しんでいるあなた自身の姿ではなく、そのことを実現し体験しているあなたの目から見える人や景色や状況や情景を想像してください。

私たちの脳は現実とイメージの区別がつきません。この特徴を活かすためにも達成したあなた、うまくいっているあなたの目かみた情報、聞こえてくる声や音、そして体で感じている感覚や気分や感情を味わいます。

リアルに体験することで、この効果は高まります。

自分はできる、そう思っている自分が見る景色や状況などんなものか?

自分には価値がある、そう思っている自分がきく周囲の声や音はどんな情報か?

私は人生をもっと楽しんでも良い、そう思っている自分が感じる気持はどんな気持か?

上記の質問に答えるだけでもイメージのトレーニングになります。実際に体を動かしながらイメージするとより強力です。

自己肯定感を育む環境をつくる

これまでお伝えしてきたことも含めてですが、ネガティブな人たちやあなたを傷つける環境には近づかず、あなたを成長させてくれたり、いい意味で刺激となる人や環境の中に自分自身を置いて、あなたの自己肯定感を育んでください。

5.まとめ

自己肯定感は私たちの行動や能力、また縁や運といったものにも大きな影響を与える人生の鍵です。まずは今の自分に気づき、認識することです。良いも悪いも含めてあなたの現状を受け入れ、そのあとに建設的でポジティブな自己肯定感を形成してください。

制限となる思い込みや否定的な感情があれば、あせることなく書き出し、受け入れ、あなた自身で育ててください。高める方法でお伝えした内容は、すぐにもできる小さな一歩です。あなたにしか育てることしかできない自己肯定感をどんどん育てていってください。